土砂降りの雨の日本の深夜。
私はサッカーのことは気づかす、
夜更かしをしていました。
以前書いた、お嬢さんのいる向かいの部屋。
静かでしたね。
私は深夜映画で「パルプ・フィクション」を
観ておりました。
湿気のせいか寝付けず、
何度観たか分からない名作を、
ぼんやりと観ておりました。
みんなわかーい!
とか思いながら。
ふとトイレに立つと、
お隣さんに明かりがついております。
おや、サッカーだっけ?
検索すると、ベルギー・ブラジル戦。
お嬢さんたちの、生きのいい声はしません。
うーん、まあ燃え尽きたんでしょうねえ。
でも誰が観てるの?
でも、そんなことを気にしていては、
都会暮らしはできあません。
映画は、当たり前ですがいつものように
ファミレスを出るトラボルタとジャクソンで終わります。
さすがに私も寝ましたよ。
で、目が覚めたのは午前9時ごろ。
水を飲んでいると、お嬢さんがたの声が。
「お父ちゃん、観てたん?」
なるほど、お父さんが一人で観ていたようです。
神戸は電車が動かない状態でしたし、
お父さんもお休みなんでしょう。
「で、どうやったん?」
「おまえらな、ネットで見たら、わかるやろ」
「ちゃうねん、そこちゃうねん」
「そやそや、お父ちゃん、そこやないで!」
思春期の娘を持つお父さんは大変ですなあ。。
「ほな、なんやねんな。ねむいねん」
「つまりやな、こう臨場感のある熱さをやな!」
「この雨に負けやん、その感じをやな!」
「たのむさかい、ネットで見てくれや・・」
「そんな日本をバカにすることできるかいな!」
「わし、いまのわからん。なにやねん?」
「ええか、日本を負かしたあのベルギーを、そう軽くは扱われへんやろ」
「せやせや、お父ちゃんにはリスペクトちゅうーのがないんかい?」
「よし、ほなお前ら、腰を据えてじっくり聞けよ!」
ここからお父ちゃんの、熱い解説が10分ほど続きました。
もう、私も聞きほれたんですね。
「さすが、赤い悪魔やなあ」
「カナリヤも家で鳴いときや!って感じやなあ!」
なるほど、サッカー好きな家族だったわけですね。
ってことは、映画でユマ・サーマンがツイストを踊っていたころ
お隣では、お父さんが大興奮だったわけですね。
確か、サントラもってたなあと。
すぐ見つかりましたね。
これ、いいできですよ。
プレイヤーにかけながら、
なにげなくテレビをつけました。
誰かの家が濁流に流されていました。
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