地震の後に星野之宣を思い出す。
今の人に、どれ位メジャーなのか、
いまいち不明なんですけど、
まあ、世界的に評価の高い漫画家さんです。
代表作はいろいろあると思いますが、
まあ、これでしょう。
これねえ、なかなか強烈ですよ。
なにご存じない?
それはもったいない。
まずこれご覧ください。
もうね、日本のどこで起きたって、
なんの不思議もないわけです。
地震ってやつは。
日本で住んでいる事自体、
あまり差がないことなんですね。
ならば、日本は地震とどう付き合ってきたか、
もしくは、地震そのものがエネルギーだったんじゃないか。
そんな勢いで書かれた作品なんですねえ。
まあ、あんまり地震のこと書くと、
「被害者の気持ちをわかってない」
とか
「思いやりがないのか」
とか
言われんでしょうけどねえ。
でもね、いちいち躓いておられんわけですよ。
それがこの国に住むってことです。
まあ、この作品、
読んでご覧なさいよ。
もりもり元気出てきますから。
まずね、最初は台風のエネルギーで、
沈んだ戦艦大和が、復活して沖縄の米軍を襲う、
てところから始まるんです。
どうです、このスケール?
なかなかのもんですなあ。
この「ヤマト」が、ストーリーの鍵になるんですが、
終盤でアメリカの軍事力に屈しそうになるんですね。
その時、日本人の中で
「くそう!負けるなヤマト!」
という、渦巻くエネルギーが爆発してゆくんです。
そしてどうなるか?
もうね、一種のカタストロフです。
物語は、壮大に爽快に、
破壊と再生の世界に突入します。
炸裂します。
2001夜物語 1 新装版 (双葉文庫 ほ 3-4 名作シリーズ)
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ここまでくると、神話の誕生じゃないか、という壮大さ。
最近のディテールに凝りすぎて、
近所のおばちゃんの会話の粋をでられない、
そんな漫画ばっか読んでると、
イライラしちゃうのは、私の歳のせいだけじゃないはずです。
コンマイんですよね、世界が。
もっとね、こう、脳みその
奥の深淵な世界が弾けるような、
そういうものを読みたいわけですよ。
画力は、このころからかなり抜きん出てましたね。
調べると、あの伊藤整の親戚筋だと言うじゃあありませんか。
知ってます伊藤整?
最も有名なのは「チャタレー夫人の恋人」の訳ですね。
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官憲ともガチンコ上等な、結構な人です。
なるほどねえ、突然生まれたわけでもなさそうです、星野之宣。
嘆き悲しむのも人間なら、
立ち上がるのも人間なのです。
いいですねえ、星野之宣。
元気になりますよ!
(メソメソしたって始まらねえ。ちょっとビビったけど、どってことねーし!でクリック!)