CHUFF!! チャフで行こうよ。

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「月がきれいですね」の意味を考えてみようよ。前編

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単にアイラブユーの、漱石バージョンや無いで!

そこんとこ、よう考えやんとな!

 

ネットで何故か大人気のこのセリフ、

諸説あれでも出典は実は無いんです。

 

二葉亭四迷の「死んでもいい」も

多分同じじゃないでしょうか。

これも出典は存在はしないようですが、

有名ですね。

 

そこで、私自身が十代の時に受けた授業での、

名解説を再現したいと思います。

 

なるほどー!と思いました。

ネット以前のDOS以前の話だと思うので、

代々続いた話だと思うのです。

 

ではさっそく。

 

 

グーグルで検索してみたら

 

 

こんなんしか読んでなかたったら、マジで阿呆になります。

 

なんでもね、一行目で分かるってのは、

アホな情報なわけです。

 

 

伊藤先生のこと

ここからは、あくまで私が体験した話です。

でもこういうグーグル先生の検索第一位より、

信憑性ありますよ。

伊藤先生という英語の先生でしたが、

なかなかの切れ者で、私大好きでした。

話が横道にそれても面白いわけです。

 

君たち多感な十代は、何かというとI love you を使うだろうが、

その精神状態に自信があるのなら、それを隠喩表現してみなさい。

なに?隠喩もわからない?そのレベルで「愛」とか言うのかね?

腹で茶を沸かすとはこのことだ。

わからない場合には、先人の表現を調べることからだね。 

 

そこで、止めときゃいいのに、バカが

「昔の人も、誰かを愛したはずです。ですので、愛してるで十分ではないでしょうか?」

 

とか言ったんです。

何かというと、ギターを持ってきて、

片思いの歌を歌うような、そういう奴です。

 

ほほう。それで納得するなら、君に勉強は要らない。

私が聞いている限りでは、「I love you」を正確に訳せた人間は、

日本にはいないのはずだが。

無知とは恥かしいものだな。君は得意満面だね。

 

などと、言われてそのバカは顔真っ赤にして怒ってます。

 

諸君、君たちは若く、バカなのだ。

無知を恥じる必要はない。

ただし、賢者のフリをすることが、

いかに恥ずかしいことか、

君らは身をもって経験したわけだ。

では、漱石から始めよう!

 

漱石が「月が綺麗ですね」と言った場面 

伊藤先生によるとですが、

漱石は、極度の文法マニアだったのだな。

私の母校だから、よく聞いたものだ。

 

そう、伊藤先生は東大を出て、なんの因果か、

普通の英語の教師してたんです。

まあ、社会不適応者だったのでしょうね。

 

漱石が授業中に、恋愛におぼれて勉強しない生徒に、

「君は『愛してる』とか、間違った日本語を言ってるんじゃないだろうね。恋愛するにしても、文法的誤りは看過できないんだよ」

と言ったわけだ。

そこで学生も「では先生、なんと訳せばいいのでしょう、この想いを?」と反論したわけだ。

いつの時代もバカはいるもんだ。

それに対して漱石が「月が綺麗ですね」

とでも言っとけばいいんだよ。

と言ったわけだ。

つまりマニアでも訳せないのだな。

 

ここまでは、まだよく聞く話。

伊藤先生はここからが素晴らしい。

 

どうせ、こういうのを聞いたら、

あちこちで、また無知を晒すと思うので、

私から解説しておこう。

何故「月が綺麗ですね」と

そう、訳せるのかだ!

 

もう、生徒は身を乗り出します。

 

時に時代は明治の初め。

文明開化の花開く。

巷の用心ひときわ悪く、

女子と歩く帰り道。

青春男子いきり立ち、

街灯もまばらな江戸の街。

 

まだ、気分は江戸なわけだ。

 

そんな時分にそぞろ歩きの男と女。

入りたいのは貴方の中へ。

そんな想いを露とも出さず、

共に見ているお月さま。

この想いなんと言おうか、

奮い立つのはナニの方。

素知らぬ顔で見上げては、

若い男はこう言った。

「月が綺麗ですね」

誰が汲もうか、その想い。

こういうのを、愛というのだ。

理性で照らす、衝動の嵐。

女子も半ば同意だろうに、

そこで堪える、たぎる魂!

 

どうかね、さっきの君?

歌でも歌ってみるか?

 

一同、「おおーーー」とざわめきます。

 

ちなみに、女子もいるわけです。

まあ、問題ある人だったんでしょう、伊藤先生は。

 

なるほど、興味があるようだね。

では二葉亭四迷のも聞きたいかね?

 

一同おおきく頷く。

 

一旦まとめてみる

長くなったので、

二葉亭四迷のアイラブユーは

次回に持ち越しで。。

 

その後私が身に着けた知識で、

伊藤先生を補足しておきましょう。

 

まあね、月が出ている時間帯に、

そぞろ歩きなんて、当時は全くないわけです。

つまり二人は、「夜」に、

散歩していてもいい関係なわけです。

それは、恋人と言えるのかもしれません。

そして、二人でならんで見上げるわけです。

 

この「並んで見上げる」

ということがポイントです。 

ナニはどうなっていてもです。

 

この懐かしいマン島話でも、

ベンチの扱いについて、「座り並ぶこと」について

私は書いています。後半です。よろしければどうぞ。

 

押し倒してもいい、

そんなふたりなのに、

ともに月を見上げる理性。

 

よく考えてみれば、

普段日常の中で、月を見上げる人は

あまりいないんじゃないでしょうか。

月を見上げることは、

とても理性的なことなのでしょう。

うつむくことは、多分本能的なことですからね。

 

漱石がそう言ったこと、

実は深ーい意味があったのです。

ことの真贋はともあれ、

語り継がれた話として、

神話みたいなものでしょうね。

 

では次回は二葉亭の名訳「死んでもいい」についてです。

chuff.hatenablog.com

(意味を考えないと、単に雑学という、浅いもので終わるよ、ダメだろ?クリックだろ?)

 

夢十夜;草枕 (集英社文庫)

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草枕・二百十日 (角川文庫)

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