CHUFF!! チャフで行こうよ。

もう、何でもありです。ヒマつぶしにどうぞ。

CHUFF!!ってのは、「おっ、なんかいいよね!」って意味です。チャフっていきましょうよ!

粋と書いて「すい」と読む

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まあ、なんと今年の4月に似合う柄でしょう。

こちら、ワタイの持っている岡重さんの羽裏。

岡重さんってのは、まあ気のきいた羽裏出すんですわ。

 

羽裏―日本の粋と伊達 岡重コレクション

羽裏―日本の粋と伊達 岡重コレクション

 

 

興味のある人は、覗いてみたらどないどす?

結構、キテるのありまっせ。

戦争中にこんなんとか。

 

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では今回、粋と書いて「すい」と読む、

そういう関西の美意識と、後の関東の「いき」について

やっていこうっじゃありませんかー!

 

 

じゃあ、まず関東の「いき」から行きましょうか。

もともと、「いき」ってのは「粋」とは書かないんでガスな。

あれは「意気」と書くわけザンスよー。

ここでの参考文献は、超有名なこちら。

 

「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)

「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)

  • 作者:九鬼 周造
  • 発売日: 1979/09/17
  • メディア: 文庫
 

 

結構真面目な本ザンスけど、こりゃ金字塔だね!

よっ、九鬼先生いいもの書いたねコンチクショー!

すごく簡単にいうとだけどもー!

関東の「いき」ってのは「意気地」のこと。

つまり気っ風のことザンスな!

そういう精神性のことってんだから、

九鬼先生はエスプリと近いんじゃねーかって

イカラなこと言ってんでガスなー!

1930年頃にこのセンス。

ワタイは脱帽しちまうよー。

今で言うなら、クール!これに尽きるザンスよー!

 

もとは、江戸時代の明日なきブルーカラー

心意気の美学ザンスなー。

 

明日なき暴走(REMASTER)

明日なき暴走(REMASTER)

 

 

同時期に「いなせ」も登場するザンスけど

どっちかというと「いなせ(鯔背)」は男性向きザンスよ。

ここポイントザンスね!

なぜかって言うと、語源が鯔背銀杏という男性の髪型だからザンスなー!

これが鯔背銀杏ザンスねー。

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意気地があって、男気あって、ちょい不良

女性にモテる。

なかなかハードル高おますえ!

 

で、この「いき」が遊郭とかの遊びの中で

純粋で二心ないって矛盾をはらんで

「粋(いき)」になってゆくわけでガスな。

プラトニックなクールさ!

これザンスなー。

そういやあ、クールをもっと知りたい人はこちらを!

 

chuff.hatenablog.com

 

  

で、この「粋」の語源は関西。

同じ字でも「すい」と読むザンスねー。

ワタイがが子供ころは、ちょっとキザなことやると

 

「なんとスイなことやるねえ」

 

って言葉がまだ生きておったザンスな。

てか、どこ消えたんザンスかね?

まあ、「すい」そのものが消えたのかもしれんザンスな。

 

で、この「すい」について語るザンスよ。

 

先述の九鬼先生によると、大差ないとなっとるザンスけど

これねえ、九鬼先生が東京のお人だからとちゃいますかなー。

リアル「すい」世界で成長したワタイに言わせると

 

「すい」は具象性。

「いき」は精神性。

 

 つまり、「すい」は気持ちだけじゃ駄目ってことなんすな。

「すい」も「つう」も、形がまずある。

その形の突っ張りきった世界。

極めた世界に至った人だけが入れる世界。

具象が先で精神が後。これが「すい」。

精神が先で具象はついてくる。これが「いき」。

 

まあ、「すい」は本来のダンディズムに近い気がするザンスな。

本来の、実にアナーキーなダンディズムについては

こちらをお読み頂いて、腰抜かせちゃってよねー!

 

chuff.hatenablog.com

 

一方、遊びの中でなんとも洒落たものを!

って場合は「通(つう)」ってのがたされるわけですなー!

勉強になるザンスよね!

だから、遊び以外で「つう」は無しってことザンスなー!

まあ、これもお金あってこその「つう」。

遊びで具象と言えば、カネがかかるのは必定。

容赦ないわけザンスなー!

 

では「すい」に戻すザンスよー。

遊びでもなんでも、振り切れてないとだめザンスのね。

でも、風変わりになりすぎちゃうと「野暮」になるわけで。

そのギリギリをコンサーバティブに攻めるのが「すい」。

んで、個人的には羽裏がもろにそれじゃないかと

前々から思っておるザンスのよ。

 

ここでふと思うザンスが、羽裏ってお分かりになるザンス?

羽織の裏につける裏地のことザンスな。

こうなっております。

 

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アホじゃねーかw!

 

そうですよ、それがなにか?

ここに「すい」があるのザンスよー!

これがたまたまの訳がないザンスけど、

ああ、そう言えばそうザンスねーwって感じ?

 

男性の着物を関西では、割とゆったり着るのザンスね。

それに対して江戸前は、キツめに着る。

丈も短いのが多いザンスよね。

それはそれでかっこいいザンスけど、

上方はひねりがはいるのザンス!

 

ふかしを少しいれた上で、

なびかせるように優雅に歩く。

これも形。

粋でなければ野暮なわけザンスから

なかなか厳しい修羅の道。

 

で、座敷などで羽織が暑いと脱ぐわけザンス。

するとこんな格好に畳の上に転がるわけザンス。

 

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これをあえてたたまない。

ギョッとしても、ひるまない。

 

これねえ、西洋でナプキンを

クシャクシャにして置く習慣と同じで

すぐにはできないものザンスのよ。

 

当然形が大事!



でもそんなこと、おくびにも出さない。

帰るときも、さっと引っ掛けて気にしてない風。

それを完璧に装う感じが「すい」。

 

ああ、なんとややこしい!

 

多分ねえ、哲学畑の九鬼先生は

よくわからなかったんちゃいますかなー。

京都大学で教鞭撮られておったわけですが

どっちかというと、京都より大阪にあった文化な気がしますなー。

 

で、江戸の「いき」ですけども。

アレは精神性を指す訳ザンスので、女性にも使えるザンスな。

でも「すい」に関して言うならば、

完全に男性しか使ってはいけない感じザンスよ。

 

岡重さんの羽裏にしてもうザンスけど、

女性用のはハッチャケておらんザンスよね。

それやると、嫌味というか場違いというか。

例えばこういうの。

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ここまで尖ったこり方は、やはり男性用ザンスな。

女性用のは、もっと繊細なセンスが必要。

例えば、こういうの。

 

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こういうのをさり気なく女性が着るとよいわねえ。。

その場合を形容する褒め言葉は、ワタイは知らんザンスな。

でもこういうセリフ言われたら、最上級の褒め言葉ですな。

 

「あのお人、ようわかってはる」

 

 

よって、「いき」は若い人でもありうる。

女性でも可能ではある理由ザンスな。

 

「すい」は時間がかかる。しかも男性限定。

上方の「すい」が江戸に流れて「いき」になったのだとしたら

それは庶民によるデモクラシーの美意識で、

悪い言い方だとロスカットのヤンキー文化の芽生え?

「すい」は時間がかかる修行の世界の見栄っ張り?

 

まあ、いずれにしても我慢と諦めと向上心の世界。

 

まあ、どちらも生き様ってことには

変わりないかもしれまへんけどな。

 

(「すいなことしてくれるなあ、おい」ってのは嫌味か褒め言葉か?謎でクリック!)