CHUFF!! チャフで行こうよ。

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CHUFF!!ってのは、「おっ、なんかいいよね!」って意味です。チャフっていきましょうよ!

大阪八尾にミュンヒあり キテレツ稀人の作る限界珈琲後編完結

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前回お話したように、完全にハイで

ラリラリになっておったのでござるな。

 

chuff.hatenablog.com

 

よって、十分な写真を撮れておらないのでござる。

この点をばご容赦いただき、

できるだけテキストでお伝えするザンス。

 

値段もクレージーなら

味もクレージー

マスターもっとクレージー

 

その極みの10万円コーヒー!

さあ、ヒア・ウイ・ゴー!

 

 

でね、10万円お支払するわけないじゃないザンス?

 

「で、その10万円珈琲ですけど、誰が飲まれるんです?」

「せやねー、最近やとオイル王とか、シンガポールの金持ちの華僑とかー」

「な、なんかグローバルザンスね」

「せやから、YouTube見てくるねんなー」

「ああ、あれザンスね」

 

www.youtube.com

 

「あの器ねー、そこにあるけどー、モーツァルトの生まれる35年ほど前のー」

「はあ?」

「大体1200万くらいかなー、オールドマイセンで世界にヒトーツ!」

「ザンスかあ。。。」

 

 

クリムゾン・キングの宮殿

クリムゾン・キングの宮殿

 

 

ここからトークがまた15分ほど。

外人は現金持ってこないのが多いらしい。

まあ、そうでしょうなあ。

10万円のコーヒーを飲むのに、

キャッシュがいるとは思わんでしょう。

 

「で、そんなときはどうされるんザンス?」

「近所のコンビニで下ろさせるんやな」

「オイルキングも行くザンスの?」

「その人は、束で現金持ってはったな」

 

さすが、オイルマネー

 

「マレーシアから来たっていう兄ちゃんのカード使えんでなー」

「でどうしたんザンス?」

「僕も鬼やないから、ちょっとだけ飲ましてやったよー」

「人徳ですなあ」

「人生の情けと厳しさやねー」

「す、すごい・・・詩人だ」

 

「そう、珈琲は飲むポエムー!」

 

Sくん、絶句しっぱなしザンスな。。

まあ、ワタイもだったザンスが。。

 

 

「ほないこかー」

 

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冷蔵庫から取り出されたビニール袋。

その中には樽。

これか!

 

思ったより小せえ!

 

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で、ここでワタイらも

10万円払うとかお思い?

ご冗談をww

流石にそれはないザンスよ。。

珈琲ザンスよ。。

 

というビンボー人相手に、田中さんは

慈悲を示してくれるザンス。。

 

それがこちら。

スプーン一杯2千円。

 

スプーン一杯2千円!

 

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こぼしてもいいように、

金のおちょこに乗って出てくるザンス。。

 

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「さっきのクェートの人ね」

「はいはい、オイルキングさん」

カップでグビグビ飲んでねー。お代わり欲しい言うてねー」

「おーーー、ケタ違いザンスなー!」

「そんなんしてたら、大事な珈琲なくなるやんー?」

「確かに」

「そやから、それは流石に断ったわー」

 

「マジザンスか!」

 

石油戦争 (集英社文庫)

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で、ここからは写真がないザンス。

 

撮り忘れたんザンスな。

 

興奮しすぎちゃって。

 

平成7年にふとしたきっかけで樽詰めし、

熟成してみたらとんでもなく美味くなったらしい。

30年までこの樽で出し、あとは保存。

追加バージョンも作ってあるそうだけど、

それはまだまだとのこと。

 

でね、このマスター御年78歳。

 

「僕の珈琲は一代限り。飲むなら急いでおいでやー」

 

で、金のおちょこに乗った、

金のスプーンが出され。

本当に一口分だけ出されるわけで。

 

一舐めで終わるけれども、

その価格二千円。

 

くどいけど二千円!

 

Sくんとワタイはおもむろに口をつける。

お互い顔を見つめあう。

次にマスターを見る。

 

「これ、なんですのん!」

 

すでにハイになっている状態で、

〆にえらいのが出てきた!

まず匂いが普通じゃない。

完全にアルコールの匂いがする。

熟成させたコーヒーリキュールのような。。

チョコレートのような。。

もっと言えば、ワタイが連想したのは

昔飲んだことのある50年物のバーボン。

オールドスコッチより、ヴィンテージコニャック。

強烈な甘みと、プラムのような芳香。

 

もうね、スプーン舐めまくりですわ。

 

「で、これはお土産言うかねー」

 

ティッシュに数滴しみこませてくれて

ラップでくるんでくれるわけです。

 

ぼんやりしていると、マスターの田中さんが

また語り始める。

 

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「ミュンヒの前にミュンヒなしー」

「確かに」

「ミュンヒの後にミュンヒなし―」

「確かに」

「百年後に天才が表れて、珈琲を極めようとするとしてー」

「ほうほう」

「きっと僕と同じ味にたどり着くと思うでー」

「・・・」

 

 

もう、ずっと喋っておられる。

我々は、田中オンステージの客なのだ。

もしくは、これはミサなのだ。

珈琲に魂を売り渡した男の

ブロッケン山であり

ゴルゴダの丘なのだ。

 

八尾だけれど!

 

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気がつけば、入店から3時間。。

帰らねばならない時間である。

マスターの語りは終わらない。

 

「すべて欲しいものは手に入れたー。人生に足りないのはお客だけ―」

 

何十回テレビに出ても、そんなに客は来ないという。

まあそうであろうなあ。。

この値段。

この雰囲気。

完全に男の世界である。

しかも、ヘビーな狂気の世界。

 

時間、カネ、体力、知識。

 

それが全てそろわないと、

田中さんの世界を堪能はできない。

さらに30分後、ワタイは必殺の間合いで

帰ることを伝える。

 

少し寂しそうな田中さん。

ワタイも寂しい気持ちが出てくる。

しかし、我々はすでに4時間近くいるのだ。

 

ここで前編で書いたように、Sくんは

 

「僕に払わせてください!」

 

とキラキラした目で言ったのだ。

 

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どうも彼はどっぷりとハマったようだ。

実に感動しておる。

瞳孔が開いておる。

深い。。

あまりに深い。。

 

このお店。

好奇心で行ってもいいけど

理解はできないんじゃないザンスかねえ。。

詳しい人の解説付きでないと

変なおじいさんの、キモイ話しに恐怖するだけザンスよ。

田中さんのような人を、稀人というのであろうな。

全てが変だけど、深い世界を見せてくれる。

どう考えてもおかしいのだけれど、

完全に肯定できる世界。

 

でもね、本当に一つのことに人生をささげた

実に修羅とロマンのある世界ザンスよ。

 

帰り道、Sくんと興奮しながら

感想を言い合っておったザンス。

で、数日後。

もらったティッシュのこと思い出したザンス。

 

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そっと嗅いで見たザンス。

むせるようなアロマが残っておったザンス。

夢と退廃と、淫靡と魔力が。

きちんとアロマとして残っておったザンスよ。。

 

おっかねえ!

 

これ、アンジェリーナに嗅がせたんです。

反応は「うわ!なに、これいやらしい匂い!!」

と、拒否反応示しておりました。

 

 一話だけ続きできました。

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