このバイクをご存知であろうか。
スズキが一番狂っていた時代に、
国内販売で初の百万円超えで発売した、
逝っちゃってたマシンであります。
伝説のポップヨシムラが現役で、
辻本聡選手がデイトナで活躍した時代。
油冷というエンジン型式。
そして限定車にだけ与えられた
乾式クラッチ。
それを20代も半ばを超えた私が、
中古で見つけてしまったのでありました。
おお、これは辻本レプリカじゃねえか。。
世界で500台限定じゃなかったけ?
で、どうなったかと言うと。。
そのまま持って帰ったのです。
時代は1990年頃。
すでに油冷は時代遅れになり、
750という排気量も中途半端な
ものになりつつありました。
当時私はスピードの世界の住人でした。
負けるのが一切イヤで、
あらゆる勝負を買っていたわけです。
つまり、アホだったのでございますねえ。
しかし、どうも高速で最新式に負ける。
かと言って、最新式に乗るのも
ケッタクソ悪い。
じゃあ、いじっちまおうか!
当時、ちょっと実入りのいい
仕事もしていたので、豪快に行きました。
いじった細部を長々書くのも
なんかイヤらしい感じがします。
ですので、サラッと書きます。
三百諭吉以上は逝ったと思います。
コスワースのピストンで
900くらいまで排気量も上げましたねえ。
でこんな感じに。
写真とか、ちょっと事情があって
残ってないんですね。
ですので、まあいろいろお察しください。
当時のデジタル処理されたアーカイブに
多少残っていました。
もはや、何か分かりませんね。
手放す理由もいろいろだったんですが、
15年位乗ってたと思います。
見る方が見れば、
当時の私のブチ切れ方が
ご理解いただけると思います。
良いマシンでしたねえ。
超高速でのフレームの弱さくる振動。
肘でタンクを押さえながら、
ハンドルを軽く前に押し出して
それを抑え込む快感。
今でも覚えています。
そして、このマシンはその後奇妙な出会いをします。
実は友人の友人の手に偶然渡っていたんですね。
私の手元にいた頃より、
もっとキレイに維持されていました。
嬉しかったですねえ。
テクマグのホイールも、
割れずに保っているようです。
私が、ほぼあらゆるチューンを
してしまったので、そこそこダメージもあったようです。
現オーナーさんがヘッドカバーを開けたとき、
ロッカーアームがへし折れるのを見たとか。
バイクは持ち主を選べません。
ただ、運のあるマシンは、
不思議と大事にされてゆくものです。
限定車ゆえ、パーツの欠品も多いそうです。
乾式クラッチのメーカー在庫のアッシーの、
最後の一つをオーナーは手に入れたそうです。
リヤタイヤをスピンさせながら
ウィリーでスタートすることを
常に課せられていたマシンです。
手は入れましたけれど、
大事に扱ったとは言えません。
スピードのために走らされた時代。
それにひたすら応えたマシン。
現オーナーさんが
大事にしてくれていることが、私の救いです。
スピードだけが魅力ではありません。
しかし、スピードは圧倒的魅力をもっています。
そういう時代を一緒に過ごした、
複雑な想いがするマシンです。
今見ても、やっぱりかっこええなあ。
(コンプライアンス?ハハ、何言ってるんですか?昔話しですよ、でクリック!)