CHUFF!! チャフで行こうよ。

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夜の果てへの旅  こじらせきった男、セリーヌを知ってるかい?

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この人の顔、暗そうでしょ?

ええ、実際暗いんですね。

 

どういう人かと言うと、

アマゾンのついてる著者略歴を貼っときますね。

セリーヌ
筆名。1894年、パリ西北方の都市クールブヴォワに生まれ、貧しさのなかで独学を続けて医師免状を得る。第一次大戦で騎兵軍曹として武勲をたて、復員後、国連事務局に勤め、各国を遍歴してから、パリの場末で医師を開業。1932年、本書で一挙に作家の名声を確立したが、反資本・反ユダヤ主義の立場からフランスの現状を痛罵した時事論集などのために、第二次大戦後、戦犯に問われ、亡命先のデンマークで投獄された。特赦で帰国したが、61年、不遇と貧困のうちに歿し、その墓石には“否”の一語だけが刻まれた

 

もうね、ここから辛気臭さが満ちてるでしょ?

これは、文庫本の著者略歴と同じなんで、

一応公的な発表なんでしょうね。

 

 

セリーヌと言う名が、

一応有名ですが、これペンネームで、

本名はルイ=フェルディナント・ディトウシュ。

 

彼の作品の辛気臭さは有名ですが、

そのエッセンスを抽出してみましょう!

 

 

「想像力の持ち合わせがない場合は、死ぬこともたいした問題じゃない、そいつを持ち合わせているときは、死ぬことはたいへんなことだ」

 

「たとえ奴らが七億九千五百万人で、僕のほうは一人ぼっちでも、間違っているのは奴らの方さ」

 

「僕への弔いに、海の中へたとえ唾一つだって吐いてくれる人間がいるだろうか? 一人だっているわけはない」

 

「人間を信用することは、こっちから殺されに出かけるみたいなものだ」

 

「夜の果てへの旅」から引用しました。

 

夜の果てへの旅〈上〉 (中公文庫)

夜の果てへの旅〈上〉 (中公文庫)

 

 

こういうのが、上下巻セットに

満ちあふれている本です。

これが処女小説らしいんですが、

よく出しましたね、当時の出版社も。

 

さて、ここで発想を逆転させます。

 

セリーヌにしても、

同時代のカフカにしても、

時代がどうのとか、

実存主義がどうのとか、

戦争への予感とか、

 

後付けであろう、あれら。

ちょっとうざいでしょ?

 

なぜ彼らが、あんな感じになったのかを、

簡潔に言いましょう。

 

アレがカッコ良かったんです!

当時はね!

 

まあ、カッコよさってのは、

人間の最たる欲望の一つでして、

それを手放した時、人は人でなくなる、

と言っても過言ではないのでありますね。

 

カッコイイからって、逃亡生活したり、

墓に「否」とか書いたり、

命をかけたりするものでしょうか?

とか思う方も居るんじゃないでしょうか?

 

 

何を言っているんですか、君は?

そこまで行って、初めてのカッコよさじゃないですか!

そうでなきゃ、クールとは呼べないんですよ。


今だって、ラッパーなんか、

懲役と殺されかけて一人前、ってとこあるでしょ?

この前も普通に死んでましたよね。

 


良いとか悪いじゃなく、

そういうものなのです。

 

セリーヌに戻りますけどね、

生田耕作の名訳の力もあるんでしょうけど、

読んでいて、奇妙にいい感じなんです。

なんでしょうか、電話帳みたいに読めます。

トイレとかで読むには、最高じゃないでしょうか。

 

青山二郎が、便所には聖書がいい、といったのと同じかもしれません。


日本語は、割と「意味」を求める傾向にあります。

歌とかもそうでしょ?

「歌詞がいい」とか言いますやん?

あれは、言語に「音」より「意味」を

求める特性だと思うんですね。

 

 

フランス語は、どちらかというと、

「音」がダメだと意味が響かない、

って特性があります。

いわゆる子音言語は、

どこもそうだと思います。

 

結果、なんだか

スッと軽く入ってくるんですね。

この辛気臭い言葉が。

これを理解できない人は、

即席にストーリーを知りたい人だと思います。

そういう人は、残念ながら

訳文を読めないと思うんです。

読みづらいと言うか。

 

でもね、枕草子とか源氏物語とかも、

アレは音だと思います。

平家物語に至っては、そもそも口伝ですしね。

五七五の完成形より、もっと昔の日本語。

枕詞などが、当然にあった時代。

つまり、言葉が大衆化される前の日本語。

これは、聞いて麗しく、読んで美しく、

意味知り感嘆するって感じですね。

 

まあ、こじらせきった作家が、

最後までこじらせきるってのは、

ある種英雄的行為なんでしょう。

 

なぜかって?

彼らの最大のヒーロー像である、

エスがそうじゃありませんか?

 

(こじらせきれば、それはそれでカッコイイかもしれない。今は甘いよね。でクリック!)

 

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