CHUFF!! チャフで行こうよ。

もう、何でもありです。ヒマつぶしにどうぞ。

CHUFF!!ってのは、「おっ、なんかいいよね!」って意味です。チャフっていきましょうよ!

大人の部屋 ご婦人と少年

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ここは、大人の部屋です。

 

清廉潔白な方は、ここで引き返して下さい。

 

ほう、これは珍妙なとか、いろいろ考えられる方だけ、

お進み下さい。

 

 

 

 

私の母は、かなりヤクザな人生を送っている人

(一応まだ現役で生きているので現在形)でございまして、

それゆえにそれなりの、

愉快な面も多い人物でございます。

ある意味においては、母から人間のさまざまな本質、

つまり喜怒哀楽や、業、性、を教わったように思います。


もちろん彼女に、それを教えるつもり等あるわけもなく、

私が生で見聞して「生きるって大変だなあ」と、

独学で学んだのでございます。

母のことを書くと、ネタだらけの人生でございますが、

今回はそのご友人のオバサンお2人の話し。

 

そのお二方、

仮にZさんとQさんとしておきたいと思います。

続けて読むと「ぜっく」となる発音が、

とても似合うご婦人方でございました。

 

私、少年の頃、自分で言うのもなんですが、

絵に描いたような美しい少年でございました。

 

白い肌、赤い唇、黒い瞳。

 

おまけに、母親の影響もあり、

ご婦人方の機嫌をとるのが大層上手で、

いろいろ可愛がっていただきました。

 

しかし、美少年も陰毛が生えて来るわけでございまして、

とうぜん自慰行為等も覚えるわけでございます。


息子のそんな変化を、その母が見逃すわけも無く、

商売仲間で友人のZさん、Qさん、

に面白おかしく話すわけです。

 

「風呂を覗くと照れやがる」

とか

「栗の花臭いでえ」

とか

「ボーボー前は、ホヤホヤと生えるんやでえ」

とか。

 

そんな12~13歳のある日の事でございました。

いつものようにご婦人方を多少笑わせ、

適当に場を抜けた時、

Zさんがささっと追いかけてきて


「あのなあ、やりたい時はいつでもおばちゃんに言いや」

「8マンちゃんやったらかまへんで」と。


さすがに私も多少は驚いたものの、

そこはそれ、すれてますから


「ありがとう、おばちゃん。でも、もうちょとためとくわ」

と返しました。

 

んで、別の日。

その日もご婦人方は、なにやら盛り上がっておりました。

トイレに行くと、ばったりQさんとはちあわせました。

で、


「あのなあ、8マンちゃんに言うとかなあかんことあるねん」と。

「どうしたん?僕に惚れても無駄やでえ」

と私。

「いけずやわ、8まんちゃん!ちょっとこの足首見てえな」

「足首がどないしたん?怪我したんか?」

「もう、やさしいなあ。惚れてまうわあ。それよりなあ、ほれ、細いやろ?」

「そやなあ」

「こういう女は締まりがええのや。8マンちゃんやったらいつでも手伝ったるで」
 

ここで私は、ひるむわけにはいきません。

そういう家なのですから。

 

「年上の女の財布のヒモは、緩い方が僕は好みやでえ」

と返します。


「ほな、Zちゃんの○○○みたいに、財布はガバガバにしたるわ。その代わり、うちの方に先に言ってや。約束やでえ」

 

まあ後に、当然御両者にお願いすること無く、

青臭く穏便に筆下ろしをすませたのであります。

が、その数年後のこと。

我が家にて、Zさん、Qさん、の会話を、

私は偶然聞いてしまったのでございます。

 

以下、記憶を頼りに、

方言にかなり忠実に再現させていただきます。

 

「Zちゃん、抜け駆けしてないやろな?」

「Qちゃんこそ怪しいな。金で8まんちゃんのさらぴんを買ったんやないやろね?」

「買えるんやったら、こうてからあんたに自慢してまうなあ」

「あれはもうやってる顔やな」

「うちもそう思うねん」

「もったいないなあ」

「なんか腹立つなあ」

「でもまだ奇麗な色やろなあ」

「うちはもうあかんやろなあ。ちょっとはずかししぃ」

「なんでやのん?」

「この前見たら、○○毛に白髪があってん」

「ああ、うちもあるわあ。そやなあ、それはあかんなあ」

「そや、ちょっと外人さんの血が入ってて、これは金髪やって言おか(笑)?」

「いくらなんでも、8マンちゃんも、それで笑てくれる程にはやさしいないでえ」

「はつもん食うのは、毛が黒いうちやなあ」

「そやそや、はつもんが黒ならんうちになあ(笑)」

「あんたうまいなあ」

「そうや、そやから8まんちゃんに、床上手やって言うたのになあ」

「アッハッハッハハハッハハッハ」

 

すでにお二方とも鬼籍に入られ、

私は黒くなり、

下白髪を見つけては時折抜いたりしている年齢でございます。

Zさんはご病気で苦しみながら逝かれ、

Qさんは行方不明になって暫くして訃報だけが届きました。

しかし、今の私の年齢よりお若かったお二方の、

あの底抜けの明るさを思い出す度に、

なにか、こう、気持ちのよい、

乾いた風が、私の中に吹くのでございます。

 

通が良くなるような、あの涼やかさ。

 

誰もが一度は通る道。

冥土の土産になったのであれば、

若気の至りとして、同衾してもよかったのかあと思いつつ、

それはそれで地獄が待っておっただろうなあと考えたり、

そこはそれ、粋の難しさでございます。

 

湿りがちな世の中に、サラッと日陰の風を通してくれた、

ZさんとQさんに、ご冥福を祈りつつ、

改めて感謝しつつ、昔話しを失礼いたしました。

 

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