CHUFF!! チャフで行こうよ。

もう、何でもありです。ヒマつぶしにどうぞ。

CHUFF!!ってのは、「おっ、なんかいいよね!」って意味です。チャフっていきましょうよ!

心理学をやろうと思うなら数学です。

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私は純粋な精神分析主義者ではありません。

カウンセリング、心理療法、セラピー、

まあ好きに呼ばれていいと思います。

そういうことを、生業としているだけです。

 

ただ、思考体型としての「精神分析学」を

理解できないという人は、

心理学なるものを、

やらないほうが良いと思うのです。

もっと言えば、この手の論理思考ができない人は、

福祉系も行かない方が良いです。

児童教育系もそうです。

悲劇的です。

大学院とか、ゆめゆめ行こうとは思わないように。

 

その基準として考えて良いのが、この本です。

 

精神分析技法論

精神分析技法論

 

 今なら、アマゾンで1円からあるようですね。

なんと嘆かわしい。。

そんなふうに扱われるべき書物ではありません。

 

 

 

中本征利氏について

私はかつて著者の中本氏と交流がありました。

ですので、中本氏の人物像もある程度理解しています。

中本氏は、尼崎市で純粋な精神分析オフィスを、

40年されている、精神科医です。

兵庫県尼崎市にある精神分析クリニックの中本クリニック

健康保険は適用されません。

自費治療です。

50分で、一万数千円だと思います。

一般的には、無名に近い中本氏が、

それで生計を維持できていることは、

それだけで、氏の仕事のレベルの

高さを示しています。

それを知っている私でさえ、

20年以上前、この本を読了した時、

軽くめまいがしました。

 

在野の一人の人間が、

ここまで一つのジャンルを網羅できるのか、と

激しい嫉妬と憧憬の念を禁じえませんでした。

 

 

精神分析技法論

出版時、6千円ほどしました。

400ページを超える大作で、

専門用語もバリバリ出てきます。

いわゆる専門書ですが、

一般人も読めないことはありません。

しかし、問題はそこではありません。

このページ数は、専門書のジャンルでは、

大した量ではありません。

この「たかが400ページ」に詰め込まれた世界を、

知的に理解できない人は、

本来この世界に入るべきではありません。

この本をちゃんと理解するには、

さらにその数倍くらいの文献も読むことになります。

 

いろんな学派が混在していようと、

誰がなんと言おうと、

臨床における「心理学」はフロイトから始まりました。

これは、明確な事実です。

彼の提唱した理論が「精神分析学」です。

当時の感覚で言うなら、「前衛的実験医療理論」です。

そこから、さまざまな分派と敵対が生まれ、

今の臨床心理学(そんなものがあるとすればですが)が成立したのです。

その変遷と、具体的に精神分析は何をするのか?を、

ぐっと書き込んでくれている、いわば入門書です。

これで十分とはいえませんが、

これくらい読めなきゃ、問題外ってことです。

大学院を考えているなら、読んで分からなければ

諦めましょう。

 

ここで、実験心理学系は別のジャンルであることは、

覚えておいてください。

あれは、統計から見るマクロのものです。

ここで言うのは、

ミクロである「臨床心理学」の方です。

 

(ここで、ミクロとマクロに言葉の意味がわからない人も、止めておいたほうがいいです)

 

このジャンルの違いは、優劣ではありません。

そもそも、違うジャンルなのです。

この2つの世界の、不毛な論争は、

フロイトが、治療から離れて、

世界すべてを説明し始めた時に、

誤解が生じたのだと思います。

それは、20世紀始めには面白い見方ではあったものの、

フロイトの、致命的な失敗だと思います。

 

 

数学苦手な人は向きません

誤解を恐れずに言うと、

 

こころのケアなんて、

商標みたいなものです。

意味はありません。

 

現実にはそのような、甘いものはなく、

このフレーズの使われ方は、今や一種の利権です。

こころのケアってのは、ただの親切な人でいいんです。

 

実際に価値があるのは、卓越したプロの技術なのです。

それは「こころのケア」などという、

ぼんやりしたものではありません。

そこに、その治療者の人間味が足されて、

治療として、有効的な独特の空間を作るわけです。

決して、情熱と優しさと思いやりで、

成り立つ世界ではありません。

 

仮に、ユング派だろうと、ウィニコット派であろうと、

力動分析派であろうと、関係ありません。

要は、この論理構造を理解できるか?と言う一点です。

 

もっと言うならですが、

これも失礼を承知で言うのですが、

 

高校くらいまでの数学を出来なかった人は、

止めといたほうがいいです。

 

特に、幾何と対数で躓いた人は、

他の人生を選んだほうがいいです。

大学選びで、数学があろうとなかろうと、

できない人は選んじゃいけません。

私は、この世界に30年近く住んでいますが、

治療者の悲劇を多く見てきました。

最終的に思ったのは、

 

「考える」には、

数学くらいはできないと、

無理ってことです。

 

人間のあやふやな心というものを、

論理で突っ切るのが学問です。

基礎的な論理を理解できない人は、

技術を要する仕事に行けばいいのです。

ここで言う技術は、非論理的なものを指します。

バカにしているのではありません。

向き不向きの話なのです。

例えば、ある行為を続けてやれる人は、

卓越した真の職人に向くでしょう。

しかし、このタイプの人は、心理職には向きません。

努力が報われることはないのです。

しかし、努力を要する世界です。

 

こういうことを、書くと、

 

「人間の心なんて、そんな割り切れるもんじゃないだろう?」

 

とか言う人がいます。

そりゃそうです。

でも、状態の分析さえできない人が、

もっとあやふやな世界を、

どうこうできるはずがないと思わないのでしょうか?

そう思う人は、向いていないのだと思います。

 

高校までの数学は、高等数学ではありません。

算数に近いのです。

できないので、否定したがる典型だと思います。

ここで、進路を間違えないようにしてください。

受験での進路失敗は、自分への慢心です。

心理学関連は、やねておきなさい。

 

 

カール・ロジャースの呪い

カール・ロジャースは優れた臨床家でした。

 

ロジャーズのカウンセリング(個人セラピー)の実際

ロジャーズのカウンセリング(個人セラピー)の実際

 

 

「共感・傾聴・不指示」の三大原則は、彼の提唱です。

しかし、彼が活躍した時期を考えたことがありますか?

アメリカの黄金期、しかもミドルアッパーを相手にしていたのです。

ビートルズより前の時代に。

 

今の時代に、そんなことでやれるわけがないんです。

しかし、日本人は好きなんですね。

ユング派とロジャース派は、特に好かれます。

簡単です。そこでは直感を優先させる、

非論理的な世界でやれるからです。

このような世界は、ほぼ信仰の世界です。

ロジャース派が大流行したのは、

実は校内暴力が吹き荒れた時代です。

「進歩的」教職員はこぞってロジャースを読んで、

あのザマだったのです。

 

繰り返しますが、ロジャースは優れた臨床家です。

ただあれは、一代限りの芸風です。

理論としては無理があります。

ユングにしても、ロジャースにしても

ロマンティックですが、難解です。

それはそもそも、治療理論ではないからです。

アドラー派は論外です。

自己啓発で荒稼ぎしてなさい。

交流分析、トランス・パーソナルも、

ニューエイジ系も、

すべてはマリファナの副産物です。

 

そこを見抜けなくて、「私でもやれそう」と思う方は、

別の人生を選びましょう。

向きません。

 

結局プロとは、専業です

中本氏は医師ですので、少し微妙ですが、

いわゆる医療からは身を引かれているので、

専業と呼んでいいでしょう。

 

臨床心理士をはじめ、産業カウンセラーとか、

精神科医とか、大学の先生とか、

かけもちの肩書はいろいろありますね。

 

ですので、ここは私の個人的な意見です。

どの職業でもそうでしょうけど、

掛け持ちしなきゃいけない人は、

専業に対して、そのジャンルではかなわないってことです。

ビジネスとして考えれば、

いくつも収入のある方が良いに決まっています。

しかし、そうすれば、圧倒的にそれらに時間を取られます。

 

しかし、それしかない専業人のレベルの高さは、

兼業の人とは異なります。

あれもできる、これもやってる、それもいいでしょう。

でもね、それはお金儲けのことです。

 

みなさんが最も誤解されているのは、

精神科医と大学の先生ではないでしょうか。

心理療法と、一見矛盾しないようですよね。

しかし、方や医療保険、方やサラリー。

それが生活の中心です。

よく考えてください。

彼らの本業は、臨床ではありません。

 

他所でバイトしている、

寿司屋のオヤジの店に行きますか?

 

彼らは彼らで、立派な仕事です。

しかし、彼らは貴方の問題に、

真剣にならなくても、生活は成立しているのです。

 

時々「精神分析学専攻」と書いている、

心療内科系クリニックもあります。

しかし、私にすれば、

「医療」と「心理療法」は別のものです。

同時にはできない職業です。

やっているとすれば、その医師の趣味に、

患者がお金払って付き合ってるってことです。

 

専業というのは、

後のない生活です。

 

つまり、貧困に堕ちる可能性が常にあります。

そんな道に、人生かけてもいいんですか?

ビビる人は向きません。

仮に、掛け持ちしたとしても、

この先あまりパイがあるとは思えません。

待遇のいい場所は、ほとんど埋まっているのです。

では、自営するとしましょう。

どうやって、成り立たせるのですか?

そこは誰も教えてくれません。

国家予算を考えれば、

スクールカウンセラーも単価は減り、

規模も縮小されるでしょう。

大学教員職は、すでに定員目一杯だと思いますし、

極端な学歴社会であるということも、

お忘れなく。

 

まとめ

なぜ今回これを書いたかというと、

あまりに無責任な戯言を言う大学が多いからです。

後悔した頃には、学生は競争に出遅れているでしょう。

そういう悲劇をたくさん見てきました。

あまり見たくないタイプの悲劇です。

 

もともとこの仕事は、

誰かの不幸、誰かの苦悩、誰かの病気、

それを当てにしている職業です。

そこが、そもそも悲劇的なのです。

この職種で有能な人は、テレビにも出ませんし、

マスコミにもアピールしません。

理由は単純です。

 

忙しいのです。

 

日々進歩する医薬品の特徴と副作用、

クスリ(合法違法を問わず)の影響、

社会情勢や、制度、風俗、文化、

更には医学の一部や、法律の一部、

学ばねばならないことは、無限に増えてゆきます。

世界のあらゆることと、無関係ではいられません。

今なら、仮想通貨の基本くらいは、

当然抑えなきゃいけません。

 

しかも、その努力に対して、

経済的に報われることはありません。

報われている人は、ビジネス上手なのでしょう。

それはそれで結構ですが、基本的にマトモな人なら、

そういう生活は嫌になるはずです。

 

一般的な生活を送りたい人には、

全くもって不向きです。

進路を決める時、

心理学を選ぶというのは、

愚かな選択であると言い切って良いでしょう。

それにね、たいていの人は人格が歪んじゃいます。

変な人になっちゃうんですよ。

いったん始めると、その見方でできあがっちゃいます。

 

それでも選ぶ人は、そういう業があるのでしょうね。

それならそれに従うのも良いでしょう。

貴方の人生です。

 

でも、本当にそれで良いのですか?

 

よいのなら、

それは明快な理由があるか、

実家がお金持ちかです。

もしくは、ある種の天才。

それ以外は論外です。

 

数学できなきゃ、それ以前ですけどね。

 

いろいろ騙し取られないようにしてくださいね。

魑魅魍魎がおりますからね。

 

(たまにはマトモなこと書きますよ。でも核心は書けないものだと痛感。なのでクリック!)

 

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