男、昼目から覚めたら、突然オートバイに乗りたくなった。
彼の名は「青陽舎」さん。
略して青さん。
いよいよ、実感として、見えてきたようです!
続きを読む通っていた高校の裏に小さなラーメン屋があった。
製麺所を兼ねていたその店は、たいして美味くもないのだが、
よく授業を抜け出しては塀を乗り越えて食べに行った。
その日は雨が降っていた。
梅雨の真っ最中で何日も雨が続いている蒸し暑い日だった。
ラーメンを食い終わり、煙草を吸いながら、
開け放たれた入り口の外を俺は何となく見ていた。
店の向かいにはシャッター付きのガレージがあり、
初老の男が古いオートバイを磨いているのが見えた。
続きを読む街中に住んでいると、
夏の夜に窓なんか開けてらんない。
湿気と熱風で殺されちゃうからさ。
室外機の発する熱だけでも、
凄いことになるしね。
案外、みんな真冬並に締め切ってる。
その日はたまたま、
なぜだか窓を開けていたんだよ。
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