季節外れの台風に直撃された青さん。
今回、ちょっと大人の部屋でございます。
若かりし青さんの、劣情の嵐の夜シリーズ。
お読みいただければ、今回の話もわかりやすいかと。
なんせ、大人になってんですわ。
ではさっそく！
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台風ってのは、
秋口に夏を追い立てるように
来るものだと思っておりました。
関東がうかつに梅雨明けなんか
するもんだから、
太平洋高気圧のヘリが絶妙な位置に。
何年ぶりかで本格的な台風を
食らった一日となりました。
天気予報を注視しておりましたが、
最悪の想定通りに。
そこで昼で営業を終了。
カッパを着て閉店作業を行いました。
雨台風だと思っておりましたが、
流石に暴風圏に近づくと風も強烈で、
真横からひっぱたかれるような雨と風。
台風との距離の近さを
雄弁に語っているようでした。
昼飯を食べた後、
三時前だったように思います。
蛍光灯の明かりが怪しく瞬きました。
あ、これは。
久しぶりですが、
独特の気配は忘れないものです。
急いで燭台とロウソクを準備し
まもなく「プツン」と音が消えました。
停電です。
着いては消え、すぐまた消える。
2、3度繰り返した後の暗闇は、
一時間ほど続いたように思います。
古い家なので、真っ暗になります。
ヒョウヒョウと風がうなり、
砂利でも降ってきているような
強烈な雨音が雨戸を叩く音。
それだけがあたりを支配しております。
オレンジ色の仄明かりが、
ぼんやりとあたりを照らしております。
揺らめく炎は、
漆黒に向かっていく
明るさのグラデーションが
なんとも味わい。
深く、日常ではないことを
じわりと認識させます。
私は少し暗くなると目が利かないので、
ロウソクの明かりを頼りに懐中電灯をとりにいきます。
位置を決めているので、
探すこと無く見つかるのですが、
電気の明るさというのは力強い。
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手の届くところに
懐中電灯がある安心もあったのか、
無風で汗ばむ部屋の中で、
いつの間にかウトウトと。
どうせやることもありませんし、
燭台の火を消して、
まどろみに身を任せておりました。
パチパチっと点灯管が音を立て、
部屋に蛍光灯の明かりが満ちたことを
きっかけに目が覚めました。
どうやら峠は越えたらしい。
家の中を点検しましたが、
特に破損箇所も雨漏りもなく。
雨風はまだ勢いが強いものの、
嵐の気配は薄れております。
それでもときどき、
思い出したような強風と
雨で荒れていました。
いつもどおりの夕食の時間を過ごし、
部屋で雨雲レーダーを確認していると、
風の音が幾分おとなしくなったような
気がしました。
21時ごろだったのではないでしょうか。
そうだ。ちょっと、歩いてこよう。
乾きの良さそうな生地のTシャツと、
ジャージの短パン、ビニールサンダル。
少し歩きに出ました。
海や川には近づかないように
注意をしつつ、
風に吹かれるまま、
雨に打たれるままの散歩道。
傘はさしたところで意味はない状態。
よし。まどろっこしいのは止しましょう。
いいなぁ、嵐は。
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なんかこう、カッとくるものがありますね。
昼頃はちょっとね、
出歩くのは無理でした。
車で出てみようかと思いましたが、
正午過ぎの閉店作業をしただけでうんざりです。
体が少し、持っていかれそうになる風と、
痛い雨。怖い台風を久しぶりに経験しましたね。
理想を言うと、
台風じゃないんですよ。
もう少しマイルドでいい。
何が言いたいのか
さっぱりわからない内容ですが、
そういう風に書いているんだから
狙いどおりです。
ドライな到達は
あったのかもしれないな、と。
いつも以上にお風呂が
心地よかった、嵐の散歩者でありました。
了
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なるほど、ドライ。。
こんな湿気なのに、ドライ。。
深い、深すぎる。。。
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