CHUFF!! チャフで行こうよ。

もう、何でもありです。ヒマつぶしにどうぞ。

CHUFF!!ってのは、「おっ、なんかいいよね!」って意味です。チャフっていきましょうよ!

さあ、走るぜ!その8 初秋の青さん地図のない旅

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この手の持ち主は、ある公害の被害者です。

もう、あの名前を知らない人も

多いかもしれません。

青さんは、ある目的をもっていました。

それは、わが国では忘れてはいけないアレ。

もうね、少し前までの日本は

実にいろんなことがあったわけです。

青さんは、ただ走っていたのではないのです。

chuff.hatenablog.com

その昔報道されたことが、

偏っていた可能性はあります。

でも、この手の持ち主は

現実にいたわけです。

 

ではさっそく。

 

 

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大変楽しかった

天草オレンジラインが終わり、

熊本県道59と合流しました。

 

私は思うところがあって

右折しましたが、左折してもグッド。

いい景色の道が続き、

パールラインへつながるはずです。

 

私が右折した方向は、

よくある山間の県道。

 

路肩に落ち葉がつもり、

確信を持って入ったのでなければ

 

「しまった…!」

 

となること請け合いの道路です。

まだまだ日差しは強いこの頃ですが、

昼でも薄暗くていい雰囲気です。

 

よし、この道を

暗峠と呼ぶことにします。

 

むろん、よしたほうが良い命名です。

ここは熊本の県道59。

その名前は国道308にこそ相応しい。

 

style.nikkei.com

 

 

私がこの、ちょっとおっかなく

薄暗い道を走っている理由は、

上島の西側にある

「姫戸」を目指したからであります。

 

 

姫戸を目指したのは、

不知火海を見ておきたかったからです。

 

かつて、水俣病

舞台となった不知火海

 

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今は十分な対策が施され

回復したそうですが、

当時に思いを馳せて

みたかったのであります。

 

 

MINAMATA NOTE 1971-2012  私とユージン・スミスと水俣

MINAMATA NOTE 1971-2012 私とユージン・スミスと水俣

 

 

おっかない道が、

徐々に人の気配を帯び、

十分国道らしくなってきたのは266。

 

街路樹として植えられている

シュロの木は十分に育っており、

なんとなく南国の雰囲気です。

昼間に走っておりますが、

ちょうど今頃の夜。

不思議な火が海上に燃えるそうです。

だから「不知火」海と呼ばれるのです。

 

遠望する八代は

工場らしい建物がひしめいており、

産業の気配が見て取れます。

 

大好きな海岸を走るルートですが、

楽しいだけではなく

味わい深い道行になりました。

 

こんないい道、

大好きな海沿いのルート。

 

しかし深い。

 

ぼんやりとは

走れない道になりました。

 

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でもね、

何も知らなきゃ

「ただの」いい道ってだけです。

もったいないことです。

 

人間、勉強しただけ

見る世界の深さが変わるんです。

その愉悦のために、

学びの手を抜いてはいかんな、

と思いました。

 

 

物思いにふけりつつ北上すると、

いつの間にかパールライン

入っております。

 

パールラインに入っているということは、

すぐに天草五橋が始まります。

 

chuff.hatenablog.com

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青さんの年齢であれば、

ニュースを生で見ていないと思うんです。

私は見ましたね。

 

バンバン流れているわけです。

普通に、ワイドショーとかでも。

その時の、すさまじい風景が脳裏にあります。

文中の写真の背景を見てください。

これが、一般的な日本の家でした。

壁の隙間を、新聞紙で目張りする世界。

高度経済成長の裏の姿です。

 

時は流れ、漫画家の江口寿史のインタビューを

読んで衝撃を受けたんです。

 

彼の父親は、水俣病の原因となった

チッソ」という企業の

偉い人だったそうです。

後に友人から

「学校でいじめられただろ?」

と聞かれたらしいんです。

でも実際は、全くそうでは

なかったらいいんですね。

 

理由は簡単です。

クラスの生徒の親は、みな「チッソ

関係で生活していたからですって。

なんか、一部の人が騒いでるってのが

当時の水俣の空気だったようです。

 

 

なかなか衝撃的でしたねえ。

現実の地元の雰囲気と、

東京中心で報道されるその街の雰囲気。 

全然違ったんですね。

 

現皇太子妃の雅子さん。

彼女の母方のお爺さんが、

このとき「チッソ」の社長だったわけです。

だからどうのこうの、ではなくて。

日本という国の歴史に深く根差していた

そういう話なんですね。

 

過去形で話してはいけないのでしょう。

 

ね、そういうこと知ってるとね。

きっと、この海沿いを走るとき

「きれいだねー」

以上の何かが、きっとありますよ。

 

それが、いいことかどうかは別として。

 

(確か小学校四年生の社会科は、このビデオと三里塚ばっかだったって問題だよね!でクリック!)

 

水俣病 (岩波新書 青版 B-113)

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水俣病を知っていますか (岩波ブックレット)

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