名作です。
もう、ホントに不朽の名作ですよ。
原作は光瀬龍。正直読みづらい本です。
でもね、これ読んでしまうと、
後戻りできないです。
その難解ともいえる世界を、
萩尾望都が、漫画化してしまったわけです。
なんでしょう、この力量。
当時、読者はついていけたんでしょうか。
正直無理だったと思うんです。
これね、1977年ごろに
「少年チャンピオン」に連載されていたわけです。
巻末のほうに、ちょろっとね。
いやはや、すごい時代です。
それがどれだけクレージーかというとですね、
連載当時「ドカベン」とか
「がきデカ」とか
「マカロニほうれん荘」とか同じ雑誌に載ってんですよ。
少年ジャンプを超えるところまで行ってたんですよ。
今からは想像できませんけどね。
ところで知ってます?「マカロニほうれん荘」?
マカロニほうれん荘全9巻 完結セット (少年チャンピオン・コミックス)
- 作者: 鴨川つばめ
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2010/11/01
- メディア: コミック
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ぶっ飛びましたねえ。
アナーキーで、勢いがあって、
新しい世界が広がる可能性に満ちていましたよ。
これと、「百億の昼と千億の夜」が同じ雑誌に載ってたわけです。
「ブラックジャック」とかもこのあたりですね。
景気がいいということは、
こういう、儲からないだろうけれど、
実に面白いことをやれる時代のことを言うんでしょうねえ。
不思議なことに、こんな現象はバブル期には起きていないので、
あの時代は景気が良かったわけではないのでしょう。
今の時代もそうですね。
株価が上がり、仮想通貨で「億り人」がいくら出ようと、
あまり面白いものが出てきませんからね。
実は、イケダハヤトさんに期待してんですけど、
いまいちですよねえ。。
ドメスティックすぎますねえ。
彼は、頭が良すぎるんでしょうねえ。
もったいないですねえ。
もっと、唸るようなばかばかしいこと、
ひそかに期待させていただいてます。
さて、この作品です。
光瀬龍の原作も読んでいますけど、
私は漫画版の方が、さらによくできていると思います。
なんとなく、キリスト教ってカッコイイと思っている人いますよね。
読ませてみたいです。
キャンと言わせたいのではなく、
この世界観に対する感想を聞きたいのです。
主人公は阿修羅王。
このあたりでかなりぶっ飛んでます。
その脇を抑えているのが、釈迦とプラトン。
なんか、すでにどんな物語か、
想像できないでしょう?
また、ここで出てくる「阿修羅王」が、
微妙にカワイイという。。
でも、萩尾望都ですから、萌えではないわけです。
念のために書いておきますけど。
全体としては、ホントにハードな世界なんですね。
読後感は、鈍色の空が降ってきそうな、
どうしようもない気分に襲われますよ。
それの感覚が、単にやるせないとか、
そんな甘いもんじゃないわけです。
これにやられると、一生影響を受けること間違いなしです。
光瀬龍も、よくこんなことを、活字で表現できたものです。
こういうの読むと、かつての日本にあった、
「知性」というものが、確かに現在では滅んだと実感できます。
今から考えてみてですけれど、
社会に、未来への期待があるときにだけ、
こういう「文化」は開くのかもしれませんねえ。
どらえもんに汚染されなかった世代ってのが、
最後の日本の理性のきらめきだったのかもしれません。
私の世代はどうでしょうねえ。
どらえもんはやってましたけど、
なんとなく、もっと小さな子供相手の絵空事だった気がします。
桃太郎と同じ次元でね。
だって、「のび太」があんな気楽に過ごせてるなら、
彼は実は相当なボンボンですよ。
これはサザエさんとこもそうですね。
しっかり、その頭がこういうのを理解できるうちに、
読んでおくべき本だと思いますよ。
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