JR元町駅を西口から出て、線路沿いに左に20メートルほど行く。
どこからどうみても、なかなか入れなさそうな店がある。
そこが、リアル・チャイナ・レストラン、
丸玉食堂である。
今はちゃんとありますけど、昔はメニューがなかった。
メニューを頼むと、
「無い!」ときっぱり言われたわけです。
どうです、この感じ。
20世紀のリアル・レッド・チャイナで、無数に聞いた言葉。
「没有!」
じゃありませんか!
トップ画でおわかりかと思いますが、もう外見的には本場のムードです。
台湾や香港ではもう少ない、リアル大陸スタイルの構え。
お店自体は台湾料理ですから、昔の台湾もこんな感じだったのかもしれません。
しかも、昔はきっと可愛かったであろう大姐(女主人)の、完全帝国なのです。
すっと入って、勝手に座ったりすると、ずっとガン無視されます。
ルールは分からずとも、ここの掟には従ったほうが良いです。
掟とは、明確ではないが露骨にある無言の暗号です。
察知しましょう。
ですので、大姐の指示に素直に従いましょう。
従っていると、いろいろ教えてくれます。
順調に行けば、普通に物事が進みます。
当たり前のことなんですが、ここでは妙な感動があります。
おお、これもリアル・レッド・チャイナぽいです。
台湾系のお店ですけどね。
この店の名物は、何と言っても豚足なんですけど、
私はあまりあれを好みません。
ご参考までに写真を。
女性にはいいと思いますし、紹興酒を好まれる方には、肴にとてもいいんじゃないでしょうか。
店におりますと、30分に一回くらいの割合で、旦那と大姐の大喧嘩があります。
料理の順番の話とか、全然仕事とは関係ないこととか、とにかく怯むくらいの大喧嘩です。
いやあ、いいものですよ。
外国の都市の喧騒の思い出に浸る、そんなチャンスです。
そして、私が推す完璧な料理がこちら。
一つは酢豚。
黒いでしょ。これ、まあお食べ下さいな。
あちらのお国では、黄河から南には、
日本のお醤油とお酢を足したような、黒酢のような調味料が有ります。
これが美味しいんですわ。
日本で言うとなんでしょうね、ポン酢を煮染めたようなもの、と言いましょうか。
あれ使ってるんだと思います。
それともう一つがこちら。
通常のはこんな感じです。
ローメンという焼きそばなんですが、これが不思議な感触です。
焼きうどんと焼きビーフンの、丁度間くらいのものですね。
これは、常連が頼む「餡抜き」です。
初めて行って、頼まないほうがいいですよ。
普通に焼きビーフンとほぼ同じですから、そっちを頼みましょう。
それに、この盛り付け見て何か感じません?
綺麗に盛ろうという意識を一切感じませんよね!
いやあ、潔すぎて気にしないを通り越して、かっこよい感じさえします。
お店の空気は、他のお客さんがいなければ、日本語通じるんかいな?と思うほどです。
勿論大丈夫ですけどね。
とにかく、大姐さんをたてることです。
そうすれば、この店がなぜ根強いファンを持ち続けているのか、理解できます。
他には、ロバ肉(そう、あのロバですね)とか、ミミ(豚の耳だと思います)とか、
まあ、異文化感満載です。
ちょっと気取った神戸で買い物もいいですけど、
こういう、ハードコアな場所に冒険に出るのもいいと思います。
難易度は、思ってるほど高くないです。
大姐さんの機嫌さえそこねなければ。。
(どうってことねえよ、たかが中華料理だろ?と思ったあなた!しばかれてきなさい!そこで後悔しながらきっとクリック!)
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