CHUFF!! チャフで行こうよ。

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CHUFF!!ってのは、「おっ、なんかいいよね!」って意味です。チャフっていきましょうよ!

笑福亭松鶴師匠の楽屋話

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 噺家という人がございます。

落語家のことでありますが、

彼らの会話は奥が深い。

舞台の上ではもちろんのこと、

舞台袖からすでに面白い。

 

彼らは常に、全ての場面を

舞台にしておる人種です。

 

よって、楽屋でつまらない人というのは

職人なわけです。

芸として、職業として面白くしておる。

 

まあ、それも通っぽいの悪くはないのザンスけど。

天才系の人は常に面白い。

話してることが本当かどうかさえわからない

夢泡沫幻の世界の住人。

 

ワタイが直接お話したことがある噺家さんでは

笑福亭松鶴師匠が、

見事に振り切れておったのザンスなあ。

次点で藤山寛美

藤山寛美噺家ではないので、

常にボケ続ける芸風。

まあ、それにしても神がかりな存在でしたねえ。。

 

しかし今日は松鶴師匠。

では、おひとつ。

 

 

 

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ワタイ、十代の頃から学生時代が終わるまで

ショービズの裏方で稼いでおりましてん。

あれは、ワタイが20歳になるやならんの頃でしたわ。

亡くなりはったんが1986年らしいんで、

松鶴師匠の晩年ですな。

 

地方の演芸会で、トリが松鶴師匠。

楽屋でも優しい人で、

見かけの強面とは印象がだいぶ違いましたなあ。

あの滑舌の悪いだみ声も、

酒に溺れたからってことでしたな。

その前は、

 

「鶯もやきもち妬くほど透き通る声でしたわ」

 

と本人が言うてましたわ。

 

www.youtube.com

 

「ワタシが売れたのは声が枯れてからですわ。そやから、お酒に感謝して、毎日飲ませてもうてます。いや、飲まんと罰が当たる。今となってはお酒への恩返し、修行ですな」

 

と言うてはりました。

これも嘘か本当か、わかりゃしまへんけどな。

 

さてさて、其のショーは二部制の入れ替え制。

その間の休憩時間は、これといってすることもないわけです。

そういう時間を、松鶴師匠のような方は見逃さしまへんのや。

 

これは藤山寛美さんもそうでしたな。

ちょっとおもろい話しをして、

裏方さんに

 

「やっぱすげえなあ」

 

と思わせるのですわ。

多分、自宅の自室以外はすべて舞台なんですわね。

それらのあまた聞いた話の中でも、

松鶴師匠のはよくできてはった。

もしかしたら、別のとこでも話してはって

お聞きになられたお方もおあるやもしれまへん。

まあ、そこは堪忍してもうて

ちょっとお付き合いしてもらいまひょ。

 

 

その時は、楽屋に何人かおったと思います。

ちょっとした打ち合わせやったんやないかと思います。

 

松「私ねえ、好きなのはお酒ですけど、オナゴはんも好きですンやね」

8「まあ師匠ですから、そら浮いた話もございましょうねえ」

松「浮いたいうか、沈んだいうか」

8「ほうほう」

松「ワタシ、浮気の現場に嫁に踏み込まれましてんや」

 

全員「おおー」

 

松「しかも5回」

 

全員「うひゃー」

 

松「初めての時はですなあ、ホテルの部屋で、まだ何もしてなかったんです。くつろいでお酒飲んでたら、バーンとドアけ破られて」

8「奥さんですの?」

松「そや、そら怖かったで。人間あんな顔できるのかってくらい鬼の顔」

8「そらそうですやろ」

松「そこでワタシ言いましてん」

8「なんと?」

 

松「まだなんもしてへん!」

 

8「確かに。。」

全「さすが・・」

 

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松「で二回目ですな。またバーンと!」

8「もしかして・・」

松「さいです。ベッドの中ですわ」

全「うわあ・・・」

松「そこでワタシ言いましてん」

8「なんと?」

 

松「まだ、入れてへん!」

 

静かにスタンディングオベーションが始まりました。

師匠は、それを片手で抑え「ここから本番やで」と

無言であおってきます。

 

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松「さて次のことですな。三回めですな。またバーン!今度は最中でしたわ」

全「あー」

松「そこでワタシ言いましてん」

8「そこで言い訳って・・」

 

松「まだイってぇへん!」

 

数人のオーディエンスは、

もう止められないスタンディングオベーションです。

口笛が吹かれ、拍手が続き

お互いに抱き合い、歓喜の渦に包まれます。

しかし、師匠はその後こういったのです。

 

松「で、次何回目やろ。ひーふーみー、4回目やね」

8「まだ続くんですか?」

松「せやかて、イカなあかんでっしゃろ?」

全「ですです」

松「で4回目バーン!その時終わった後でしたんや」

8「で、で、なんと」

松「こういう時、胸張らなあきまへんな。堂々と言うてやりましたわ」

全「・・・」

 

松「お前の方がよかったで!」

 

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全「・・・・」

8「師匠。。5回あると言うてはりましたよね」

松「そやで、今ので5回」

8「いや、4回です」

松「あれ?どの話抜かしたんやろ。。まあよろし。5回目に足しといてもらいまっさ」

8「その後の?」

松「そや、まあさっきの話と似たようなもんで。嫁さんも慣れてきたんやろうねえ」

8「なににですの?」

松「踏み込むことに。それでワタシは『やっぱりお前の方がええわ』言うたんです」

全「・・・・」

松「そしたら嫁がね、こう言うたんです」

 

嫁「この前の方が間がよろしかったな!」

 

松「その時思いましてんや。あーこいつは芸人の嫁の鏡や!大事にせんとなって」

8「師匠、横に別の女性おりながらでしゃっろ?」

松「それとこれとは話が別ですがな。男の純情のお話ですやん」

全「純情って・・」

松「まあ、それも嫁に言うたら、ものすごい怒ってもて。で、元嫁ってことですわ。元気にしてるんやろうかねえ」

8「し、師匠。今の話ホンマですのん?」

 

松「まあ、そんな気もしたって、ことで」

 

てけてんてんてんトントン♬

ここで師匠はお手洗いに立ちはりました。

 

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