俺もいい歳なんだよね。
この年齢になってくると、
なんと言うか、残り弾が
少なくなって来るのを実感するんだよね。
井上靖だったかな。
「川の底の石が見えてしまった」
という心境なわけであるなあ。
しかしながら、
「物わかりがいいなら、バイクなんか乗ってねーよ!」
という名言もあるわけで、
ここは一発、ガツンとカツを入れようかと。
となれば、
質から入るのは間違っている。
なぜなら、質の獲得には
時間を要する。
となれば形からであるわけだな。
などと年末に思案していると、
知人から電話があった。
ふと考えてみれば、
俺も今の形で仕事を始めて20年が経ち、
この世界に入ってからもうすぐ30年である。
それを知人は祝うという。
そこで俺は
「蛇革のジャケットが欲しい」
と言ってみた。
相手はしばし沈黙し、
「それ、どこに売ってるの?」
と訊いてくるので
「知らねえ。竹内力なら持ってるかも、と軽くジャブ」
と言うと、
思いっきり笑われた。
「お前はミナミの帝王のファン?」
と再び訊かれたので
「物知らねえのは恥ずかしいな、おい。ニコラス・ケイジが映画の中で着てんだよ。
Wild at Heart って映画で。ずっと探してるんだが、案外ないんだよね」
と言うと、奴は
「バカ丸出しだろ、それ?」
とか言うので、俺は
「丸出しにするんじゃねーか、バーカ」
と言ってやった。
そして、数日後。
「みつかったよ、もらって来た」
と電話。
「誰からよ?」
「それがさ、×××の○○○の関係で、○●◎さんが持って来てくれた」
「それって、△▲▽の、○●◎?」
「そう、○●◎」
一応言っておくと、
ちょっと前には相当有名だったロッカーが、
「あっ、俺持ってますよ。えっ、8マンさんに?どうぞどうぞ、もらって下さい」
って流れで。
俺、彼の事ニアミスしたこと
あるくらいだけど、とてもいい人。
ということで、正月に
蛇柄のジャケットが届いたわけなんだが、
ジャケットというよりは、
ブルゾンに近い感じ。
「なんだかイメージと違うなあ。○●◎にさ、テイラードがいいって言ってよ」
とごねるが、それしかないという。
なんだか、ここで書いていて思うんだが、
俺、相当に我が儘であるな。
って、ことで、
今年はこれでいこうかと。
映画ではね、ラストシーンで、
アメ車のオープンカーのボンネットの上で、
ニコラス・ケイジがねっとりと
ラブ・ミー・テンダーを歌うんだが、
それがたまらなくカッコいいのよね。
「ところで、今更なんで蛇柄?」
と訊かれたので、
これにはきちんと答えておいた。
「君、知識を簡単に得ようと思うな。書を読み、映画を観ろ。自由の象徴という意味が
分かるからな」
「お前、年とって意地悪くなってない?」
「フフフ。それこそが狙いだよ。野生は頑だ。だから時には滅びる。だからこそなんだ
よ、明智君。Wild at Heart なわけだよ、フフフ」
せっかくもらっておいてなんだけど
好みじゃなかったんで、
知り合いの古着屋にあげちゃったんだよね。
善意はありがたいけど、
要らないものを大事に
取っておく年でもないなあ。
悪い事しちゃったなあ。
まあ、向こうも要らなかったわけだし
まあいっかあ。。
どっかで、蛇革のジャケット売ってません?
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