前回、恥ずかしいほど焚火の男の
物まねに走りました。
こうなってくると、私の芸風としてですね、
ダラダラ引っ張るテクニックを完成させたくなってきました。
さあ、今回はどんな感じで行きましょうかねえ。
ジュリアは、新神戸トンネルに入りました。
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イタリヤの赤い血は、
せせこましい街中ばかりにいると、
どうにもこうにも腐っちまう。
俺のハートはツインカムで、
俺の血は15w-50のオイルだ。
俺のご主人様は、思い切りアクセルを踏んでくれる。
黄色いトンネル灯は、まるで一本の線になる。
今日は岡山まで走らせてくれるという。
最高だ!
燃費がどうの、
静粛性がどうの、
コストパフォーマンスがどうのだと?
俺には純正のカーオーディオもついちゃいあるが、
鳴らしてくれることは滅多にない。
それは、俺の奏でる歌声を、
もっとちゃんと聞きたいからだと、
ご主人様は思ってる。
ツインカムが唸るのは、
5千回転を超えてから。
キャブレターが猛烈な勢いで、
空気をガソリンと混ぜ合わせ、
甲高いカンツォーネを響かせる。
バルブ周りから腐ったカーボンが、
吹き飛ばされきった、その頃に、
トンネルが終わって、山が見える。
どこに行ってもこの国じゃあ、
いつでもなんかにぶち当たる。
すべてが吹き飛ぶその場所までは、
どこを走ったって、行きつけねえ。
俺はそれが気に入らねえ。
分からねえほどガキでもねえが、
納得するほど堕ちてもいねえ。
コーナーが増えるということが、
俺のブレーキのみせどころ。
だから、そいつも悪くはねえ。
踏み込むアクセル、
燃えるゴム。
みんな忘れちまったよな。
どうしようもない何かってやつを。
利口に生きてりゃ、どうにかなった。
まともにやってりゃ、マシだった。
実際俺もそう思う。
俺は、ジュリア。
イタリヤのロッソを持って生まれてきた。
俺の世界はいつも真っ赤だ。
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うわーーーーー。
は、は、恥ずかしいぃぃぃぃーーー。
これぞ、ポエマーってやつですよねえ。
まあ、少しはそういう心性を持ってないと、
こういう世界に手を出しませんよね。
パッションは情熱と訳されますが、
イタリヤ語のパシオーンは、もう少し狂気がある意味です。
日本語の言葉では「業」とか近いと思います。
まあ、確かに「業」の住む、
修羅の世界のような気がします。
ということで、新神戸トンネルは超えました。
焚火の男との会話は、特にありません。
というより、トンネルでは、
話ができないくらいウルサイのです。
車の中が。
そう、ジュリアのカンツォーネのせいですね。
(こういうのこそ、こじらせてると言うんでしょうね。自覚あります。こじらせでクリック!)

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