深夜、スマホに着電。
と言っても、まだ10時半頃。
電話の主は、仮にNくんとしておく。
関係者には全然匿名性ないけど
私は全然気にしないし、
彼も気にしないと思っておく！
「もしもし、８さん。起きてました？」
「ああ、別にかまわんよ」
「実は教えてもらいたいことありまして」
「知っていることで、金がかからんことなら」
「実は」
「なんだね？」
「あのう、俺今からソープ行っていいっすか？」
「はあ？」
「言ったとおりっすよ」
「すまん。質問の意図がわからないので、詳しく頼む」
「８さん、ボケたんすヵ？」
「ボケてるのはお前だ！このスットコドッコイ！」
スットコドッコイ、なる言葉。
思い返してみると、最終使用から
何年経っただろうか。
この前使ったのは、いつだったろうか？
きっと、20世紀の頃ではあるな。
ああ、あの題名がついに狩られたか。。
まあいい。
会話は続く。
「スットコドッコイってｗ！」
「君のような人間に使うのが妥当だと思うのだ」
「いやいやｗ、それよりソープなんすよ」
「しつこいと思われるかもしれんのだが」
「はい？」
「知るか！ボケ！スットコドッコイ！」
「またそんな、あえて冷たいこと言う気ですね？」
「どう言えば伝わるのかね？」
「つまりですね」
なんでも彼は
近々オートバイを買うらしいのだ。
それはよいことではないかね？
それで、いろいろカネもない。
仕事頑張ってるんだけど、
ストレス半端ない。
結婚するかもしれない彼女とも
なんとなくご無沙汰。
そこで、優しくされたいので
ソープに行きたい。
でも、おカネもったいないし
時間的にもどうかな、
ってとこだし。
そうだこういうときは、
8マンさんに電話してみよう！
と、なったらしいのですね。
私、全くその発想に共感できない。
きよしが、ズンドコ歌う方が
人生として共感できなくもないレベル。
この難易度が
ご理解いただけるであろうか？
私見では、一般の方には難しいと思う。
もっと言うならば
ロバート・フィリップが
きよしの背後でギターを弾く
紅白歌合戦を、納得して鑑賞する。
それくらいの無理さがある。
もっと、分かりづらいと杜甫が嘆いておる。
電話を切ってから
私は暗闇の中にたたずみ
今の電話は現実のことだったのか？
と自問した。
まるで、雨月物語のようではないか？
もしくは、遠野物語の
馬と添い遂げる娘の
話のようではないか？
これ以上書くと、
まるでアフィ目的と思われるではないか？
しかし、書くぞ！
あたかも、泉鏡花の世界ではないか？
この世のどこに
これからソープに行っていいですか？
と問う男がいるのだ？
着信履歴を見る。
そこには、やはりNくんの名前。
時計を見る。
確かソープは12時までだったよな。
彼は、ギリギリまで迷っていたのか？
では、その問いは、真摯なものだったのか？
スットコドッコイ！は間違いだったのか？
んな、わけない！
ああ、なんと見苦しい。。
全盛期を知る人間に、
この動画はキツイぜ。
客の手拍子が民謡調ではないか？
なんか、サザン桑田に
似てる気がするんだが。
そう思って聞いてみると、
声や発声も似ているような。
冷ややかな感情を胸に隠し
私は風呂に入ることにした。
奇妙なことなど何もない。
人間というものが、
そもそも奇妙なのだろう。
で、買ったバイクがこれ。
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