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浦島太郎正伝 青さん一気に5千字です!

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みんさんね、なんでもわかってるつもりでしょ?

一億総評論家と言われる時代です。

 

でもね、誰でも知っている浦島太郎さえ

実はダイジェストでしか、知らなかったりするもんです。

 

しかし、青さんは違います。

正当であろう文献を、正当に訳すんです。

 

なぜならそれが「正しい」からです。

さあ、浦島太郎の正確な伝承を

読んでみませんか?

 

前後編で一万字ですけど!

 

ではさっそく!

 

 

==========

 

どうも。

大分析、青です。

予想以上に「浦島太郎」は難題であります。

まず、これだ、

と言う軸の話が

複数あることもそうであります。

 

結末だけ考えても大別して三、

なんと、始まりも二種あるのであります。

行き先も若干異なりますし、

これはもう、実に不思議な物語であります。

 

さぁ、どれを弄んでやろうかと

食指を動かしておりましたが、

ようやくベースとすべき物語を決定いたしました。

 

浦島太郎

http://www2s.biglobe.ne.jp/~Taiju/urashima.htm

 

この浦島太郎を

基本とすることにいたします。

さぁ、ページを飛んで

一目見て帰ってきた方、ご苦労様です。

 

旺文社古語辞典 第10版 増補版

旺文社古語辞典 第10版 増補版

 

 

 


学生時代を思い出させる、

ガッチリ古文と旧字体のオンパレード。

耐性がない方は、

既に睡魔に襲われている事でありましょう。

 

基本となるべき物語を紹介した、

というのは、この日本語のようなものが

羅列してあるページを

紹介しただけでは達成できていないことは重々承知。

 

学生時代は国語能力だけで

平均点を押し上げていた私が、

超現代語風意訳を以って、

現代日本語に書き下してみて、

準備代わりとさせていただこうと思います。

 

以下本文

 

むかしむかし、丹後の国(舞鶴あたり)に

浦島さんが住んでおったのでありますが、

その家庭には二十四歳になる「太郎」

と言う息子が居たのであります。

毎日漁に出て両親を養っていたのでありますが、

ある日釣りをするために出かけていきました。

入り江や小島などで釣りをしたり、

貝掘りをしたり、海草をとったりして

いたのでありますが、「えじま磯」

と言う場所で亀を一匹釣り上げました。

浦島太郎は亀に対して、

 

「お前は生物の中でも、鶴は千年亀は万年と言うくらい長生きするものだ。すぐにこの場で〆るのも可哀想だから助けてやる。この恩を絶対に忘れるなよ」

 

と言って、この亀を海へ

返してやったのであります。

そうこうしているうちに日は傾き、

その日は帰宅した浦島でありますが、

また翌日釣りをするため浜へ行きました。

沖を見ていると、小さな船が一艘

浮かんでいるのが見えました。

いぶかしんで、警戒しつつその船をみると、

デラベッピンなナオンが一人で

波に揺られておりまして、

だんだん太郎が居るところへ近づいてきました。

 

 

 

Mocha―武田久美子写真集

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浦島太郎が

 

「彼方は一体何者ですか。こんな危ない海に、一人で海に漂うなんて」

 

と尋ねますと、ナオンは

 

「船旅をしておりましたのですが、激しい波のためたくさんの人が海に投げ出されたのですが、心ある人が

私を小船に乗せて助けてくれたのです。私は申し訳ないやら悲しいやら、こうなっては鬼の住処へ行って慰

み者になろうと自棄を起こしたのですが、どこにあるのか解らないで居たところ、あなたにお会いしたので

す。前世の縁があるのかもしれません」

 

といってさめざめと泣いております。

浦島太郎も岩木ならざる人の子、

可哀想に思って綱を取り、引き寄せました。

 

ナオンは

 

「私を哀れと思召すのならば、故郷まで送っていただけませんでしょうか。ここで彼方に見捨てられたら、

私はどうしようもありません。見捨てられたら、海で漂っているのと同じです」

 

と縋って泣いていますので、

浦島太郎も可哀想だと思い、

船に同乗して沖へ漕ぎ出していきます。

 

ナオンのナビゲート通りに

船を操って十日ほど経ったとき、

ようやく陸地にたどり着きました。

 

上陸して、どのようなところだろうと

思って見てみると、黄金、銀で作られた

まばゆい建築物の数々。

このナオンの住居は、

言葉で表すことは不可能であり、

むりくり表現したら

出来なくはないかもしれないが、

非常に陳腐になるだろうと思われました。

 

ナオンは

 

「木陰に休むのも、川で水をくむのも、木や川との因縁があってのことであります。まして、この距離を送

っていただいたのはひとえに前世の縁です。ノープロブレムですから、是非私と夫婦になってここで暮らし

ていただけませんか」

 

と、切々と言って来る。

浦島太郎は

 

「万事仰せの通りにいたしましょう」

 

と返事をし、2人は夫婦となりました。

色々な比喩が出てきますが、

要するに仲睦まじく暮らしたと言う事であります。

 

しばらくして、ナオンが太郎を案内して

 

「ここは竜宮城という場所です。ここは四方の扉の向こうに四季の風景が見れる場所です。さぁ、中へお入

りください。ご覧に入れましょう」

 

と言いながら手を引いて入っていきます。

最初に東の扉を開けますと、

春の風景が広がっております。

梅や桜が咲き乱れ、

柳の枝が春風になびいており、

薄く漂う霞の中から

鴬の鳴き声が聞こえてまいりまして、

どの木々を見ても花満開でありました。

 

 

阿片常用者の告白 (岩波文庫)

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次に南の扉を開けてみますと、

夏の景色が広がっております。

「春」との境にある垣根には

卯の花が咲いており、

池には水鳥が涼しげに

遊んでおります。

木々の梢は繁り、

空へ抜けていく蝉の鳴き声や、

夕立の後の雲間から飛んでくる

ホトトギスの鳴き声は、

夏である事を知らせて回っている

ようでありました。

 

西の扉は秋のようでありました。

見る木々は紅葉し、

低い垣根に植えてある白菊や、

霧の立ち込める野原の、

露の滴る茂みを掻き分けて

現れる鹿の鳴き声を聞くと、

秋だと言う事が

しみじみとわかるのでありました。

 

最後に、北の扉を開けますと、

冬の景色が広がっておりました。

見渡してみると、木々は冬枯れておりまして、

枯葉を踏めばザクザクと霜を感じ、

山々や、白砂のような雪に

埋もれている谷から上がる炭焼き小屋の

細い煙に冬を感じるのであります。

 

このような、面白い事々に心を躍らせ、

贅沢な暮らしをしているうちに、

あっという間の三年が過ぎ去りました。

 

 

 

 

あるひ、浦島太郎がナオンにいいました。

 

「私に一月ほどお暇をいただけませんか。故郷の父母にことわることもなくこちらに参りまして、もう三年

になります。父母の事が気がかりなので、一目見て安心したいのです」

 

ナオンがそれに答えて

 

「三年間、何不自由なくお過ごしいただくために、心を砕いてまいりましたし、仲睦まじく暮らしてまいり

ましたのに、いま離れ離れになれば次はいつの世で逢えましょうか。前世、今世の二世の縁というものは、

例え今生で夢幻のようなものであったとしても、必ず来世では一心同体で生まれてきたいものですね」

 

と言って、さめざめと泣き出しました。続けて、

 

「事ここに至っては、何も隠しますまい。私はこの竜宮の亀でございます。以前えじまが磯で彼方に救って

いただいた亀なのです。その時のご恩に報いようと、夫婦の契りを交わしたのです。せめて、これを私の形

見と思ってくださいませ」

 

と言い、左の脇のほうから美しい箱を取り出し、

 

「決してこの箱を開けてはいけませんよ」

 

と言いながら渡しました。

出会えば別れるというのは

この世の法則でありますが、

気持ちを押しとどめる事ができないで

歌を詠みました。

 

それに浦島も歌を返しました。

さて、浦島太郎はお互いに

名残を惜しみつつも、頂いた箱を持って

故郷へ帰ってきました。

 

一時も忘れることなく、

いつでも思い続けておりまして、

遠き波路を帰る浦島は

気持ちを歌に詠み込みました。

 

いよいよ浦島は故郷へ帰り着いた

のでありますが、人が住んでいる気配はなく、

野獣がウロチョロする野原に

なってしまっておりました。

 

 

 

 

 

太郎はこれをみて、

これは一体どういうことだろうと思いました。

周りを見渡すと、粗末な小屋があったので

 

「ちょっとお伺いいたします。」

 

と声をかけました。

 

すると、中から八十絡みの爺様が出てきまして、

 

「どちらさんですか。」

 

というので、浦島は

 

「この辺りに居たはずの浦島家の消息をご存知ではありませんか。」

 

と尋ねたところ、爺様が言うには

 

「彼方は一体どなたで浦島家の行方をお尋ねになるでしょうか。おかしな事であります。その浦島とやらは、七百年前に絶えたと伝わっていますよ」

 

太郎はひどく驚いて

 

「それは一体、どういうことですか」

 

といい、自分に起きた色々を

ありのままに話しますと、

爺様も不思議な事もあるものだと思い、

落涙しつついうには

 

「あそこに見えている古い塚、古い塔こそが、浦島家の墓地であると伝わってきております」

 

と指差します。

 

太郎は泣く泣く、草生して

朝露に濡れる茂みを掻き分けて

古い塚へ手を合わせ、

涙を流して歌を詠んだ。

 

打ちひしがれた浦島太郎は、

一本の松の木陰に佇んで

呆然としていたのでありました。

 

太郎は思いました。

亀姫がくれた形見の箱は、

絶対に開けるなといわれたけれども、

今は何かしていたい。

 

開けてみよう、と。

 

この箱を開けたところ、

中から紫の煙が三筋立ち昇りました。

 

二十四五の姿であった太郎は、

たちまちその姿を変えました。

 

太郎は鶴になり、

虚空に飛び上がっていきました。

じつは、浦島の老いを亀の計らいで

箱の中に封じていたのでありまして、

だからこそ、七百年も生きることが出来たのでありました。

 

開けてはならないと

言われていたものを開けたので、

封じられていた時が開放されたのでありました。

 

 

 

タイムマシンにおねがい

タイムマシンにおねがい

 

 

命あるものは、何であっても

情を知らないということはありません。

まして、人間であって情を知らず、

恩を恩と思わないような輩は

木石のようなものであります。

 

深く心を通わせあった夫婦は

二世の契りといいますが、

本当にめったにないことであります。

 

浦島は鶴になり、

蓬莱山に神仙の仲間となって居ります。

亀は甲羅に三つのおまじないをかけ、

一万年を過ごしました。

このために、おめでたいものとして

 

「鶴亀」

 

と言うようになったのであります。

 

その後、浦島太郎は丹後の国に

「浦島明神」として祀られ、

たくさんの人がお参りいたしました。

 

亀も同じところに神と祀られ、

夫婦の明神となられました。

めでたしめでたし。

 

 

以上

 

なんというか、高校生だったのが

つい最近だと思っていたのが

錯覚だったと思い知らされました。

 

半日がかりで何とか訳せたのではないかと思います。

 


いや、やはり訳せていないかもしれません。

チョコチョコすっ飛ばしたりもしています。

古語辞典を探してもないのです。

捨てた覚えはないのに。

記憶と語感によって、

超絶訳してみましたが、

恐らく随所に間違いがあることでありましょう。

その辺は暖かくスルーして、

全体の雰囲気だけ把握していただけると

ありがたいと思います。

この物語を、現実に起きた物語

としたらどうなるのか。

鋭意製作中でありまして、

しばらくお待ちくださいませ。了

 

 

==========

 

一体何を決めてたんでしょう。

それにしてもよく効く奴ですな。

 

お能薪能ってあるでしょ、こんなの。

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あれ、結構ヤバイのバリバリ入れてたそうです。

トランスですよ、トランス。

幽玄ってのは、そういうものです。

もうもうと立ち込める煙。

その煙でみんなトリップ。

 

そりゃあ、盛り上がるわねえ。。 

 

ということで、ここはまだ前振り。。

くどい?

もちろんくどいですよ?

 

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