初めてコケました。その２

今回はコケますよ！

不気味な前ふりとしては

完璧な表現だった前回。

chuff.hatenablog.com

そして、今回は本当にコケるのです。

みなさん、笑顔じゃないですか？

ではさっそく！

＝＝＝＝＝＝＝＝＝

一度走った道ですが、

どのくらい登ったところが

絶景のポイントだっただろうか。

記憶にあるのは素晴らしい景色だけ。

その前後はいまいちはっきりしません。

しかし、大島を見下ろす風景が、

普通に走っていて見えたのは間違いない。

そのうち「その場所」に

たどり着くのだろうと、

どんどん登っていきました。

ガンダーラ

最初は民家がちらほらあるのですが、

すぐに畑だけになり、

人気がなくなります。

正面から一台の車、

こんなところですれ違いが

あるのは意外だ、

といいたげな運転で下りてきました。

ほとんど交通量はない道ですが、

ゼロではない。

気をつけよう、

と思ったはずです。

両側に竹が生い茂る

場所では少し寒く。

きらきらと日差しが

降ってくるのは

良い風情だと思いました。

侘び然び幽玄のこころ─西洋哲学を超える上位意識

いくつめかのカーブを曲がると、

正面が開けました。

あ、多分ここだ。

少しスピードを落として

風景を確認すると、

目指している場所だと

わかりました。

緩やかに上り坂なので、

一旦止まって

場所を探すのも大変です。

なので、少し先で方向を変え、

下りながらいい場所を

探すことにしたのであります。

つまり、坂道のUターンを

企図したのでありますね。

畑として切り開かれた場所を

通り過ぎ、木々が落とす影が

少し薄暗い場所に、

すれ違いのためなのでしょうか

少し幅が広がった場所がありました。

当然坂路です。

そこで方向を

変えようと

したんですね。

平地での転回も、

気をつけないとうっかりするものです。

それが、角度のついた道となれば

難易度は跳ね上がるでしょう。

それに私はまだ、

路上に出て一年経っていないルーキー。

条件がこれだけ整えば、

次に起きることは一つ。

大災難P.T.A. [DVD]

右旋回を開始した直後、

車体が坂道に対して

垂直になったあたりで

それは起きました。

ぐらり、

と重力に引かれだした轟天。

こうなってはすでに手遅れです。

CB400SFは、だいたい200キロ。

現役時代の高見山に、

浴びせ倒しを食らって

大丈夫な人類は、

やはり相撲取りなのです。

そうではない私は

次の瞬間、

坂道を転がるように

回転受け身。

とっさにしてはよくできました。

横倒しになった轟天。

エンジンが止まって訪れる静寂。

穏やかな日差しと

海の匂いがする初春の風。

いつか晴れた日に [AmazonDVDコレクション]

私はその場に呆然と立ち尽くす…

ほど可愛げのある人間ではありません。

背筋に流れる冷たいものが

滝のように感じられていますが、

事態はすぐに飲み込めました。

ああ、私は

立ちゴケしたのだ。

つづきます。

chuff.hatenablog.com

＝＝＝＝＝＝＝＝＝

いいですねえ。

この

「ああ、私は立ちごけしたのだ」

ってセリフ。

まるで、獄中で希望を見出す

カミュの小説みたいじゃありませんか。

異邦人 (新潮文庫)

人が真実に触れる時

それは神に触れるような

そう言う感覚だとおもいます。

それが立ちゴケであっても！

（さあ、真実から目を離さず、立ち上がるのだ！青さん、希望を！クリック！

もっと光を

もっと光を

もっと光を