夏目漱石。
この名前しらない人は、ちょっと問題ありません?
読んだことがない人はいらっしゃるでしょう。
でもねえ、お札の顔になった人です。
1万円札が諭吉さんより
漱石にするほうが、問題なかった気がしますなあ。
なんでも、早稲田が怒ってるとか。
まあ、そうでしょうなあ。
慶応は、ハナから相手にしてないのかもですけど。。
というくらいの有名人。
漱石先生!
ではさっそく!
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たしか、高校生の頃。
中学生の終わりごろは
荒巻義雄と皆殺しの田中に
オネツだったのです。
だから夏目漱石に触れたのは。
男子校の図書館の住人だった頃が
最初だと思うんですね。
キンドルを買ったついでに、
文豪ものをごっそり放り込んでみました。
歴史小説に取り掛かる前に
「こころ」でも読んでみようかと、
思い立ったのが運の尽きでした。
20年人生を重ねると、
読んでいる主体の私は
「私」から「先生」の方へ
より強く感情移入
してしまっている事に気づきます。
今回は、夏目漱石「こころ」を
お読みいただいているという前提で
話を進めていきますよ。
私もどちらかというと、
あまり交際を得意とする方ではありません。
元々先生に感情移入しやすい素地は
あったのだと思いますが、なんかもうねぇ。。
鬱屈した感情を抱えて
生きているところに、
変な若いのが関わり合いに
なってくるということを想像すると、
その複雑な感情がよく判る気がします。
私は時々、うっかり
舌打ちすることがあります。
そういうときはだいたい、
過去にやらかしたいろいろが
心に去来して、どうにもいたたまれない
気分になっているときです。
私は私の過去に向かって
舌打ちをしているのでありますな。
「黒歴史」なんて、
可愛らしく取り扱えるようなものではなく、
もっとなんというか、
口から音として発表しにくいもの。
笑い話にできる気がしません。
そういうものが、
漱石の「こころ」を読み進めるごとに
湧き上がってきます。
本当に、夏目漱石の文章は凄まじい。
そりゃね、紙幣の顔になるはずですよ。
やはり美しい文章を書く川端康成の
大表作「雪国」も、
「国境の長いトンネルを抜けると」
というところが有名ですが、
私の心に深く刻まれたのは
「夜の底が白くなった」
という部分なんですよ。
どう考えてもこれ以外に
夜の雪景色を描写する言葉がない、
というぐらいに凄まじい名文だと思います。
ここを目指して日々研鑽しておりますが、
センスってのはある程度以上は
磨いて届かないものがありますので、
歯がゆいことでありますな。
懐古主義者ではありませんから、
最近の作家さんの作品でも
面白ければ読みますし、
ベテラン作家の作品でも
合わないものは合いません。
内田康夫氏の本は、
読み終わるまでに時間がかかりますね。
相性が良くないのだと思います。
感覚的には、
文庫本の「姫島殺人事件」と
好きな作家である京極夏彦氏が書いた、
ほぼ鈍器の厚さがある「陰摩羅鬼の瑕」は
読み終わるまでの時間が
同じようなものだったと思います。
私は創作が苦手なのですが、
理由は
「自分がついた嘘に自分が騙されてくれないから」
なんですね。
誰かが書いたご都合主義小説は
気にせず読めるんですが、
自分のご都合主義は恥ずかしくなっちゃう。
そんなわけで、
私は実際に現場に行かなきゃ
旅日記は書けませんし、
会ってない人との会談記録なんか書けません。
そう考えると、
伊藤律の会見記事とかね。
サンゴKYの新聞記者さんなどは
才能溢れているんだろうなと思いますねぇ。
怪我をするのは嫌ですが、
疲れるぐらいならどんとこい。
何かこうして書けるような
出来事に出会うべく、
今日も明日も親切おじさんとして
あちこちに顔を出すであろう、
私でありました。了
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明治の初期に、木の家から来たであろう
若き日の留学生、夏目金之助青年。
後の漱石ですが、彼が発症したと
言われる場所に立ってみたことがあります。
今でもそうですが、
あれはショッキングな風景です。
美しいとかそういうのでもない。
東洋の島国の天才が、崩れ落ちるに十分な
迫力と重さ。
好むと好まざるとにかかわらず
奴らの流儀で世界が動いていることを
思い知らされる光景。
100年前のロンドン。
帰国と挫折。
気づけば私も、そういう記憶が遠くなり。
ピカデリーサーカスを抱いていたのに。
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