神戸御影にある、香雪美術館。
美しいものを見ることにしました。
以前にも来ております。
この時は、命をやり取りする、
戦国の茶の世界に圧倒されましたねえ。
今回は、ズバリ「鎧と刀」。
いやあ、楽しみです。
ここね、朝日新聞の創設者、
村山龍平のコレクションがメインなんです。
もとは武家の出、リベラルなふりして、
やっぱりバリバリの資本家です。
まあ、その上澄みを頂きましょう。
まあね、この季節には初めて行ったんですが、
圧倒されました。
隅々まで手入れされた、桜というのは、
かのように美しいのですね。
でも、ここの主役は
桜ではありません。
桃の花です。
それがこちら。
この紅白の桃、
その名を「源平枝垂れ桃」
白は源氏、赤は平家。
どうです?これ桃の花ですよ!
iPhoneで撮って、加工なしです。
こちら、「残雪しだれ桃」
なんだか、屏風絵を見ているようです。
ここまで、うなるほどのカネの臭いは、
爽やかとしか言いようがありません。
お見事!
緋毛氈の上で、「お薄」を頂きます。
さて、本日はこちらに。
ここねえ、ファーストインパクトが、
よく出来てるんです。
入ってすぐのところにあった、兜。
反時計回りにみてゆくと、
最後に矢が刺さったような跡を見つけ、
ゾッとするリアルさです。
その名を
「鉄二十二間四方白星兜」
鎌倉時代だそうです。
私は、鎧はそれほど興味はないのですが、
これはちょっとキましたねえ。
検索で画像は拾えませんでした。
そして二階へ上がると、
隅から隅まで、白刃の海です。
有名所が、ギラギラ光っています。
中でもやはり。
「和泉守兼定」と、あの「虎徹」。
さらに、「備前助村」。
あのねえ、これは勝手な想像ですけど、
血の匂いがするようでしたね。
もうね、釘付けです。
もちろん、館内は写真不可ですので、
お見せできないんですけど、
切られても痛くなさそうと言うか。
私は、太刀よりも刀が好きなんです。
この二つの違いはですね、
太刀はこの向き。
基本的に馬上の上級武士の、
護身用ですね。この時代は、弓が主流です。
馬の上で抜くので、この向きなんですね。
全体的に、刀身も細身です。
一方「刀」というのは、向きが逆で、
こうですね。
実は、刀が主力武器だった時代は、無いんですね。
戦国の世は、主流は槍。
歩兵が腰にさすために、日本刀の主流は、
太刀から刀になっていきます。
腰から抜きやすいんですね。
これも、抜く時は極度の接近戦でしょう。
なので、実は活躍ってのは、
案外少ないと言われてますね。
盛り上がったのも、
江戸時代に入ってからのようですし。
まあ、厳密に言うと、いろいろあるんですが、
だいたいこれでいいと思います。
しかし、なぜだか血の臭い。
そりゃ、これ持ってたら切りたくなるのも、
分からなくもない。
予想よりも遥かに、女性客が多かったですね。
しかも、ルーペ持参で。
ゲームかアニメの影響でしょうか。
若いお嬢さんが、うっとりと白刃を見ているのは、
実に退廃的というか、なんというか。。
白刃の海を、堪能してから外に出ると、
桜がこれです。
「今宵の虎徹は血に飢えておる」
などと、口走った自分が、
めちゃくちゃ恥ずかしかったのですけどね。
だって、お昼だしね。
刀も良かったけど、私は庭園の春に、
酔いしれましたねえ。
美に対する狂気がありますね、ここは。
今週の日曜日までなので、
よろしければ。
(なんか、壁一つで違う世界。まあ、外の御影も浮世離れしているけど。でクリック!)

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