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マン島での道 その48 最後の晩餐

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今夜が最後のマン島となった焚き火の男

譲れないレースが彼を待ち受ける。

 

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それは、美味い晩飯を食うこと。

果たして、最後の晩餐は、

マトモなものにありつけるのか?

 

さあ、さっそく。

 

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先にメイン会場へ行った連中とまずは合流だ。

マン島最後の夕食は、みんなで外で食べよう!

となっていた。

 

会場にいるはずのW氏に連絡をする。

聞かされたダグラス市内の様子はというと、

とても飯を食える状態ではない、ってことだった。

 

メイン会場は、物凄い人で溢れかり、 

周辺の飲食店は、どこも満席で入りきれず、

客が外で飲んでいるような有様だという。

つまり街全体が、打ち上げパーティーな状態。

しかも最後の花火が夜の11時に上がるため、

それまでこの騒ぎは収まりそうにないらしい。

 

会場の周辺で、

腰を落ち着けて食事というのは不可能なようだ。 

結局、オレ達は宿泊先に戻り、

そこで夕食にすることにした。

 

となれば買い出ししかないわけである。

いつものスーパーに立ち寄ったが、

ここでの勝負に連敗中なので、

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勝てる気がしない。。

 

するとスーパーの隣の店舗にも、

行列ができている。

 

何だろうと思い、前まで行ってみると・・・

なにやらいい匂いが漂ってきた。

 

やっぱり中華だ!

8マンの教えは正しい!

 

店の中にはレジがあり、

待合用の椅子だけが並んでいる。 

客たちは出来上がった注文の品を、

受け取って店を出ていく。

 

なるほど。 

テイクアウト専門の中華料理屋のようだ。

その名も“ゴールデン・ゲート(金門)”

 

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いつも通っていたスーパーの横に、

こんな店があるとは、今まで気づかなかった。 

オレはここで夕食を買っていく事にした。

 

そうと決めてしまうと、

なんだか無性にチャーハンが食べたくなった。 

中華で、しかもチャーハンで、

さすがにハズレる事はないだろう。

 

オレは数あるメニューの中から、

エビチャーハンを選んだ。

かなり混雑していたため、

注文してから30分以上待たされた。

 

しかし、待つだけの価値がある。

なにせチャーハンだ!

 

さっそくに家に戻り、食事の時間。

チャーハンを袋から取り出してみると、

入れ物がなんかデカイ。

 

分かりやすく言うと、

ティッシュの箱ほどの大きさだ。 

蓋を開けてみた。

 

あれ?

 

いや・・・

まぁチャーハンには違いないんだが。

卵は?ネギは?

とにかくエビだけは、

鬼のように入っている。

 

そりゃぁエビチャーハンだもの、

と言われりゃそれまでなんだけど。

 

そのまんま過ぎねぇか!?

 

いろどりというものが、全くないチャーハン。

それが特大の入れ物に、

ぎゅうぎゅうに詰まっている。 

色のないビジュアル。そしてこの量。

中華なんだけどマン島らしさ全開。

 

また、負けるのか、オレ?

 

だが味までマン島らしいとひじょうに困る。

とりあえず恐る恐る一口食べてみる。

 

んっ!?

 

イケる!!

結構、オイシイじゃないか。

気をよくしたオレは一気にがっついた。

 

しかしその勢いのままに完食!

・・・とはいかない。 

いかんせん具材がエビしか入っていない。

さらに大盛二人前ほどの量である。

だんだん飽きてきた。

 

なんとか半分くらいまでは食べた。

さすがに胃袋が限界が近い。

結局、他の人たちにも手伝ってもらい、

やっとのことで食べ終えた。

 

食事を終えて一息つくと、

なんだか疲れが一気に噴き出すような感じがあった。

 

緊張の糸が緩んだというか 

噴出し続けていた、

アドレナリンが途絶えたというか。

 

あぁ、本当に終わっちまったなぁ、

という実感が沸き上がってくる。

 

10時くらいになったら会場まで行って、

最後に花火を見ようかとも思っていた。

しかし、そんな気はまったく起きない。

だがそれは、決して不快な感じじゃない。

 

心地良い疲れ、とでも言ったらいいのか。

 

まぁ少しだけ気持ち悪い感じはある。

でもそれは

 

エビだけチャーハンを食い過ぎたせいだ。

 

この日はいつものように、

遅くまでみんなで語るという事はなかった。

 

部屋に戻りベッドに横たわる。 

遠くに聞こえる花火の音を聞きながら、

オレは眠りに落ちていった。

 

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ああ、中華も色がないのか。。

でも、イギリスで「米」は野菜に分類されるので、

まあそんなもんかもしれないなあ。

シェア前提なのかな。

 

つまり、やつが食べたチャーハンは、

イギリス人にとっては「サラダ」なのだし。。

 

ところで、最後の晩餐の勝負はどう判定すればいいんだろう?

 

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(曖昧模糊ってのも、悪くはないかもね。なんでも黒白はっきりできるわけじゃないし!そこでクリック!)

 

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