神戸には「花隈」と呼ばれる地域があります。
元々は花街で、今もその名残があります。
一見では入れない料亭や、
武闘派団体の事務所、
モダン寺等々、なかなかカオスな街です。
その花隈と接する、ギリギリ元町なところ。
そこに、本日ご紹介する「味善」さんはあります。
ものすごく入りづらいカレー屋さんです。
トップ画は、なんか割烹みたいでしょ?
まさにそうなんですね。
着物の女将が、見事な接客をしてくれます。
客筋もとてもいいわけです。
さて、店内です。
もうね、子供が入れる雰囲気じゃありません。
そしてカレーだと思っていると、
ドン引くお値段でもあります。
ですので、すでにこの時点で、
文句あるやつは来なくていい!
と宣言されているわけですね。
なんだか迫力を感じます。
女将の雰囲気は、まさにあれです。
いわゆる粋筋って感じです!
ですので、行儀よくいただきましょう。
まずはサラダからです。
このサラダは、ゆっくり食べましょう。
なにせ女将お一人なので、
いろいろ時間がかかるのです。
そこに文句言ってはいけません。
と言うより、言えない雰囲気満々です。
そしてカレーです。
頼んだのは、定番のビーフカレーです。
ちょっと説明が難しいです。
この味は。
乱暴に言うと「和風」なんです。
でも出汁くさいものはありません。
辛くないと思うのですが、
ゆっくりと汗が出てきます。
なんでしょう、この味。
女将に聞くと、
「はい、手間をかけているだけでございます」
なるほど。。
うーん。。
もうね、どこから突っ込んでも、
大人の世界なわけです。
これまた丁寧で上品な味のアイスをいただき、
お店をでたのです。
その頃から、猛烈に汗が出てきました。
何なんでしょう、あれ。
いずれにしても、その昔。
完全に子供が入れない世界があったわけです。
自由だとか平等だとか、
そんなものがバタ臭い冗談でしかなかった頃。
もしかしたら、こういうお店が
たくさんあったのかもしれません。
こういうお店、20代くらいの人が、
ちょっと頑張って行ってほしいですねえ。
たかがカレーを食べることに、
ヨソイキの服を着せられた時代があったのです。
その時代の空気ですね。
でも子供は入れない感じ。
ゆっくり味わうカレーというのも、
粋なものかもしれませんねえ。
(苦界が守ってきたものも、きっとあるんだろうな。そんな気分でクリック!)