さあ二煎目まで飲みました。
前回、前々回は、ちょっと急いでましたよね。
でもそれでいいんです。
ここらで一息つけますねえ。
そう考えると、石田三成と秀吉の話「三献茶」は、
案外、ちゃんとお茶を淹れた、
というだけの話かもしれませんね。
では、変の態で三煎目にいってみましょう。
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この段階では「湯さまし」は使いません。
汲み置きしたポットのお湯が、
ちょうどいい温度になっているからです。
ヤカンのままだと、多分もっと熱いのでお薦めできません。
やはり一旦、なにかに汲み置いておきましょう。
なので、直に宝瓶へ。
茶葉は、最後のひと開きをしようともがいております。
健気ながらも、儚い命でございますなあ。
このあたりで、「もののあはれ」とか感じても粋でしょう。
茶葉は濃い色を出してきますので、時間は短くていいですよ。
あんまりエグみを出す必要はありません。
いい色ですね。
ここで、普段私たちが知っているような、
いわゆる「緑茶」になってきます。
最後の一杯です。
ゆっくり飲みましょう。
誰かと一緒であれば、くつろいだ会話が弾むときです。
何しろカフェインと旨味の効果で、
脳はリラックスしながら興奮するという、
とてもいい状態です。
「実は、前々から言おうと思っていたのだが・・」
なんて会話ができそうです。
ゆっくり、ゆっくり飲んでいると、
お茶はさらに変化してゆきます。
スーッと清々しい、透明感のある、
消えかけた夢のような世界になっていきます。
感じとしては、清流の谷水ですね。
三煎目の始めは、大人の女性。
やがて、悟りのような透明感のある老女。
これ全部やるのは、物の怪か羽衣かってくらいですね。
やがて、ふわっと消えてゆく感じは、
まるで私たちの人生を早送りで見るようではありませんか!
あえて、女性で表したのには理由があります。
男性は、ごまかせるのですよ、いろいろ。
老人になってからが、一番生々しいとかありますからね。
女性の変化に比べたら、男性の変化なんてちゃちいものです。
さて、出し切った茶葉を観てみましょう。
いいですねえ。
人生を味わい尽くしたような、そんな姿です。
しかし、この茶葉には使いみちがたくさんあります。
例えば、これ食べたら美味しいんです。
ワサビと醤油とお酢を足して会えてみて下さい。
お酒のおつまみにできます。
白いご飯と混ぜて、おにぎりにしてもいいですよ。
意外なのは、オリーブオイルと相性が良いんです。
パスタに絡めたり、オイルだけ掛けて食べてみたり。
どうです、この玉露の世界。
いいものでございますよ。
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いやあ、ここまで毎回味わうとなれば、
いろいろ大変ですなあ。
でもね、ここ一発試してみてもイイと思いますよ。
小さな冒険は、日常を変えますからね。
博物工学者の西野嘉章氏いわく、
それは勉強する事だ。
知識があるとすべてが面白く見える。
逆に勉強しないと物事が面白く見えない。
勉強がだるいと思う人は、
人生を楽しむ方法を持たないという事だと思う。
美を発見するには、勉強さえすりゃあいい。
そんな簡単なこともできないに人は、無理だね。
ええ、これもお勉強でございますわね。
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