「J物語」 こんな奴いたよな?
今週のお題「読書の秋」
またこんなマンガについて
書くのもどうかと思うんですけどね。
ちょっと恥ずかしい感じは否めません。
しかしですねえ、これ名作ですよ。
昭和の終わり、しかしまだバブルではない。
その頃の、何とも言えない空気を、
見事に切り取ってます。
もちろん、マンガですからね。
こういう設定は無理があるんです。
でもね、あの頃、確かにいたんですよ。
こういうぶっ壊れた奴が。
物語は、「J」と呼ばれる
壊れた主人公と、
「ヒロシ」と呼ばれる、
とことんぶっ壊れた少年を中心に進みます。
この作品の連載当時、
すでに「あいつとララバイ」で、
一発当てていた楠みちはるは、
今一つノリ切れず、
2巻で終わってしまったようです。
しかし、逆にそれが、
全体にスピード感を与え、
不良のリアルさを、
表現する形になったように思います。
憎みあってるのか、
魅かれ合ってるのかさえ分からない二人。
暴力と、嫉妬と、やりきれなさと、興奮が、
激しく渦を巻いています。
「名前なんて知らない。ただ、みんながあいつをJって呼んでいたんだ」
ああ、なんとカッコいいコピーでしょう。
実際の私の経験では、
もちろん「J」なんてタイプはいませんでした。
ただねえ、「ヒロシ」は結構いましたよ。
なんというか、関わり合いたくない、
不気味な奴。
根っからどこかが壊れている、
ヒールとも呼べない奴。
物語の最後で、
ヒロシは憑き物が落ちたのか、
自然な感じになってます。
行きつく先は、まあ妥当な線です。
でも「J」は行方知れずです。
こういう存在は、
スナフキンも近いかもしれませんね。
最近でこそこういうキャラですが、
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もともとは、謎の人物です。
ムーミン村にも入らない、
訳ありなわけです。
凶状持ちの可能性もあるように感じます。
原作の設定は、さらにすごい。
こちらのスナフキンの説明をお読みください。
ここに書いたら、大問題になりそうです。
けっこうな、ハードボイルド世界の住人です。
調べてみると、
同じように感じている人は多いようで、
こんな画像も拾えます。
こういう存在は、
なにかしら人間の奥深いところに
訴える魅力があります。
現代では一種の神話
と呼んでもいいのかもしれませんね。
まさに、網野の言うところの
「異形なるもの」なわけです。
話がそれたのですが、
「J物語」の主人公の「J」も、
名前があっても、だれも知らないという、
伝説的存在です。
それに対して、
とんでもなくリアルな「ヒロシ」。
まるで、人間と神との
対決のようでもあります。
時に傑作は時代の間に生まれ、
埋もれてゆくものなのかもしれません。
しかし、それはあまりにも惜しい。
「もう誰も覚えちゃいない」
このセリフを残し、
タランティーノが映像化したら、
すごい作品になるんじゃないでしょうか。
機会があればぜひ読んでみてください。
(それが問題ではなく、それに巣くう奴らの問題なのだ!それならクリックだ!)
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