夏目漱石。
なんというか、ベンチャーな人ですな。
日本人が近代的自我と出会うと
精神が潰れると、初めに証明した人であります。
この時代の人々はまだいい。
何しろ、素養が漢籍でありますから、
外国語ができておるのです。
ということは、日本語から離れることが
自在にできておるんですな。
これはすごいことですよ。
分かるザンスか?
まあ、この辺がわからない人は
中学の音学の先生みたいなもんですな。
なにをかいわんや。
でね、青さんはKindleを順調に減価償却しておるようです。
ではさっそく!
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夢十夜。みなさん読まれましたか?
ショートショートですから、
未読の方はぜひご一読ください。
私は常々、美しい文章を
書きたいと願うのですが、
センスが無いのか
中々思うようには行きません。
ただひたすら美しい言葉を並べ立てたところで、
それは文章にはなりませんし
意味がない羅列になってしまうのです。
ところが、それを恐ろしいレベルで
成立させてしまったのが、夏目漱石であり
夢十夜なのだと思います。
他人から、見た夢の話をされている
という状況なのですが、
そこに現れる言葉の美しさ、
運びの心地よさがどえらい。
黒澤明の「夢」も、
多分これを目指したんでしょう。
ただね、あれは「意見」があるからいけません。
もっとぶん投げればよかったんですよ。
ただ、ぶん投げるにしても
「ドグラ・マグラ」になってしまうと
どうしようもない。
奇書というから期待して読みましたが、
あれに意味を探すのは、
動物が適当に絵の具を塗りたくった
「汚れたカンバス」を評価する
みたいなものだと思いますよ。
考えすぎです。
あれはそれっぽいものであって
「それ」ではないんです。
このへんはニュアンスなので
伝わらなかったらごめんなさい。
黒澤明の場合、結果的に最後の作品になった
「まぁだだよ」が名作ですから、
夢は気の迷いだったのだと思います。
読書と言えば、
昔から気になっていた
世界最終戦論を最近読んでいます。
満州事変の首謀者であり、
226事件鎮圧に功績があり、
宇垣内閣を潰し、
東条英機とひたすら相性が悪かった、
酒もタバコも嗜まない、
傲岸不遜な英才という
どうしようもない人物でありますが、
書いたもの、講演集を読んでいくと
たいへん味わい深いものがあります。
彼の最大の後悔は
「宇垣内閣、潰すんじゃなかったなぁ。。」
だったそうで。
潰した結果できたのが「
何も銑十郎」でおなじみの林内閣。
その後が、みんな大好き
「第一次近衛内閣」であります。
対ソ戦を考えていた石原にとって、
「爾後国民党政府を~」
と言っちゃう近衛内閣の成立は
悪夢でしかなかったでしょうが、
石原莞爾も狐狸妖怪の類ではない
という事がわかる例だと思います。
主張の骨子は
です。
だから、アジアをまとめてロシアをしばき、
国力を蓄えて備えよう、という話です。
まさか自分が宇垣内閣を潰したせいで、
準決勝の相手がアメリカになるとは
想像していなかっただろうな、と思います。
そういう事情を踏まえて、
大東亜戦争直前にまとめられた
「最終戦争論」を読むとたいへん味わい深いです。
三代目登場以前の
日蓮宗の雰囲気も感じられて、
そういうところにも
注目すると楽しいかもしれません。
青空文庫にありますから、
興味がある方はどうぞ。
もう少し、柔らかいものをいきたいんですけど。
すでにキンドルに仕込まれたものを
片付けていかないと、際限なく
積ん読が増えていってしまいます。
何しろ今は石原莞爾を終わらせて、
一日も早く吉川英治に
取り掛からなければなりません。
新平家物語だけで文庫本で20冊弱か…
バイクに乗り、写真を撮り、
キンドルや文庫本で読書をする。
男、40歳。
気がつけば、趣味が全体的に
一匹狼感あふれるラインナップになっていて、
ひとり上手に磨きがかかるこの頃でありました。了
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漱石で始まり、
石原莞爾を経て、
吉川英治で終わる。
終わらないんでしょうけどね!
ドグラ・マグラはねえ。
あれは、一種のファンタジーですわな。
世迷い言でいいザンスな。。
あの本の影響を受けた人が
ガチの世界に結構居るのですよ。
言っときますけどね
あれは寝言ですからね!
(そういう人とのお付き合いは、だいたい終了しております。でクリック!)