先日煽ったわけではないでしょうが、
翌日原稿が来ました。
では、スーパースポーツクラス
レース、スタート!
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シグナルが青に変わり、
全車一斉にスタート!
とは、ならない。
マン島TTでは一斉にスタートしたりはしない。
そもそも、
70台近い出走台数に対して、
一斉にスタートできるような道の広さではない。
マーシャルが十秒に一台ずつ、
時間をずらしてライダーをコースに送り出す。
昔は二台ずつスタートで、それはそれは熱いものだったらしい。
そしてタイムトライアル形式で勝者が決まる。
つまり、今時分が何番手かは、ほぼ分からないのである。
ってことは、ペース配分もへったくれもない。
ただただ、全力全開しかないのである。
スタートする順番は予選で速かった者からだ。
これらはこの狭いコースで、
ライダー同士がぶつからないようにとの配慮である。
まぁ気休めにすぎないが。
実際、バンバン当たってますし。
てか、あの狭さだといろんなもんに、当たってしまいますし。
オレの観戦場所からではスタートの様子はまったく見えない。
だが・・・
スタート目前のライダーが、
アクセルを吹かす排気音の大音量が、
緊迫した空気をそのまま伝えてくれる。
マン島には、騒音規制も、全く無いのだ!
全車、サイレンサーなどついていないのだ!
それは対峙した獣同士が、
今まさに敵を襲う咆哮にも似ている。
そして
ひときわ甲高いエキゾーストが響き渡り、遠ざかっていった。
一台目がスタートしたのだ。
そこから次々にマシンがコースに躍り出る。
グランドスタンドで歓声が沸き上がる。
その声も、地鳴りのようだ。
全車両がスタートするのに、10数分かかる。
その間、観客の地鳴りのような歓声が、ずっと続いているのだ。
なんだ、こりゃ!
なんか、根本的に違うとこあんじゃねえか。
レースは4周。
一周、60キロ。
距離にして240キロ。
レース終了まで時間にして80分弱。
数字だけでは、皇居から長野の松本城までが、
ほぼ240キロ。。
しかし道は、
200以上のコーナーが存在して段差だらけの路地裏のような道。
そんな道で240キロもの距離を、
彼らは新幹線と同じペースで走るのだ。
80分くらいで、着くものなのか。。
タイヤが二つのバイクで。
やっぱ、だいぶイカレてますな!
とりあえずスタートしたライダーが、
再びここへ戻ってくるのは約20分後。
つまりその時、初めてオレは走る彼らの姿を見る事になる。
それまで考えたことがなかったが、
それまでの間、暇だ。
まわりの観客たちが持っているラジオから、
レースの様子が聞こえてくる。
ヘリが先頭集団を追いかけながら実況しているのだ。
しかし、当然ながら英語。。
選手の名前は聞き取れるのだがあとはさっぱりわからない。
最終コーナーの出口を見ながら待つ事、10数分。
ヘリの爆音に交じって、
マシンの甲高い排気音が聞こえてきた。
その数秒後、先頭のマシンが見えた。
かなり短い間隔で3台。
その先頭集団がオレの目の前を物凄い勢いで通り過ぎる。
カメラのシャッターが追い付かない。
観客席で見るサーキットのレースと違ってとにかく
近い!!
カーーーーーーーーーーーーーーン、
ドン!
ドン! ドン!
なんだ、こりゃ!
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三台まとまって来た、ってことはですよ、
3台目は約20秒を縮めてきた、ってことですね。
あなたねえ、20秒って、すごいことですよ。
なにせ、平均時速200km/hですからね。
ざっと計算すると、1km以上の差を詰めてきてるってことです。
1kmって。。。
ああ、
カッコイイ。。
(頭のネジ緩んだ人たちばっかの中で、誰が1番緩んでるか!そこでクリック!)