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「国」はいつからあるの? その4

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そろそろちゃんと書きますよ。

その1 その2 その3

 

で書きました李白杜甫の世界では、

「国」というのは、役人である自分の所属先のことです。

 

だいたいね、唐の時代の人ですよ。

大安定時代です。

少なくとも彼らのいた時代に唐は滅んでいません。

少なくとも、大戦乱時代ではないんです。

 

では、杜甫が書いた「国破れて山河在り」はなんなのでしょう?

戦争に敗けたってことじゃなく、内乱で荒れたって感じでしょうね。

 

そのはるか昔の、大変もめていた時代でも、

楚の国出身で、魏の国に仕えるなんて当たり前です。

ですので、国民という感覚なんてあるわきゃないんです。

民は租税される人のことでしかありません。

一方、私たちが生まれた時には、私たちは「国民」であり、

すでに国境がある「国家」だったわけです。

 

ですので、国家がそのまま「国」という感覚が身についています。

しかしですね、この「国家」というものは、ここ最近の考え方なんですよ。

 

では「国家」とはなんでしょう。

今回は真面目に行きますよ。

 

例によって参考文献です。

 

傭兵の二千年史 (講談社現代新書)

傭兵の二千年史 (講談社現代新書)

 

菊池先生はもっと評価されていいと思いますけどね。

なんだかマイナーなポジションですが、問題は中身です。

この本の冒頭にある文章から、いろいろ打ちのめされます。

 

歴史家のベネディクト・アンダーソンからの引用です。

想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (ネットワークの社会科学シリーズ)

想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (ネットワークの社会科学シリーズ)

 

今世紀の大戦の異常さは、人々が比類のない規模で殺し合ったということよりも、途方もない数の人々が自らの命を投げ出そうとしたことにある。

 

ここでの「今世紀」とは、20世紀のことです。

これはなかなかすごいことなわけです。

それまでは「祖国」が、これほどまでに広大な規模をもっていないことが、

普通だったからこそ、アンダーソンは疑問を持ち、

それを「想像の共同体」として実態のないもの、ととらえたわけです。

 

菊池はそれに対して、

どのようにそれが出来上がっていったのかを、

この本で考察しているわけです。

 

つい、19世紀の初め当たりまで、

どうも巨大なナショナリズムは、

存在していないようなのですね。

では、兵は何のために闘ったのかとなると、

具体的に知っている人々や、

地域愛郷主義あたりまでなわけです。

割と想像しやすいですものね。

 

しかし、戦闘が国民によって行われ始めたのは、

歴史的にはかなり最近のことです。

基礎はオランダがつくり、具体化したのはスェーデン。

時の国王グスタフ・アドルフが完全な徴兵制度を作ります。

これは1620年のことです。

逆に言うと、この対象となる人々が人類史上初の「国民」となるわけです。

 

じゃあ、それまでだれが戦争してたのか、となります。

これね、世界的に見ても、多くは「傭兵」なんですね。

それくらい、傭兵は長く戦闘の歴史に存在します。

これは、洋の東西を問いません。

 

戦争を傭兵に任せている時点で、「国家」というものは存在しません。

 

そして、傭兵の歴史をさかのぼってゆくと、もともと誰が戦争をしていたか?

という根源的な問いに突き当たります。

私の想像では、これは日本でも同じことが起きています。

 

ちょっと覚悟してください。

コペルニクス的転回ですからね。

 

戦争に行くのは義務ではなく、戦争に行ける既得権を持つ人の独占権だったのです!

 

単純に言うと、貴族ですね。

日本でいうと、武士がこれにあたるでしょうか。

その前はもろに貴族です。お公家さんができる前ですね。

もちろん、奴隷を戦わせるとか、

戦争に敗けた地域の人間を連れてきて戦わせるとか、

農民を徴用するとかはあったでしょう。

でもね、戦争に行くと「褒美」が発生するわけです。

具体的には土地の権利とか、交易の権利とか、いろいろですね。

それを下々にやるわきゃないんです。

 

ですので、その分かりやすい例として言えるのは、

新しい土地をもらえるから、戦争に行くのは権利だった!

ということですね。

 

どうです?

驚きませんか?

私は驚きました。

 

そして歴史はすぐに変遷します。

 

でも死ぬのは嫌だよね。

金で雇って代わりに行かせよう!

それくらいの銭はあるからね!

 

こういうのがすぐに登場します。

ローマ帝国も、実はかなり初期からゲルマンの傭兵だらけなんですね。

これがだいたい16世紀頃までの、世界中の戦争の主流です。

もちろん、日本も例外ではありません。

 

では、私たちの今の感覚の「国家の誕生」とは、いつの話になるのでしょう?

それは次回に。

 

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