CHUFF!! チャフで行こうよ。

もう、何でもありです。ヒマつぶしにどうぞ。

CHUFF!!ってのは、「おっ、なんかいいよね!」って意味です。チャフっていきましょうよ!

マン島からの道番外篇 8マンの帰り道その6 どうにも止まらない!

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閉塞感を打破する方法。

それはどこにあったのでしょう?

chuff.hatenablog.com

 

断っておきますけど、

真面目に読まないでくださいね。

 

時々、このブログを真面目に読んで、

本気で怒る人がいらっしゃいます。

 

こう、軽く、ヘラヘラしてんですよ。

そこんとこよろしくですね。

 

ではさっそく。

 

 

=========

 

沈痛な感覚を振り払うには、

一体何がいいのだろう。

そもそも、ジュリアは100キロ前後で、

高速道路を走っているのだ。

材料はなにもない。

風景は辛い。

荷物は殆ど持っていない。

焚き火の男の荷物は、トランクの中だ。

 

あるものと言えば、

オッサン二人のイカレタ脳みそと、

二人のスマホくらいだ。

 

おお!スマホがあるじゃないか!

 

そこで何を思いついたんでしょう?

日本が大いに勘違いをできていた、

「あの」時代の空気を再現することです。

 

では、どうやって?

 

ジュリアは1973〜74年製。

万博が終わり、

石油ショックがおこり、

みんなが、なぜかスーパーで

トイレットペーパーを我先にと、

買いだめしていた時代。

トイレットペーパー騒動 - Wikipedia

 

何と言うか、明るいバカっぽさだ。

その時代、一体何が起こっていたのだろう?

パニックな社会とは裏腹に、

フィンガー5が「学園天国」をヒットさせていたのだよ。

www.youtube.com

 

なんという乖離。。

お尻を拭く紙を心配しながら、

 

これはこれなのだ!

 

「おい、お前のスマホには、どんな曲が入ってる?」

 

焚き火の男は答える。

 

「あ”? よくぞ聞いてくれた。

BABY METALならあるぞ」

 

「・・・・」

 

「AKBの方がいいか?」

「まさか、買ったの?」

「CDは買わない!俺はDL派だ」

「いや、そういう意味ではなくて・・」

「こういう切ない時に、いい曲があるんだ」

「お前は、眠れぬ夜にAKB聴くのか?」

「俺はアーティストじゃなくて、曲重視だしね!」

「いや、もっと、そうではなくて・・」

「なんだ?」

「俺のスマホから、なんかかけてくれよ」

「どうやって?」

「ジュリアには外部入力ジャックついてるから、有線で繋げられるわけだよ」

「あ?なんで?」

「いいか、この車が生産されていた頃の、ラジオを再現しようぜ」

「なるほど、トリップだな」

 

 

「時代を無視しようぜ」

 

 

「これをこうして、これでいいのかな」

「ところで、何を選んだ?」

「これだ!スイッチオン!」

 

「スイッチオン!って最近言わないよね」

 

「オン!」

 

 

www.youtube.com

 

 「どうだ!」

「おお、いいねえ」

「胸に来るな」

「これよ、寺山修司作詞なんだぜ」

「誰だ、それ?」

「・・・」

書を捨てよ、町へ出よう (角川文庫)

書を捨てよ、町へ出よう (角川文庫)

 

ジュリアを三速に叩き込んで、アクセルを踏み込む。

キャブが唸り、車体がグッと沈み込む。

メーターの針が跳ね上がる。

 

「おお!いいねえ!」

「だろ?」

 

開けたままの窓から

猛烈に風が入ってくるが、

尾藤イサオの声は敗けてはいない。

 

るるる~ 

るるるる〜

るるる〜

る〜るるる〜

 

 

「あしたはきっとなにかあーるぅ!」

 

 

「あしたはどっちだ!」

 

 

「く〜っ、いいねえ」

「ぐっとくるねえ」

「じゃあ、俺、当時のDJみたいに、前説つけるよ」

「ワハハ、それいこう!」

 

「ハイウェイを走っている、アルファロメオの車中から、リクエストが届いています」

 

「あー、あったねえ、リクエスト!」

「まあ、落ち着きなさい。本番はここからだ」

 

「素敵な旅をしてきた、バイク好きな君へ。熱い情熱を持つ姿がステキです。夢を見続けることは、人生で大切な何かです。いいですねえ。どこか遠くに旅をされたんでしょうか。ペンネーム、メローなジュリアさんからのリクエストはこちら」

 

「ギャハハ、あったあった、そういうの」

「ギャハハじゃねえよ、何か選曲しろよ」

「じゃあ、これだな!」

 

www.youtube.com

 

「アー蝶になる」

「アー花になる!」

「今夜だけ」

「ああ今夜だけ」

 

 

「もうどうにもとまらない〜!(合唱)」

 

 

「なんかさー」

「おう、なんだー?」

「こんまいこと、どうでもいいよねえ!」

「ツインカムが、吹き飛ばすぜ!」

 

 

「もうどうにもとまらない〜!(合唱)」

 

 

などと、やっているうちに、

彼の家に着く。

 

「ここに来るの久しぶりだなあ」

「山へ行ってみる?」

「おお、行こうぜ!」

 

彼の軽トラで山に登る。

俺は荷台に立ったままだ。

鳥の糞が染みついた、軽トラの屋根。

私道の急坂。

草の匂い。

散らかった山小屋。

 

彼の山小屋から見える景色は、

前に来た頃より、随分変わっていた。

あの頃は、彼の父親も生きていたし、

俺の状況もこうじゃなかった。

小屋のテラスで、

冷えたコーラを飲みながら、

とりとめもない話をした。

時間は夕方になっていた。

 

「じゃあ、俺は神戸に戻るわ」

「そっか、いろいろありがとう」

「まあ、いいってことよ」

「旅が終わっちまうな」

「まあそうだな」

 

「俺、メキシコ行くことにした」

「バハ?」

「うん」

「飯がうまいぞ」

「そっか、それはいいな」

「美女もたくさん」

「それはいいな。ハハ」

「それに、テキーラ

 

「止まっちゃいえけねんだよな」

「当たり前だ」

「もう」

「どうにもとまらない?」

 

なんとなく白けた笑いを二人でして、

俺は岡山から高速に上がって、

神戸にむけてハンドルをきった。

 

ちょうど、ヘッドライトを、

つけるくらいの時間。

 

スイッチ・オン!

chuff.hatenablog.com

 

(さあ、次回、ついにマン島が終わりますよ!本当に終わりますよ!哀愁でクリック!)

 

 

 

あしたのジョー ソングファイル ( サウンド・トラック ) TKCA-72506-K

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