ネクタイというものは
実は最も難易度の高いグッズ。
女性で言うと、着物の帯紐でしょうか。
洋装であると、香水とかでしょうね。
やりすぎると鼻につくし、
派手だから悪いとも言えない。
どれだって、それなりに様になってしまう。
けれども、その使い方でレベルがバレてしまう。
女性が男性に送るプレゼントで、
実は一番難しいのもネクタイでしょう。
今日は、その専門店元町バザーさんです。
上品な女将が切り盛りするお店は、
もう70年の歴史。
三代目だそうです。
めくるめく美の世界。
入り口からこれです。
もうね、危険な香りがプンプン。
あえて、ちょっと入ってみるかあ、
と気軽を装い突撃してみました。
いやあ、素晴らしい。
もうね、変態の世界です。
女性よりも男性の方が、
美に対する業は深いように思います。
で、女将と雑談などしていると
ミラノのアンジェロ・フスコの
ネクタイを見せてくれました。
正規の取扱は、日本でここだけ。
これね、栗の実なんです。
なんでも、フスコの工房の近くに
栗の木が多いらしく、
それがシンボルなんですって。
ああ、栗の実ね。
アップで撮影したんですが、
ちょっとボケましたね。
逆に、ヘリンボーンがはっきりと見えます。
これネクタイでっせ!
で、このネクタイは、
裏がこうなってます。
どうです?
カッコいいでしょう?
このボリュームなら、
キレイなディンプルできるでしょうね。
これね、セッテピエゲといって
表の布を折りたたむようにして
芯にしているわけです。
古典的な手の込んだネクタイです。
このようなネクタイは、実に優雅。
スリーピースのダークスーツとか、
いいでしょうねえ。
パワースーツより、トラッドよりで。
オーセンティックなのに合わせると
そら、大人のお色気ムンムンですねえ。
私、恥ずかしながら
アンジェロ・フスコって
知らなかったんですわ。
人間いつまでも勉強ですなあ。
で、会話も弾むとこうなるわけです。
このマダムが只者ではない女将。
この赤いの、アップで見ます?
素晴らしい光沢!
なーに、ほんの
4万円くらいですわ〜。
美の代償としては
決して高くはないのです。
牛丼をね、80杯食べられるとか
考える人向けではありません。
ネクタイ一本に80食我慢できる人か、
そもそも牛丼食べない人かの
どちらか向けです。
女性のシャルルジョルダンや
フェラガモのミュールが、
それくらいじゃないでしょうか。
その勢いで買うものです。
でね、冷やかしで入ったんですけど
なんか買わないと
失礼な気になってきたわけです。
この感じ、以前にどこかで。。
ああ、あれだ!
急に女将が、邪悪な
メス蜘蛛に見えてきました。
ここはダメージの低そうなのを
選ぶ必要ありそうです。。
「ずっと、レジメンタルで発色のいい黄色を探しているんですが」
既にディスプレーにないのを確認して
ない商品を言って逃げ切ろうとしています。
しかし。。
スコットランドなんですって。
アトキンソンズ。
いいネクタイなんですよ。
シルクとコットンの混紡で、
軽い感じです。
私ねえ、好きなんですよ。。
女将、さすがですねえ。
いいとこついてきます。
「軽い色のコットンジャケットで、夏を惜しむかのように締めていただけたら、ネクタイも喜ぶかと」
危険な女です!
でも、いいんじゃないでしょうか。。
なにやってんだか。。
こういうお店はね、
入ってみて話を聞いてみないと
わからないものですよ。
謙虚で、ちゃんとしたカッコで行けば
親切に色々教えてくれます。
決して、短パンにクロックスで
入ってはダメです。
(また、新しい美の世界の入り口を見つけてしまったですなあ、でクリック!)