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くらもちふさこ再考 あれは『糸のきらめき』

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少女漫画というものがあるとして

その絶頂期に、漫画家として絶頂期だった

くらもちふさこ

 

もちろん、ワタイはマーシのファンなのだ。

ピカデリーを一日中抱いていたこともあるのだ!

なに言ってるかわかんない?

これですよ、これ。

とうがらし!

 

chuff.hatenablog.com

 

でね、それよりむかしに

強烈な漫画を出していたのです。

それが、「糸のきらめき」。

 

今やキンドルで読めるようなので

一度この時代の少女漫画に触れてもらいたいですな!

 

 

 

 主人公の「彩子」は、音楽家だった父と金髪の母の間に生まれたハーフ。

最近じゃ、ポリコレで「ミックス」とか言うんでしたっけ?

あのね、ミックスって「雑種」という意味ですからね。

やですねえ、ロマンがない。

 

このマンガの舞台は1970年代。

わかります?

日本中がハーフに憧れ、同時に蔑んでいたころです。

もちろん父親は夭折しており、

パツキンの母は着物を着こなしておるのです。

 

幼い彼女は、ショパン即興曲66番を弾くのですが

財閥のお嬢に負けるのです。

それを、母親の髪の色のせいだと思って

道路に走り出たところに車が。。

娘をかばうべく母親が彩子を突き飛ばし、

自分は事故死。

彩子はケガをしてピアノを弾けなくなる。

 

 

たまんねえな!

この設定!

 

 

ここで、美というモノを多少論じておきましょう。

美なんて言うものは、腹の足しにはならんわけです。

よって、美に溺れる、もしくは美を創造することは

憧れであり、蔑む行為なわけです。

この矛盾が、「美」というものの源泉なわけどすな。

 

 

 これけっこう昔からそうですわ。

そもそもザンスけど、善と悪が人間の中で分離したのは

歴史的には割と新しいことザンスな。

で、善が美か、と問われるとそうでもないわけザンスな。

 

人は美を欲するくせに

美を蔑んでおるのでありますな。

こういうのは、清少納言にもみられるわけで

まあ世界中で普遍的なこと、と思ってよいでしょうなあ。

これなんか読んでくださいな。

ただの変態と呼んでもいい、着眼点。。

清少納言は、そうとうなもんでっせ。。

 

blog.goo.ne.jp

 

で、話を戻します。

 

でまあ、いろいろあって彩子は歌手になるんですが

極めつけのメンヘラ故逃げ出すんですね。

どこへ?

 

ニューヨークへ!

 

 

なんというか、このころのニューヨークってのは

日本人からすると、火星くらい遠い。

でも、当時の少女漫画にはよく出てくるわけです。

もちろん、パリもロンドンも。

今のコロナにやられまくってる土地ちゃいまっせ!

もう、そらほぼ夢の土地ですわ。

 

まあ、そういう時代なわけです。

 

で、またいろいろあって。

彩子は歌手として再ブレイクするんですな。

 

でその描写がなんというか

ベッド・ミドラーというか。。

 

The Rose: The Original Soundtrack Recording

The Rose: The Original Soundtrack Recording

  • アーティスト:BETTE MIDLER
  • 発売日: 1995/09/18
  • メディア: CD
 

 

ワタイの感覚としては、

こういう曲が流れてくるわけです。

 

www.youtube.com

 

ワタイの記憶では、ローズより

『糸のきらめき』の方が古いので、オマージュやないかと。。

ありえまっせ!

あいつら、けっこう日本の漫画読んで

研究しておったようですしな。

 

でね、漫画からこんな音楽が

聞こえてきそうな感じを受けるんですな。 

 

すごい、すごいぞ!

くらもちふさこ

 

80年代に入り、くらもちふさこは失速したと思うんですね。

これは仕方ないのです。

誰にでも、何にでも旬はあるものです。

けっこう、その後大変だったようです。

でも最近もまた描いておるようですな。。

 

くらもち花伝 メガネさんのひとりごと

くらもち花伝 メガネさんのひとりごと

 

 

ここで考えてみるに、あの当時の少女漫画は

少年漫画とどこが違ったのかであります。

 

思うに、少年漫画は屈折した

プロレタリアアートだと思うのですな。

カタルシスと、暴力的な優越性。

そして一種の復讐が常にテーマ。

そして最後は昇華。

これなんか、けっこういい線いってましたけど

最後がなんというか、ヤンキー的にまともなことに。

 

 

村上もとか、は善戦してたと思います。

しかし、最後は大衆に媚びる終わり方でしたなあ。

ん?ご存じない?

ボンベイブラッドのF1レーサーが、腹違いの妹と

ぐちゃぐちゃな関係になりつつ、レースを転戦する名作。

 

「お前は俺の動く血液銀行だ!」

 

という、愛の告白。

ご存じない?

 

ああ、哀れどすなあ。。

読みなはれ!

 

でも、あれは昇華やないですな。

大団円。

あきまへんな、読者が納得できるようじゃ弱い。

打ちのめされるような最後でないとあきまへんな。

 

そういうのが、この時代の少女漫画にはあったわけです。

 

その中で、もともと豊かな家に育たないと

世界が狭いんですな。

 

そうそう、これとかもええでっせ。

 

 

少年漫画の世界は、どこか日常をデフォルメした世界。

少女漫画は、そもそも設定についてゆく修行が楽しい世界。

多分、初期のモンキーパンチや望月三起也とかには

それあったわけザンスけどね。

どっかで途切れましたな。。

 

社会が実際に狭くなって、

世界を放浪していても孤独になれない現代。

旅をするのもアフィリエイトのネタ作りの感。

そういう時代には想像できへん思うんですけど、

今の火星よりもはるかに遠くへ連れて行ってくれたわけです。

 

それを作るのは、資本ですわ。

これは間違いない。

結局のところ、人間の生きている時間は短いのですな。

その間に、個人の努力で到達できる世界はあまりに狭い。

資本というものが、金銭のことを指すと思うのも間違いですな。

モノの見方を教えてもらえるかどうか、ここが大きいですな。

 

要は、生まれと育ちってことだろ?

 

と思った人は、まだプロレタリアの論理に縛られておるのです。

そんなものは捨てちまえ!ザンス!

学びというのは、実にコストと関係ないところで

世界を彩るのザンス。

 

この自粛の世界でも

久しぶりにくらもちふさこを読んで

なんだか、最高な気分になったわけですし!

 

あえて言おう。

 

いいぞ、くらもちふさこ

 

(あれ、モデルは、若いころのジュリーだよね。。クリックしてみなよ!)