CHUFF!! チャフで行こうよ。

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あの胸にもういちど アラン・ドロンがそうカッコいいわけでもないという映画

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「あの胸にもういちど」という映画があります。

制作は1968年。アラン・ドロンの全盛期です。

 

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ところがねえ、このアラン・ドロン。。

アラン・ドロン大好きな私でさえ、

 

はあ?

 

って感じなんですね。

理由はいろいろあるんですけど、

とにもかくにも、

 

はあ?

 

ではあります。

 

 

映画が駄作ってわけじゃないですよ。

ルパン三世峰不二子のモデルとも言われている、

マリアンヌ・フェイスフルの美しさは、

そりゃ悶絶モノです。

 

だってこれですからね。

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当時、ミック・ジャガーとズブズブで、

そこから抜け出すために、この映画に出たと、

ドキュメント映画で語っていました。

 

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しかもね、彼女は、あのハプスブルグ家直系なわけです。

もうね、そんじょそこらのメンヘラと、

血筋が違うメンヘラです。

 

いやあ、美しい。

 

でも、今回の話はそこじゃないんです!

 

アラン・ドロンの欠点として、

美しすぎて卑しさが出るってのがあります。

これ、私だけじゃないみたいで、

多くの人が書いておられますね。

例えば、この方とか熱いですね。

 

映画と暮らす、日々に暮らす。:アラン・ドロン - livedoor Blog(ブログ)

 

そのアラン・ドロンをしても、

原作の持つ変態度は表現できてないんですわ!

その原作がこちら。

 

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変態が「異常」に見えるようでは、

それはただの異常なんですね。

しかし、このアラン・ドロンが演じた、

ダニエルという男は、知的で上品で、

もうとんでもなく変態なわけです。

原作ではですね、見栄えも良くない。

禿げた冴えない男です。

しかし、強烈に誘惑的です。

 

この感じ、変態好きな方には、

ぜひ読んでいただきたいものです。

 

許嫁がいる古本屋の娘を、

赤いタンクのモトグッツィで連れ出し、

有無を言わせず雪の中で交わり、

 

「本当に天使を騙したりできると思うのかい?」

 

などと言いながら、

少女を欲情させる変態。

 

うーん、これはアラン・ドロンには、

ちょっと荷が重いわけですねえ。

しかも、その娘の結婚祝いに、

クソでかい真っ黒のハーレーを贈り、

裸の体をレザーに包ませ、

自分に会いに来ることを要求し、

その排気音をテラスで

紅茶を飲みながら待つという変態ぶり!

 

この娘、主人公なわけですが、

レベッカという名です。

もうね、実にエロエロな娘です。

しかもそれを、絶妙に隠してるわけです。

またそこがエロい。

屁理屈言ったり、強がったり。

いちいちエロイ。

 

ダニエルのオートバイに乗る時、

「赤が私にとって、縁起のいい色なのよ」

とか、意味深なことを

言いまくってるわけですねえ。

もう、いろいろ暗示的ィ!

 

こういう変態は、

やはりヨーロッパに敵いません。

どうも日本の変態は、

変態的行為に注視しがちです。

まあ、変態的行為は案外簡単なもので、

修行や訓練を必要としません。

思いついてやるだけですので、

時間がかからないんですね。

 

それに比べ、あちらの変態は。。 

 

アラン・ドロンの場合、

その存在は変態ですが、

あえて変態をすると、

凡庸になるという、

そういう悲しさがございますね。

 

ついでに申しておきますと、

いわゆるNTRな旦那、

この場合レベッカの夫レーモンですが、

実はこいつも、

かなり変態なんだと思うんですね。

だって、おかしいでしょう?

嫁が時々素っ裸でレザーを着て、

早朝から出かけるんです。

しかも、結構な頻度で。

 

アレは、気づいてますね。

そして、きっと息を荒くして想像してるはずです!

 

どうです?この変態ぶり!

 

物語は、ダニエルの家に向かう

レベッカの行程を美しく描いていきます。

 

そのとき、朝のまどろみの中で、

シーツに埋もれながらバラを見て、

レベッカを思う禿のモテ男。

 

これは、アラン・ドロンには無理だろうねえ。。

 

アラン・ドロン映画は、

ほぼ半分は駄作だと思いますけど、

駄作でも、すべてカッコいいわけです。

しかし、この映画だけは。。

 

人間、変態するにも

血筋と教養は

案外大事というお話でした。

 

(見ごたえはありますよ。これに対抗できるのは、日本では川端か谷崎か?でクリック!)

 

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