CHUFF!! チャフで行こうよ。

もう、何でもありです。ヒマつぶしにどうぞ。

CHUFF!!ってのは、「おっ、なんかいいよね!」って意味です。チャフっていきましょうよ!

香雪美術館 世界を美で埋め尽くせ!

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行ってきました香雪美術館。

 

香雪美術館ついてくわしくはこちらへ。

 

神戸に長らく住んでおりますが、

初めてだったんですよ、ここ。

阪急御影駅で降りた事自体、数十年ぶりですね。

 

朝日新聞の初代社主の、個人のお家を改造したもんですわ。

どんだけ儲けたのか、ちょっと想像できませんね。

労働者の汗と夢は、ここに吸い上げられたんですね。

思想とは。。

いろいろ考えさせられますな。。

 

それはさておき。

 

まずは駅近の弓弦羽神社に参拝です。

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いやあ、いいところですねえ。

巫女さんが参拝客に

「1600円のお買上げになります」

というのは、どうかとは思いましたが、

 

まあ、このあたりは資本主義の勝者の界隈ですので、

それもありかと。

 

ご近所の方がでしょうか、散歩されている人々から、

ものすごく独特の空気を感じます。

平たく言うと、カネの臭いがします。

 

しかし、美術館の門をくぐると、そこは別世界。

生まれてこの方、苦労というものは豊齢線しかなかったような、

美しい老婦人と、お孫さんらしき若い女性が、

二組緋毛氈に座りご談笑です。

 

カネの臭いは「余裕の匂い」と再変換されました。

確定キーです。

 

いやあ、いいものです。

さすがに、写真は失礼なので、お帰りになられてから撮影。

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ここ、入り口ですよ!

素晴らしい!

ここで談笑する、着物姿の祖母と孫。

想像してくださいな。

 

では中にはいってみましょう。

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茶道具の展示です。

利休と剣仲ってですから、とんでもない二大巨頭です。

今の薮内流の元祖です。

とんでもなく、クールですよ。薮内流は。

裏千家なんて、薮内に比べたら、ただの嫁入り修行ですよ。

 

いいですよ、薮内剣仲は。

ケツ持ちが西本願寺と言うのは、ちょっと引っかかりますけど。。

 

入り口で音声ガイダンスがあるか訊ねます。

品のいい中年の女性が、なんともいい笑顔で

 

「私共の美術館は、ほんの小さな庵でございますので、失礼をご容赦下さい」

 

つまり、そんなものない!ってことです。

今時の日本でですよ、こんな言葉がスラスラ出てくるだけで貴重です。

つい、おフランス語とかで、あえて何か言いたくなります。

そこで

Pas de probleme.(気にしないでください)

と嫌らしく言ってみましたら、即答で返されました。

Je vous remercie de votre gentillesse.

(ご好意に感謝します)

 

マジですか!

やられました! 完敗です!

 

 

では、「ほんの小さな庵」に入っていきましょう。

確かに狭いですね。一階は15畳くらいでしょうか。

二階で30畳あるかないか。

 

でもね、入った瞬間からキマスよ。

なんというか、圧倒的な空気が。

いきなり名器「古狐」です。

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写真撮影禁止と書いてないので、もしかしたら可能なのか?と。

思ったのですが、小さく小さく書かれていました。

そんなことしちゃいけないのは、 当たり前ですけどね。

 

つまり、そんなアホはここに来ないこと前提のようです。

 

素晴らしい!

 

お茶をやる人はわかると思うのですが、

棗ってあるでしょ?

棗 (茶器) - Wikipedia

 

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利休や剣仲の棗が、ズラッと並んでいるわけです。

展示棚の横が、ガラスになっているのが素晴らしい。

上から見るより、横から見ると圧巻です。

ガラスの透明度が、これまた素晴らしい!

 

棗が四個並んでいるだけで、下世話な表現ですが、

値段で言うと、この辺に家が数件建ちますよ。

こりゃ、持って帰りたくなるわなあ。。

そりゃ、大名が茶器一つに命かけるのも、ありですなあ。。

 

ちなみに、利休は棗の仕上げ漆には、粗仕上げを好んだようです。

光り方が柔らかいのは、そのためかもしれません。

やっぱ、すごいわ。。

 

気になったのは、雷物という水指。

茶釜に足し水をしたり、茶器を洗ったりする水が入ってます。

まあヤカンですね。

そこに大きなすり鉢を使っているんです。

すり鉢って、使う時にゴロゴロ音がするので、

「雷物」と言うんですって。

んでもって、それが「擂盆(らいぼん)」

これですね。

この本物の「井戸擂盆」の登場です。

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井戸擂盆(らいぼん)

 

これが、再現された二畳の茶室で光ってるわけです。

いやあ、いいものを見せていただきました。

 

個人的には「織部」は好きじゃないんです。

なんでかというと、あいつヘタウマでしょ?

やりすぎなんですよ。ベタというか。

また、ヘタが織部好きってのは、

滑稽を通り越して哀れな感じします。

 

しかし、この一重切花差の「弁慶」はすごかった。

ネットで画像を拾えないので、是非ナマで!

それもそのはず。これ藪内家の個人所蔵なんですね。

薮内家元から招かれた人しか、見られないわけですね。。

(「弁慶」は前期のみのようです。11月12日までです)

 

 

美術館内にいる人、全員大人です。

しかも、上品というか、鑑賞の仕方を理解しているわけです。

行ったの祭日ですよ。

通常の美術館だと、とんでもなく混んでいるでしょうねえ。

いやあ、ここすごいわ。

 

満喫して表に出ます。

陽がね、こう、キラキラしてんです。

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ここは神戸の街中ですよ!

 

先程の緋毛氈のあたりへ。

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さっきまでとは異なり、陽が斜めに入ってきてますね。

美しい!

 

駅へ向かう道すがら。

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ああ、美しい。

このあたり、やっぱりいいなあ、と思いながら歩きます。

駅前で喫茶店に入って休憩です。

 

そこには、御影婦人の方々が、

下世話なお喋りに夢中でございました。

お受験だとか、旦那の仕事だとか、

美容だとか、まあいろいろですね。

不倫だとか、ゴミの出し方だとか、

まあ見事に小汚いものいろいろ。

 

しかもこの奥様方、わがままばかり仰る。

元町でも、もうちょっと、

みなさんいろいろ遠慮してますよ。

 

そこでふと考えたわけです。

 

やはり美は、ゴミのような混沌からのみ、

生まれるのだな!

 

いいんだと思います。あれで。

少なくともさっきまであった「美」の世界が、

彼女たちによって、きっと守られているわけですから。

 

私は、そんなご婦人方を肯定しますよ!

 

皮肉でもなんでもなく、素直に心から!

夢まぼろし、それを見んと申すか!

 

(言ってることは、行けば分かると思います。行かないとなかなかねえ。そこでクリック!)