CHUFF!! チャフで行こうよ。

もう、何でもありです。ヒマつぶしにどうぞ。

CHUFF!!ってのは、「おっ、なんかいいよね!」って意味です。チャフっていきましょうよ!

フランス流色彩感覚容赦なし!

 

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なにもね、おフランス万歳!

ってわけじゃないです。

でもね、あっち行くと気付くんですが

色キレイですよ。街は汚いけど。

 

最近はどうでしょうねえ。

アメリカ的な要素がなんだかんだ言って

増えてますけど、やはり調和があります。

 

日本の色彩感覚は、集中しているときは

敏感ですけど、家の中とか決して気にしてないでしょ?

で、日本人がやりすぎると

逆にイタイほどまじめにやってしまうわけですね。

おフランスの人の色彩への、自然なセンスは

ある意味厳しいほどです。

これは、そういう教育を受けてきたからです。

 

 

できればまずこちらを。

子供の時から、エグイほど鍛えられる

色彩選択への能力のお話し。

chuff.hatenablog.com

 

で、今回はフランスに嫁いだ私の先生。

マダム・アルコさんが40歳を超えて

初めての出産をフランスでして、

育児の中で起きた色彩の問題のお話です。

 

マダム・アルコ、

日本名晴子さんは静岡県の出身でした。

背の高い女性で、

きれいな指をしていました。

 

旦那さんはアランさんといい、

タクシーの運転手さんでした。

 

海岸近くの林の中に、

小さな家を構えた二人は、

女の子を授かります。

その娘さんはサヴィーヌといいます。

もう、オトナの女性になっているはずです。

 

 

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そのサヴィーヌが生まれてすぐの頃。

 

異国での出産、初めての子育て、

もうアルコさんはボロボロです。

日々の育児と、慣れぬ異国暮らしに

憔悴したいたのです。

 

旦那のアランさんは、お昼ご飯を

毎日食べに帰ってくるのです。

これは、フランスでは珍しくありません。

その日も、お昼に

アランさんは帰宅しました。

家に入って、アランさんはアルコさんを観て

何気にこう言ったのです。

 

 

「アルコ、そのスカートと靴下の色のバランスおかしいよ」

 

 

アルコさんの中で何かが壊れました。

次の瞬間に怒りが爆発し、

用意していたスープの鍋ごと

アランさんに投げつけたそうです。

鬼の形相で。

 

 

「アルコ、何を怒っているんだ?ぼくはただ、そのスカートと靴下の色が。。

 

 

アルコさんは殺してやろうかと思ったそうです。

育児と家事でてんてこ舞いの生活。

そこで、旦那が言うのは「スカートと靴下の色の組み合わせ」。。

 

 

ここで追加説明をしておきます。

アランさんは、けっしてカッコいいタイプの

男性ではありません。

一般人が想像する「フランス人」という

しゃれた印象とは程遠い人です。

 

優しい感じの、緩やかな人です。

まあ、もっと言えば、

ぱっと見がいいわけではないのです。

さらに言えば、ダサイ人なわけです。

 

なので、アルコさんのぶちぎれ方はこうでした。

 

「あなたにそんなことを言われる私じゃなかった!靴下の事を気づかなかった私は、私じゃない!あんたや、サヴィーヌや、フランスが私を壊したのよ!!!」

 

 

ああ、なるほど。

確かに私の知るアルコさんは

そういうとこ厳しい人でした。

よほど憔悴していたんでしょうなあ。

しかし、アランさんもそんなカッコよくないのに。。

 

アランさんの返答は。

 

「いや、ただの色の話じゃないか?」

 

 

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「もういい!」

 

とアルコさんは泣き崩れて、

後片付けもサヴィーヌの世話もアランさんに

押し付けて、自室を壊しまくったそうなんですね。

で、私のところにホットなまま手紙を書いたと。

 

 

当時、速達で届いた国際郵便で、

その顛末を読んだ私は、

笑いすぎて

ひっくりかえりそうになりました。

 

 

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ここで、前回登場した少女の

シャーロットとアランさんが、

私の中で結びつきました。

彼らの、選択する一つの基準としての

「色」への当然の感覚。

 

なんとなくフランスという国が生む、

色彩の世界の背景を、

少し理解できるような気がしました。

 

フランスの車の色って、

まず日本人ではできない色使ったりしますね。

これなんかまさにそう。

 

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こう言う色を日本ではなかなか使えない。

なんか、浮くんですよね。

でも奴ら、造形と色を

うまく組み合わせてくるんですンわ。 

 

私はアルコさんの手紙を読んで、

フランスのふつうのオジサンまで

色を普通に考えて

生活していることに気付きました。

 

こりゃすげえや。

 

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それ以来、フランスの本を読む時には、

その風景の色に思いを馳せます。

そして、「色」を考えるとき、

シャーロットとサヴィーヌの

その後を想像します。

 

不思議と楽しい時間です。

  

まあ、それにしても、

そこで言ったら怒りますよ。

そういうとこ、ほんとフランス人はねえ。。

 

容赦ねえって!

 

(人間も外に出れば風景の一部なんですよ!色をもっと気遣いましょう!でクリック!)

 

 

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