大阪は堺の宿院という場所に
そのお店はある。
今は二代目がやっておられると思うのだが
長いことお邪魔していない。
一口目で好みの分かれる、
そんなラーメンと言うか、なんというか。
そういうお店であるなあ。
若気の至りであったよ。
相手の素性も知らず、
まだ若いワタイは
「おい、オッサン!」と声をかけたザンスな。
振り返ったオッサンは、
唇の横に傷跡が大きく残っていたザンス。
いわゆる、スカーフェイス。
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睨み返す目つきは鋭く、
腕は丸太のよう。
オッサンは、こじんまりとした
中華料理のような店をやっていたざんす。
近所に住んでいたワタイは
遊びにきた友人と晩飯を食べようと
たまたま入ったザンスが、シカトされて
つい「おい、オッサン!」と
声をかけたザンスな。
まあ、失礼な話ザンスよ。
で、返事が。
「俺のとこは、店じまいだよ、バーカ」
といきなり言われたザンス。
まだ6時位だったように思うザンス。
勝新太郎の顔を
プロレスラーの身体にのっけたような、
もの凄く怖いオッサンに
ビビるわけにもいかず
(何しろ若かったし)
こう言った。
「客が、飯喰ってやろうってんだよ。何か作ってくれよ」
「ほう、ガキの餌くらいなら作ってやるよ、バーカ」
「バーカは、腹が減ってるんダーヨ、オッサーーーーン」
「グワッハッッハッハ、気に入った!お前近所でバイク乗ってる学生だろ?勘弁してやるよ。ガハハッハ」
妙にホッとしたワタイ。
顔の引きつる友人。
何が幸になるかはわからないもので、
ワタイはオッサンと仲良くなったザンスね。
この店主、当時は
でかいバイクに乗っていて、
随分と可愛がってもらった。
最初はヤマハのV-MAX。
確か、その後がBMWのKで、
最後はドマーニのサイドカー
だったと記憶している。
かなり、キテイル人であったわけザンスね。
後に知ったのだが、
この御仁、K大学の応援団出身で、
ミナミではかなり有名な暴れん坊。
「青田赤道は、俺がモデルやでえ」
とも言っていた。
ところで、青田赤道をご存知?
そう、嗚呼花の応援団の、
あの青田である。
嘘か本当かは知らないが。
何年か前に、
久しぶりに訪ねたザンスな。
息子が跡を継ぎ、
オッサンはカウンターで
新聞を読んでいたザンス。
満員の店内。
「おお、久しぶりやな。こっち来い。テーブル空けさせるから」
「えっ?」
って、食事中の男性二人。
「おい、どけ」
きっと昔からの知り合いなんだろうなあ、
スッと無言でカウンターに移動されるお二人。
「相変わらず、ひどいことするね、オッサン」
「グハハハ、俺の店やからな、好きにするねん」
「他所でされたら怒るやろ?」
「グハハハ、当たり前やろ」
もうね、素敵過ぎやろ、オッサン。
そこへ、騒がしいガキを連れた家族連れ。
グルメ雑誌片手に入店。
「おい、そこ見てみい。ガキの食い物はないって、書いてあるやろ!」
嘘!えっ、マジ?
書いてあるよ、本当に。
「おい、クソガキ、まだバイク乗ってるか?」
「ヘヘンだ、のってますよ~だ」
「うん、そいつはいいことだ!」
ネットでたまたま見つけて、
懐かしかったザンスなあ。
また食べに行かせていただくザンス。
なんでもかんでも
子供向けにならなくて
いいと思うんざすよねえ。。
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