CHUFF!! チャフで行こうよ。

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キリン バブルに乗り遅れたバイク乗りがすがった信仰

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東本昌平のバイク漫画『キリン』。

この前、この漫画を映画化したのを

けちょんけちょんにケナしました。

 

chuff.hatenablog.com

 

で、今回は原作について語るという回です。

まあ実に誤解されているお話しじゃないか、

と思うんザンスね

 

 

 ワタイがこの原作と出会ったのは

バブルも終わろうかというそんな時代。

 

バブル時代というものを、最近の人は小ばかにするザンスね。

まあ、されても仕方ないことも多かったわけですが。

 

ここで言っとくザンスが、

ジュリアナは

バブルじゃねえザンス!

 

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マハラジャが失速したときには

もう終わっておったザンスよ。

ジュリアナやゴールドはその後ザンス!

 

ほんと、みんないい加減ザンスよね!

 

80's青春男大百科 (扶桑社ムック)

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で、どういう時代だったかと言うと。。

すっごい遠くにあったモノが、

手が届くかもと思った時代ザンスよ。

知らなきゃよかったのに、知ってしまったザンスよ。

でも当然手が届かない。

そこに起きた現象は、絶対的に勝てない恨み。

ルサンチマンザンスよ!

 

このどうしようもない暗い感情を、

まずは理解できないと、

「キリン」は誤解されてしまうザンスね。

 

これねえ、ワタイは事故で寝たきりの時

病院のベッドで読んだザンスよ。

動かぬ体で、失われた時間と能力を考えておったザンスね。

その事故で、容貌も変わってしまったザンスからね。

 

当時連載は不定期で、

ほんと東本は更新してなかったザンスよ。

彼は売れない漫画家で、当時自分のバイクもなかったはずザンス。

成功してからは「ずっとCB750に乗ってた」

とか言ってるザンスが

当時本人が語っていたのは、30歳で乗るバイクもなく

誕生日に友人のCBを借りて東京を走り、

帰った安いアパートには、生活に疲れた妻と

まだ幼い子供が眠っていた、という哀しい話ザンス。

しかし、時代はバブル。

 

まあ、何が本当か分からないザンスから

真偽は野暮なんザンスけどね。

 

このエピソードに、当時のバイク乗り

複雑な恨みが見えるようザンスね。

そして、否定しようのないお金への憧れと侮蔑。

それに直面せざるを得なかった、80年代のバイク乗り。

 

ガソリンは、リットルで170円前後。

アルバイトの時給は700円くらいで、

吉野家並盛りが500円していた時代。

 

でも、ポルシェの値段は

誰もが知ってしまっていた時代。

 

 

ここまでが、東本昌平の「キリン」の前ふり。

すでに1000文字。

熱いザンスねえ。。

 

で、前に書いた映画の記事から、

ストーリーを転載しておくザンスね。

 

スピードに耽溺する中年男が主人公。

あだ名はキリン。

彼がそう呼ばれる理由は「キリンは泣かない」という口癖から。

彼は、若き日に偶然でッタポルシェ911と勝負し

激しくクラッシュする。

それ以来911を「デカ尻」と呼び目の敵にする。

数年前に首都高で出会ったデカ尻に勝負を挑み

自らのミスでクラッシュし重症を負う。

家族も仕事もなくした彼は、大人しくなってしまう。

仕事が順調になり、若い娘と恋におち、

全てが順風な世界にいらだちを感じ始めるキリン。

その彼の前にポルシェに乗った男が現れる。

キリンはそのポルシェ乗りを挑発し、

浜松までのレースを承諾させる。

初夏の早朝、東京から浜松までの

中年男二人がレースを始める。

あえて古いバイクでデカ尻に挑むキリンの胸中は?

そして「キリンは泣かない」の真の意味は?

 (とテキトーにまとめたザンス)

 

それなりに給料は上がり、

それまで買えなかった750cc以上のバイクを

買えるようになったころ。

縁がなかったポルシェのような

家一軒分の車が街にあふれだしたわけザンスね。

 

かと言って、純粋に

ポルシェを買う努力をできるかと言うと

世代的に「愛と誠」で育っておりますから、

 

 

そう素直にできないわけです。

階級闘争を美として育っておりますから

それなりに矜持も持ってしまっておるわけですな。

 

誤解を恐れずいうなれば、

それまでブルーカラーはホワイトカラーの、

もっと言えば資産家の世界を知らずにすんでいたのに

知ってしまったのザンスよ。

その時代の恩恵により、知ってしまった世界は

絶望的に遠く感じてしまうわけザンスね。

 

それくらい世界は遠かった。

 

キリンと呼ばれる主人公は、特定のドライバーではなく

ポルシェ、その中でも911シリーズだけを

激しく憎むわけザンス。

憎むという言い方も、ちょっと違うザンスかね。

嫉妬と羨望に満ちた、破壊衝動と呼んでもいいザンスね。

 

ベレッタ Beretta ラブレス ハンター ドロップポイント
 

 

そのために、家族も仕事も

捨ててしまうキリンザンスが、その彼もいつしか

ポルシェを買える立場になってしまうわけザンス。

 

それがバブル!

 

そのこと自体に、イライラしてしまう中年男。

それがキリンなんザンスね。

と言っても、この時38歳のキリン。

それでこの老い方。

 

ああ、これが昭和の終わり!

平成の始めごろ。。

 

老けるの早すぎ!

 

そのイライラに気付かされたのは、若い娘と恋に落ちたから。

その若さの前に、自分の老いを感じ始めるキリン。

老い切る前に、若き日の因縁には蹴りをつけねばならぬ!

と、強迫的に思ってゆく狂気の世界。

それが、浜松までの公道レース。

仕事で知り合った金持ちのポルシェ乗りを

誘い込むその狡猾さが、まさに中年のそれ!

 

この出口のない世界を描いておるのが

「キリン」なんザンスねえ。。

けっして、大鶴義丹が描くような、

凡庸な世界じゃないザンス。

 

キリン

キリン

 

 

でもね、そこで読者がどう感じたかってのは

また別の話ザンスよ。

バイク乗りって、基本的に単純でバカが多いんザンスね。

でどうなるかと言うと、古いバイクで勝負売るのがかっこいい!

ってなったザンスよ。

 

このマンガのブレイク以降、登場したバイクたちが

異常な高値になっていったわけザンスね。

そんで、そこにつけこむメディアも増えてきて。

くすぐられたんでガスなあ、劣等感を。

 

今から思えば、佐藤信哉なんてダッサイチビに

憧れたライダーの多かったことからも

分かるんじゃないっすかね。

佐藤信哉を説明しておくザンスね。

こう言う人。

www.godspeed.co.jp

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ダサイ、あまりにダサイ。。

 

当時はワタイも気づかなかったザンスが、

有名な300km/hアタックって、

あれメーターいじっただけなんじゃないっすかね。

 

ヤンキーになれなかったけど

ちょっとやってみたかった層がいたザンスよ!

それをこじらせたのが、けっこういたわけで。

 

 

実際は、多くのライダーが

勘違いして死んでいったザンスね。

これはワタイの周囲でもたくさん死んだザンスね。

これを思い返すと、バブル経済の恩恵を受けながら

何か不思議な劣等感にさいなまれた奴らが、

無理をした結果だと思うザンスねえ。

 

今も、それを引きずってる世代がいるザンスよ。

正直、ワタイの世代のバイク乗りって、

痛い人多いザンスねえ。

大体その人の家には、「キリン」がずらっと並んでおるザンス。

かと言って、みんな普通の市民ザンスので

一種のコスプレザンスよ。

ローンを抱えて、嫁の小言を気にして、

案外老後の設計とかしているわけザンスよ。

 

 

 

どの時代も、ぶちぎれておる奴は少ないザンス。

ぶちぎれているフリをしたい人が

悲しいほどいるだけザンス。

 

もし、「キリン」を読んでみようと思ったなら

1~4巻まででよいザンス。

5巻以降は、困窮から脱した作者が

実に甘い汁を吸っている話ザンス。

つまり、つまらないザンスよ。

大人の話が、ガキの話になってゆくわけザンスね。

 

でも、どうしようもないことに正面突破で挑むキリンは

滑稽ながらも、熱くなること請け負いザンス!

 

物語の途中で、チョースケと言う青年がキリンに

危険なレースを挑むザンス。

しかし、キリンはレースが始まる前に青年をボコるわけです。

 

「卑怯じゃねーか」

「痛いかい、小僧?ポルシェは痛いだけじゃすまねえぞ」

 

そう言って殴り倒すんですな。

この感覚分かります?

人生において、暴力が身近にあった人間だけが

もしくは暴力から脱出した人間だけが分かる

この感覚。

 

貧しさが強いボクサーを作るように、

時に泥から生まれる華があるわけです。

平成も終わり、令和が始まる今となっては

すでに昔話ザンスが、こういう世界が現実にあったわけザンスよ。

それは読んでもらいたいザンスねえ。

 

ベッドで寝たきりから、起きられるようになったころ

ワタイは友人のZ2を呼びつけて、パジャマのまま

走り出したザンス。

それと同じ描写が、このマンガにも出てくるザンス。

 

分かるザンスか?

それでも、走りたい、

走らねばならない

その狂気!

 

ワタイは、少し離れた川沿いの道で

気を失って、救急車で病院に戻ったザンスね。

ヘルメットの中にゲロをぶちまけながら。

あの時、Z2の持ち主どうしたんザンスかねえ。

無責任ながら、記憶にないザンス。

 

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