焚き火の男も、ついにマン島にいるのだけど、
こちらはロンドンのお話。
と言っても、これまたちょっと古いので、今はどうでしょうねえ。
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日本に腰を落ち着けてからも、何度かロンドンに行ったことがある。
理由は、まあ大体みんなの思うところと同じ。
当然仕事であるはずがない。
若い男が夢中になるものは、万国共通。
かの地にはコベント・ガーデンという面白い場所がある。
大道芸やダンス、歌、いろんなことをやっている。
しかもレベルが相当高い。
歴史ある、ただのモールと言ってしまえばそれまでだが。
ブーツで有名なドクター・マーチンの本店もここにあるし、
「マイ・フェアレディー」でヘップバーン演じた、
イライザが花売りしてたのもここ。
ある時のこと。散歩していて、そこへ遊びに行こうとなって、
丁度やって来たバスに飛び乗った(そう、映画のように!一度やってみたかった)。
だが、彼女は間に合わず乗りそびれた。
一瞬、次のバス停で降りて、待っていようかなとも思ったが、
どうせ行先は同じ。
向こうで待ってりゃいいさと、
車掌に「コベント・ガーデンに着いたら教えてくれ」
と言って街並みを呑気に眺めてみた。
20分程で到着し、しばらくバス停前で煙草を吸って時間を潰す。
バスは来ない。だんだん飽きてくる。
目の前にドトールみたいなコーヒーショップ。
コーヒーを頼んだが、小銭がなかった。
店員に思いっきり嫌み言われながらも(100ポンド札なんかはまず信用されない)、
I hate the heavy purse!
などとやり返す。
しかし不味いコーヒー、うざい店員に嫌になる。
んで再び路上に。
煙草を吸いながら壁にもたれていたら、そいつが来た。
Show me the way a good Chinese restaurant please ?
なんで俺がコベントガーデンで中華料理屋知ってるわけ?と思いながらも、
田舎からの観光みたいだったので、腹減ってんだろうなあと思い、
Sorry , I am a tourist .
と答えると、思いっきり嫌な顔される。
何故?
数分後、次のやつ。
Let me take to tha good Chinese restaurant!
と命令口調のオッサン。
はっきり言ってムカツク。
なんで俺が中華料理屋知ってんだよ!
Do I look like a fuckin Chinese !?
オッサンは怒るでもなく、意外そうな顔をする。
何故?
更に数分後、次の奴。バリバリのイギリス紳士風のオッサン。
Mr, how much for an hour ? Till next business ,
I must idle my time for one hour. Could you help me ?
言ってる英語は、もちろん分かる。
んでも、なんの値段なんだ?
これはホモナンパか?更にムカツク!
ゆっくりと煙草に火を付けて、一言。
Hey Mr. John Bull , you back off !
紳士はあれっと言う感じでポカンとしている。
何故?
遂にバスがやって来る。彼女が降りてくる。そして俺を見つけると大笑いする。
何故?
説明を求めると、どうにも俺の服装と立ち位置が絶妙だったらしい。
何故?
季節は冬で、俺は革のパンツをはいて革のショートコートを着て襟を立てていた。
髪は長めで耳ピアス。
だから、何?
もたれていたのは壁ではなくて、高級ホテルの外壁だった。
リッツだったかな?覚えてない。
だから?
そう言えば、20メーター程離れたところに同様な雰囲気のアジア人。
その向こうにも同類。
これは何?
さらに俺睨まれてますけど。
ロンドンに行ったら気をつけよう。
ホテルの壁にもたれて、
煙草なんて吸って革なんか着てるロン毛東洋人は
間違いなくぽん引きです。
もしくは、そう扱われます。
最近は、東欧系だと思いますけど。
(眉毛はピカデリーサーカスにくれてやった。このネタ分かる人マーシーのためにまずクリック!)
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