#Me Too でいろいろ騒がれたわけですが、
女優さんにも、もちろん言い分があるでしょう。
ひどい関係者もいるんでしょう。
ただね、ショービズの世界を、
まさか「倫理」とか「道徳」とか、
まかり通る世界だと思って入ったんでしょうか?
一時期、私も片足を突っ込んでいたことがあり、
まあ、知らぬ世界でもないわけです。
カール・ラガーフェルドが、この映画で
言っている通り、理不尽な世界のはずです。
もともとね。
この業界は理不尽で、ひどいものだ。しかし、平等や平穏な人生を欲しいなら、年金事務所の受付をやるべきだ
私、ごもっともだと思いますよ。
誰かを感動させ続ける世界の住人は、
道徳だとか、倫理だとか、
そういう小さなことに、
こだわっているべきじゃないのです。
それを教えてくれるのが、
今回取り上げる、ボブ・フォッシーの自伝的映画、
オール・ザット・ジャスです。
オール・ザット・ジャズ(ミュージック・エディション) [DVD]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2016/01/20
- メディア: DVD
- この商品を含むブログ (3件) を見る
モノホンの世界が描かれています。
朝起きて、ビバルディーを鳴らしながら、
覚せい剤を食べ、ビタミン剤をぶち込み、
鏡を見ながら男は言うのです。
It's show time ! FOX !
ここでも仕掛けはあります。
もちろん配給は、20世紀FOXなわけです。
映画は、主人公ジョー・ギデオンの、
現実と記憶と幻想が入り混じりながら、
進んでいきます。
ギデオンを演じるのは、ロイ・シャイダー。
渋い役者で、ジョーズが有名です。
もう少し渋いのをお好み出れば、
こっちでしょうかね。
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2009/05/02
- メディア: DVD
- 購入: 6人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
割と脇役キャラだったのですけど、
ギデオンを演じているシャイダーは、
芸達者で、最高にイカシてます。
まあ、その主人公ギデオンが、
見事なクズなんです。
そこが、実に素晴らしい!
冷静に考えてみるとですが、
感動とは、非日常の体験なわけです。
一方、倫理だとか道徳だとかは、
とても日常的なのです。
ショーを生業とするプロが、
一般的な日常の範疇に、
住んでるわけないじゃないですか?
ブルック・シールズだって、
我が国のプリンスが、
わざわざ会いに行ったのですからね。
ジョディ・フォスターだって、
タクシードライバー コレクターズ・エディション [SPE BEST] [DVD]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2014/12/19
- メディア: DVD
- この商品を含むブログ (2件) を見る
どう考えても大人のエゴで、
ロリータデビューをしているわけです。
そして、それに負けずにスターになりました。
最近では、ナタリー・ポートマンがそうでしょう・
生半可な神経では、つぶれてしまうと思います。
彼女らは、そこを生き残った戦士でもあるわけです。
映画史に残る名作に出演したばかりに、
人生の狂ってしまった女優さんをあげるあならば、
たくさんいるでしょうけど、代表としてこの二人。
ラストタンゴ・イン・パリ オリジナル無修正版 [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2017/12/20
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログを見る
このマリア・シュナイダー。
アナル・セックスのミューズとして、
世界的に有名になった代償は、
大きかったようです。
マリアを騙して撮影したらしい、
監督のベルナルド・ベルトリッチの
コメントも、なかなかのゲスっぷりです。
騙してマリアのアナルに、
バターを使ってマーロンブランドに
突っ込ませたことについて、
罪悪感はあるが、後悔はない。
と言っております。
主演が、予定通り
ドミニク・サンダであれば、
ただの勲章だったでしょうけどね。
彼女の壊れっぷりは相当ですからね。
ここらあたりの普通じゃない感覚。
そこが運命の分かれ目なのでしょう。
マリアは、芸能一家に育ったのに、
何も知らなかったか、
知っていたつもりだったのでしょう。
もう一人は、「ラマン(愛人)」で
一躍世に出た、ジェーン・マーチ。
御多分に漏れず、
大変な人生のようですね。
まあ、ひどいもんです。
ついでに加えておくと、
もちろんエマニエル夫人の
シルビア・クリステルも
同じパターンです。
耳目を集めることを生業とし、
美を切り売りするのが、
ショービズというものです。
その中では、自分の人生や幸せも
量り売りする世界です。
大人はね、そこをわかっててあげなきゃね。
安易に、進んでいい職業じゃないですよ。
根っからの返り血を好む戦士で、
極めてゲスな根性を持ってないとね。
などということを、
天才ボブ・フォッシーが、それ自体を
「エンターテイメント」として作ったのが、
オール・ザット・ジャズ、ってことです。
知っておいた方がいいですよ。
ブロードウェイの王者だった人です。
ミュージカルの「シカゴ」や、
映画「キャバレー」の生みの親です。
頭の中には、セックスしかない人です。
そこが、これまた実にカッコいいわけです。
そういう生き方も否定はしませんし、
美しいものです。
でもね、美しい世界が、
倫理的道徳的常識的だと思っているなら、
あなたは大人、ではないわけです。
ただの歳をとった、
ボンクラなのです。
と、ボブ・フォッシーは言ってますね!
もちろん、私の意訳です。
どうです?
観たくなりました?
オススメです。
(泥の中にしか咲かない華があります。人間とはそういうもの。複雑にクリック!!)