私、車には実に興味がなかったんです。
屋根があればいいし、ちゃんと走れば、
それで十分でした。
バイクへの情熱とは、えらい違いでしたね。
たまたま、手元に来ることに
なったんです。
初めての車所有でしたね。
麻雀の勝った分の「カタ」として。
私、基本的には博打はしません。
多分、好きなんですよね。
身を滅ぼすくらいに。
ですので、しません。
でも若いときは、まあそこそこ。
麻雀も軽くはやりました。
まあ、やり込むほどでもなく。
ある日勝ったんですね。
二万円くらい。
その夜は雨が降っていて、
負けたやつののカタに乗って帰って、
それっきり私の車になりました。
後ろ姿から、「水中メガネ」
とも呼ばれた、この車。
今でこそ、マニアの世界ですが、
1980年代終盤の当時はと言うと、
マニアが買う、二束三文の世界です。
当時は、マニアが、マニアックなものを
二束三文で買えたんですね。
これを、大学三年の冬に手に入れ、
2年くらいは乗ってましたよ。
案外楽しかったですよ。
実は、ヒール&トゥの
し易いペダル配置。
元値がタダなので、
いろいろ深刻になりません。
ある夜、足元のフロアが抜け落ち、
そこから雨が入ってきたりしましたね。
その修理方法を思いついたんです。
とんでもなくいい加減な、やり方で。
仲間でガムを大量に噛み、
そのカスを冷やして固くして、
それで穴を塞いで、
ペンキ塗っておしまいという、
実に、アフリカンな修理方法。
自分でも、その時の自分を、
殴ってやりたいですね!
実は、この車。
案外室内空間が広いんです。
この中にスキー板入れて、
スキーも行ったことあるんです。
頭いかれてますね。
こんな感じでしたね、拾い物ですが。
ナンバーが「8」という、今ではなくなった
分類形式でした。
ナンバープレート自体も、
オートバイくらいのサイズでしたね。
ミッションにシンクロが
あったのかどうかは不明ですけど、
壊れているのは当然のことだったので、
ダブルクラッチを常用です。
回転を合わせないと、
ギヤが入らないので、
自然に身につきましたね。
なんと、いいかげんだったんでしょう。
ある意味レーシーなエンジン。
でも、高回転で楽しいエンジンで、
最高速も結構でた記憶があります。
当時は、Zはゴミ扱いで、
Nコロのほうが人気ありましたね。
こうして見ると、
ちょっとミニっぽいですもんね。
もしくは、ビアンキぽい。
最後はどうなったんでしょう。
はっきりしませんね。
仕事を始めて置き場所がなくなり、
マニアの人に、あげたんだと思います。
今となっては、希少車でしょうけど、
スニーカーのように乗れた車でした。
いい車でしたよ。
缶コーラ一本分の排気量には、
いろいろ夢が詰まってましたね。
(ワックス塗ったら、塗装が剥げた思い出も懐かしい。追憶でクリック!)