CHUFF!! チャフで行こうよ。

もう、何でもありです。ヒマつぶしにどうぞ。

CHUFF!!ってのは、「おっ、なんかいいよね!」って意味です。チャフっていきましょうよ!

女心と男心、深ーい河がある「軽蔑」

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もうね、ひどい話なの。

でもね、まあそういうことだよね、

って納得もできちゃうというね。

 

知ってます?「軽蔑」っていう映画。

原作はイタリヤ文学のモラヴィア

もうね、原作もやりきれない感じなの。

 

マイトレイ/軽蔑 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-3)

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このやりきれない原作を、

ゴダールが変態として、映画化しちゃった。

主演はべべこと、ブリジット・バルドー

またこれがかわいいの。

 

 

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こういう乳繰り合いから始まるんです。

男は脚本家、ポール。

妻は、カミール。

うら若きべべが演じています。

当時のセックス・シンボルの

作り込まれていない身体のエロ。

これもなかなか。

 

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ポールは若い女と結婚したので、

映画の仕事も引き受けます。

新しい家も買うんです。

 

 

そこから、戻れない悲劇が。

それがこちらです。 

軽蔑 [DVD]

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お金のために、アメリカ人から

オデッセイアの映画脚本を

引き受ける旦那。

 

そのアメリカ人ジェリーを演じる

ジャック・パランス

見たことあるんじゃないですか?

いかにもアメ公な感じ満載。

 

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もうね、いやらしいの。

んで、秘書の背中を机にして

小切手にサインするところなんか、

「ああ、戦争には負けたくねーな」

って感じなの。

 

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この作品の中で、監督役の

フリッツ・ラングが本人役で。

あのメトロポリスを作った人です。

 

メトロポリス / Metropolis CCP-315 [DVD]

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ジェリーの家で食事でもとなり、

ポールはジェリーの車に

乗っていくことを勧めます。

ジェリーはもう口説く気満々です。

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アメリカ人らしくマニュアルの車を、

不器用に乱暴に扱うジェリー。

ポールは遅れて、ジェリーの家に到着します。

 

その直後から、カミーユの態度が変わっていきます。

ポールが来るまでの30分に、何があったんでしょう。

ジェリーの助手の女性に軽口をたたき、

それをカミーユも見ます。

 

このあと、どうしようもない不毛な口論。

聞いているだけで陰鬱な気分になる

終わりのない欺瞞と攻撃。

そして、冷たい妥協。

 

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ジェリーは皆をカプリ島の別荘に招きます。

 

ここで、さらにカミーユの心は

ポールから離れます。

 

そして、ポール抜きでヨットに

カミーユを誘うジェリー。

それを勧めるポール。

 

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まだ迷っているカミーユ

 

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だのに、ヘラヘラしているポール。

これで決定的に、カミーユ

ジェリーの女になります。

旦那に覗かれていること承知で、

ジェリーとネトネトなキス。

 

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もうね、このあたりの

エロのないエロっぷりがね。

もうたまんないわけです。

 

ジェリーを問い詰めようとして、

 

軽くかわされ、気まずい部屋。

 

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屋上で日光浴するカミーユ

詰問するポール。

カミーユは理由を言わないまま、

明らかに拒否します。

 

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小さな事をあれこれ取り上げ、

お互いを傷つけ合います。

そして、ジェリーの肩を持つわけです。

まあ、そうでしょうけど残酷ですな。

 

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もうね、このときのべべを

張り倒したくなるわけですが、

またこれがとんでもなく

かわいいという悪魔っぷり。

 

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男は打ちひしがれ、

女は自由に泳ぎます。

 

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で、結局カミーユ

ジェリーとローマに逃げることに。

その途中で慣れない運転で交通事故死。

 

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それでも映画オデュッセイアの撮影は続き、

ポールもカプリ島を離れます。

 

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ギリシャ古典を読んだ人は、

まあいろいろ思ったりするかもしれません。

女心の複雑さを、ゴダール

実にいやらしく撮ってるので、

疼くものがあります。

 

全体に漂う、圧倒的なお金の力。

カプリの別荘なんか、結構絶句もんです。

 

ああ、フェラーリなんかは

こういう背景で生まれてきたんだなあ、

と想いを馳せます。

 

一旦すれ違った想いは、

どうやっても修復できないものです。

少ないセリフと、むせるようなべべの可愛さ。

 

この一連の雰囲気は、なんとも複雑な世界。

 

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私、原作を十代に読んでいるんですが、

分かるわけないんです。

すがる男と、かわす女。

そこに流れる軽蔑という潮流。

 

こういう蒸し暑い夜とか、

魅入られるのもいいかもしれませんよ。

 

しかし、このバルドーが

 

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こうなるという。。

最近じゃこうなってるという。。

 

eiga.com

 

人生というものの可変性と、

不確かさをいろいろ考える夏です。

いかがです?

 

(最近べべは極右思想に入ったそうで、まあ変化してるわけですね。でクリック!)