キャパの自伝、「ちょっとピンぼけ」を、
一応信用して、この話を書いている。
というのも、この男、なかなか食えない奴だから。
もちろん、いい意味でね。
食べるために写真をやって、ついに一発を当てきった男である。
最近、沢木耕太郎が、上の写真をくわしく検証しているが、
だからどうだと言うのだろう。
そもそも、キャパという名前さえ本名ではない。
架空にでっち上げた
「キャリアのあるアメリカ人カメラマン」
という、売るための苦肉の策。
あのスペイン内乱で撃たれた兵士の写真が、ヤラセか否かなど、
どんな意味があるのだろう。
よくできている。
インパクトもある。
それで十分だろうに。
沢木も堕ちたものだよな、と思う。
深夜特急の行き着く先は、
惨めな老人でしかないのかな。
キャパの恋人は数多いが、その中で有名なのがゲルダ・タロー。
「倒れゆく兵士」を撮ったのは、彼女じゃないかという、烈女。
こりゃ、かわいい。。そりゃ、キャパも惚れるわな。
それと、やはり「ピンキィ」と呼ばれた、イレーン・ジャスティンだろうね。
あの恋多きキャパを、結婚まで、あと一歩まで追い詰めた女性である。
ここで、もうひとりの男が表れる。
アメリカ人将校、クリス・スコットである。
「VOCG !」と米兵が言うのを聞いたことはないだろうか?
これは、
Verbal Orders Commanding General の略で、
「指揮官口頭命令!」という、
無敵のセリフである。
つまり、将校が無茶を言うときの常套句なのであるが、
そのVOCGを連発して、ピンキィとキャパの逢瀬を助けるクリス。
結局、二人は結婚する。
もちろん、キャパではない。
ピンキィとクリスだ。
戦争の後、彼はマグナムを作るかたわら、
イングリッド・バーグマンとも恋に落ちる。
それでも、ピンキィの結婚の知らせを聞いて、
祝杯と言いながら、泥酔するキャパは、
どんな想いだったのだろう。
そして、クリスの思いは?
(こういうことを、決めつけないほうがいいと思うのね。わかんないことばっかだから、そこでクリック!)
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