福岡太宰府「梅園」という菓子屋。
美智子上皇后が好むという菓子。
今週のお題「カバンの中身」
あのね、これすごいの。
びっくりしたというのが正しいの。
これまで私もね、そこそこ道楽してきたつもりでしたよ。
でもね、そんなのは子供の遊びでしたわ。
この菓子、どれくらいすごいかと言うとさ。。。
食べたときに邪悪な笑みが出ちゃうの!
もちろん御用達。
それをね、ある人とお話していたときに教えられたんですの。
私知らなかったもんで、そう話すと「じゃあお贈りしますね」って。
受け取った日に、かばんにいれていたんですよ。
その日たまたまジャーニーモーターサイクルの吉川さんと一緒だったのね。
この人ね。
現在あるプロジェクトが進行中で、その打ち合わせお食事会だったのです。
「いただきものなんですが、デザートに吉川さんも食べてみます?」と。
二人共に思いっきり邪悪な笑みが止まりませんでしたな。
では我が国のスーパーエグゼクティブを惑わす甘美な世界へご招待!
ワタイは皇室に対して、特に何の感情もないわけです。
否定的でも肯定的でもないわけです。
でね、結論から申しますと
皇室は文化芸術の保護のため日本には必要なのだ!
と、強く皇室賛同者になった気がしますな。
ええ、このお菓子で。
ポリティカルスタンスさえ変えるお菓子。
頂いたのはこの2つ。
やはり宝満山がメインなわけだけども、干菓子の「よろつよ」も語らねばなるまいな。
これがまたすごいのよ。
方、これは落雁のようなものであろうな。
わかる、落雁?
こんなのね。
吉川 「くんくん。でもなんか匂いが違うような」
8 「御用達ですからねえ」
吉 「ですよね〜」
8 「洒落てますよね」
吉 「そりゃ美智子さんへの献上品ですし」
ポリポリ。
吉8「あーーー」
8 「なんでしょこれ!」
吉 「な、なんというか・・・」
8 「これまでの味覚アーカイブにないので言語化難しいですなー」
吉 「すごいとしか言えませんねえ・・・」
8 「いやその一言に付きますな。びっくりしました・・・」
というだけではただの自慢話しになってしまうので、一応解説を。
落雁ほどには甘くなく、溶けたあとに卵の僅かな風味。
あの銘菓「乳ぼうろ」の消えゆく直前の風味。
あれが長く濃く上品に残るのですよ。
原材料には書かれておらぬが、少し白玉も入っているような気もする。
きっとこれは、白玉ではなくてブレンド比率でそのような風味を出しているのではなかろうかと推測したりする。
でね、これ何かをつけたら美味いんじゃない?ってなってさ。
ちょっと極悪なものご用意しましたよ。
それがこちら。
吉 「8さん、これはいけません!こ、これは女性に害なす者の手法です」
8 「どれどれ?ほう。。。あー、アタシ終電なくなっちゃったー」
吉 「そういうどす黒い快楽の姿が見えました!」
8 「見えますなあ。なんでしょ、いま二人が浮かべているドス黒い笑みは!」
吉 「耽美なるものは、やはり闇の世界の住人ですねえ」
8 「まあまあ、もう一つありますから」
それがこちら。
もう口上から邪悪な美味しさが香り出てきます。
なんでも美智子上皇后様が、これをブランデーに浸して食すのがお好きだとか。
冷凍しても固くならないだとう?
これ実際にやってみました。
本当に固くならないんです。
どんだけ砂糖使ってんねん!
まあ、それはそうとして開けてゆきましょう。
こういう印がまたかっこいいですなあ。
でね、ここから写真を取り忘れました!
ですのでテキストで脳内妄想をお願いします。
パックされた寿司の卵焼きの羊羹状のものを想像してください。
押して見ると、ういろうのような感触です。
はんぺんと言ってもいいでしょう。
それを開けると、ぷーんと甘い香り。
それを切ってみます。
8 「なんやねん、これ」
吉 「初めて見ますね、こんなの」
モグモグ。
吉8 「・・・・」
8 「ちょっと言葉が見当たらないですな・・」
吉 「さっきのもすごかったですけど、これはもっとすごいですね・・・」
8 「美智子上皇后はブランデーをおつけになるとか」
吉 「何という贅沢!」
8 「ならば我々もせねばなりますまいな」
あいにくコニャックはなかったので用意したのはこの3本。
KOVALバーボン。
吉 「これはですねえ、新地のホステスさんが、駄目な男に落とされる瞬間が見えました」
8 「なるほど。男性を見る目はあるのに、何故かダメ夫に堕とされる味ですね」
吉 「毒と言っていいほど罪な味です」
8 「夜の世界のツワモノが、つい夢を見ちゃう味ですな・・・」
続きまして、口当たりの良さは格別。
杏露酒。
吉 「あー、これはいけません」
8 「というと?」
吉 「先程はホステスさんでしたが、今回はええとこの女子高です!」
8 「なるほど。そんな娘さんにこれを食わせるとしたら誰です?」
吉 「女子高生の娘同士が友達で、そのお父さんですね」
8 「あー、『ミキのお父さんかっこいいよねー』とか言われたい畜生?」
吉 「で、街で偶然会って・・」
8 「そりゃ偶然やない!狙っとるやないですか!」
吉 「というような味です」
8 「ゲラゲラ。いいですなあ。これも毒ですね」
吉 「もちろん毒です。甘美な毒!」
二人とも酔ってきているのでしょうか。
きっとそうだと思います。
しかしそれはお酒にでしょうか?
いえ甘味の世界も、また人を壊す力があるのです。
では最後。あのジャニス・ジョプリンが抱いて死んだという魔のお酒。
南部の慰め、サザンコンフォートです。
バーボンで作られた桃のリキュールですな。
吉 「こ、これは・・・」
8 「あっ、これは・・・」
吉 「これを邪悪と言わず、なにが邪悪でありましょう。。」
8 「禁忌というものは、それ自体が魔力あるからあと確信できますね」
吉 「はい。イケナイとわかっていながら、そこに踏み入れるのが定め的な」
8 「これは人間の悪意を生み出す味ですね」
吉 「決して気軽に入ってはいけないけれど、入るしかない魔境の世界」
もちろん二人とも邪悪な笑顔なわけです。
吉 「美智子上皇后様がこれをお食べになってらっしゃるときは・・・」
8 「もちろん邪悪な顔でしょう」
いいんです。
このお菓子にはその力があります。
そもそもね、善とか正義とかつまらないじゃないですか?
ギリギリのところで踏みとどまるけれど、出てしまう邪悪さ。
そこに人間の美しさがあるのです。
で冷凍してみました。
本当に固くなりませんな。
これ、宝満山を冷凍したもの。
— 8マンチーニ (@chuff_de_gogo) 2022年10月13日
固くならないのよ。
これをコニャックとかに漬けて食すのが最高なわけです。#宝満山 #太宰府梅園 pic.twitter.com/FJzp8mNLmV
この一切れに、人間という業の深さを詰め込んだ銘菓。
いやあ、堪能いたしました。
深い感動というものは、人を沈黙の世界へいざないます。
いわゆる「これ、飛ぶぜ!」でございましたねえ。。
最後に、これを下さったI さん、ありがとうございました。
この場を借りてお礼申し上げます。
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