30年ぶりにあった友人が、
いろいろ教えてくれたこと。
さて、前回の続きになります。
彼は海外でも働いてたんで、
そこで起きる問題について、
突っ込んでみました。
怒涛の第五回。
ではさっそく。
よろしければ、シリーズで。
舞台はここ。
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「お前、向こうでも生活してたんだろう?実際どうだった?」
まあ、やっぱり外国だから、日本みたいには行かないよね。でも、発展途上の国ってのはさ、いろいろやる気と言うか、タフさがあるわけさ。経済の伸びしろがあるから、景気のいい感じは確かにあったね。今後はわからないけどさ。
「向こうじゃ、こっちが外資だから、そもそもやる気あるやつが集まってんだろ?」
基本的にはそうだよな。いろいろ分からないこととか、違いとか、確かにあるけどそれは慣れる。向こうもこっちも。例えば、「老板」て意味を理解するだけでも、かなり見える世界があるよな。
老板とは、日本語でいうとなんでしょう。親方というか、大将というか、まあそういうポジジョンですね。そこに、ちょっと胡散臭さを足したような感じの言葉。でも老板と言われると、ちょっとうれしいような。「親分」が近いですかね、「先生」「シャチョー」とかも近いかも。経営者って意味もありますね。まず、実力者でお金持ちです。こんな感じの人っていうか。。
「ってことは、基本的に向こうでの仕事は楽しいってなるな」
いや、それがそうでもないんだな。問題は、俺が日本の企業として行ってることだよ。これは大きいな。
「なんだ、それ?」
つまりさ、向こうでトラブルが起きる。それを日本に報告して、応援や指示を求めるとする。すると、「何故そうなったか報告しろ」と言ってくる、そんな暇ないスピードで事態は動いているのに。
そうこうするうちに、また事態が変わる。そしたら、また「話が違うから、何故そうなったか報告しろ」となって、最終的には有耶無耶になってしまうわけだ。
もしくは、トンチンカンな指示が飛んでくる。それに対処するうちに、事態はまた変わってしまうとか、普通にあるわけさ。
「どこまでいっても、日本サイドが足を引っ張るってことか?」
おいおい、そこまで言わせるなよ。
これでも一応、そこの社員なんだしさ。そこで、仮定の話として、よくある一般論として言うが、全くそのとおりだと思う。
海外で、日本企業として行くなら、常に問題は日本で起こると言って間違いはないな。現地の問題は、案外ドライに片付く。少し心が痛むことがあっても、すぐに慣れる。他は老板に話を通していれば、まず問題はないな。
「その心の痛みってのは、慣れるものなのか?」
そうだね。何も感じなくなる。二回目からは平気だな。
「うわあ、そこ大企業ぽいね」
俺もそう思う。これはさっき話した、無関心さとも絡んでくるかもしれないけどね。
「そしたらさ、向こうで外人として働くほうが面白いともなるよね」
実際帰ってきて、こっちが嫌で辞めちゃって、向こうのコネの老板の部下になる人も、結構多いね。
それとさ、別の慣れがあってさ。向こうじゃ、何十人の部下ができて、メッチャクチャ高級な部屋に住んでさ、仕事もけっこうな量をこなしてさ、ついでに手当で金にもなる。
それが任期が終わって、晴れて帰ってきたら、ただの普通のパンビーでしかないわけさ。その衝撃というか、頭ではわかってることだけど、感覚的についていけないんだな。そりゃそうなんだろうけど、不思議なもんだよな。
実際帰国すると、つまらないのは確かだよな。だから、辞める人の気持ちも、分からなくはないんだ。あのドライブ感が忘れられないんだろうな。
「おまけに、戻されるってことは、もう海外じゃ戦力じゃなくなるってことか?」
それもあるだろうけど、あまり長く居ると、向こう側に取り込まれるってのもあるかな。知らないうちに、向こう側に持ってかれる。それは企業としてはまずいだろ?
そこは、国内でもよくあることだからね。転勤なんてのは、癒着防止のためにあると言ってもいいんじゃないかな。
それにさ、お前の言う通り、帰国すると、消化試合みたいになるってのも、事実だね。もっと上のポジションなら、また違うのかもしれないけど、そこの感覚には、あのドライブしてる興奮はないだろうな。
「そうなってくると、どこの組織でも同じタイプの競争で、あまり楽しくはなさそうだな」
大企業ってのは、あるところから上の仕事ってのは、どこでも見事に差がないと思うよ。なにせ、抱えている社員の人件費だけでいくら掛かると思う?金借りて、なんかやって、上がりを作って、給料払って、余剰を別のものに回して、それを毎月繰り返している止まれない船って感じだな。
「その辞める人ってのは、その後どうなのさ?」
これは実にいろいろだよな。
企業の看板外されるわけだからさ。
そこの出だということを、キャリアにできる人もいれば、実に使い物にならない勘違いだけして、途方にくれる人もいるだろうな。
いずれにしても、もう関係はなくなるな。現役時にどれだけのコネクションが作れているか、ってことの差は大きいよ。
企業人じゃなくて、個人としてのね。
「なるほどなあ。良いとか悪いとかじゃなくて、向き不向きはありそうだな」
それは確実にあると思うね。
そうそう、8マンなんかは関係ないけどさ、再雇用制度ってのも、不思議なもんだぜ。俺からすると、大企業によくある「分かるけど意味不明」ってやつだな。
「なんだそれ?分かるようなわからないような話だな。そう、再雇用制度も気になってたんだ」
なかなかシュールだぜ、あれ。
もちろん、うちの会社だけじゃなくて、制度あるとこは同じだと思うけどね。
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先日、彼からメッセが来ましてね。
奥さん娘さん共々、
大変楽しんでくれているようです。
このブログはFBなんかにも
リンクしてんです。でも彼は、
「コメント書けないんだよ、上ともつながってるからさ」と。
ああ、そうですよねえ。
そりゃそうです。大企業ぽいです。
これは、上が見ると怒りますよねえ。
SNSでコメントを書いてくれた、
ある友人がいまして、
その人は、まさしく
大企業相手に仕事している、
技術者なんです。
その人がこの記事に、
「大手の資金力と、手配の素人感が面白いです」
というコメントをしてくれたんです。
そのコメントに対して、
大企業の彼がメッセで書いていたのは
「現場感が満載やね。面白いよね、そういうの。とてもリアルで素敵なコメントだ。俺が返しコメント書けないのが残念だよ」
でした。
Sくん、褒められてましたよ!
次回、退職と
再雇用制度の空気についてです。
(アタリマエのこと書いてる気もするけど、爽やかに気分転換どう?で、クリック!)