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アーネスト・サトウを知ってるかい? その5 ものを見る目を鍛える

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前回「ものそのもの」を

撮るということを、お話しました。

そのためのツインイメージの話とか。

chuff.hatenablog.com

 

今回もその続きです。

では、どうやったらそれを

できるようになるのでしょう?

 

 

そのためには、普段からそれを

読み取る訓練というか、

習慣が必要になります。

 

この本の中で、森村昌泰氏が上げている、

 

芸術新潮 1999年 06月号 [特集 カメラ好き集まれ!]

芸術新潮 1999年 06月号 [特集 カメラ好き集まれ!]

 

ブレッソンの写真で、鍛えてみましょう。

まずは、彫刻家のジャコメッティの写真からです。

 

ジャコメッティの作品をまず見てみましょう。

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こんな感じで、縦方向に

直線的な作品が多いのです。

激しいタッチです。

興味のある方は、こんなのでもどうぞ。

 

ジャコメッティ エクリ 【新装版】

ジャコメッティ エクリ 【新装版】

 

その上で、カルティエブレッソン

撮ったジャコメッティがこれ。

 

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とても、ジャコメッティらしさを捉えた、

まさに「決定的瞬間」だと思います。

 

しかし、これを「ジャコメッティ」にしているのは、

前回お話した、ツインイメージのなせる技なわけです。

どうです?

読み取れます?

 

解説と言うか、図解で説明すると、

こうなります。

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この視線の誘導。

ダブルに存在する、ツインイメージ。

 

さあ、どうでしょう?

分かってきましたか?

まずは、こういう作品に触れて、

頭でわかっていないと、

その「決定的瞬間」はつかめないんですね。

これは、武道の「型」が重要なのと同じでしょうね。

反復されて、瞬間的な反射として行動できること、

それが大事なわけです。

 

では、つぎはちょっと難しいですよ。

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ただの風景写真に見えるこれは、

ブレッソンの傑作の一枚と、

評価も高い作品です。

 

この写真から、ツインイメージを、

もっと言えばトリプルイメージを見抜けたら、

なかなかのものです。

 

では解答です。

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さあ、どうでしょう?

反復されるイメージを、つかめてきましたか?

 

これらは森村氏によって、

すごく単純化されたものですので、

探せばもっと出てくると思います。

いずれにしろ、この反復イメージを掴むには、

写真を読み解く練習を

しなければならないということです。

 

なんだかいっぱい撮って、

絞りとか、シャッタースピードとか、

レンズがどうのとか、わかったところで、

全く意味がない、とアーネストは断言しています。

 

見る力、「ものそのもの」を見抜くこと、

それができれば、例えばこういう抽象画も、

分かるようになってきます。

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これは、ピエト・モンドリアン

「赤黄青黒のコンポジション」という、1921年の作品です。

日本で言えば、大正時代です。

 

これも、ジャコメッティの写真の、

イメージと骨格だけを抽出すれば、

こんな絵画になりますよ、って話なんですね。

そこにある、反復されるイメージが生む美。

 

そして、こういう骨格が現れてくると、

写真は新しい段階に進むことになります。

 

そう、驚くべきことに、

この難解なイメージの反復は、

 

基礎中の基礎なんですね。

 

ですのでね、あるうちに買っくべきだと思います。

 

芸術新潮 1999年 06月号 [特集 カメラ好き集まれ!]

芸術新潮 1999年 06月号 [特集 カメラ好き集まれ!]

 

 

自由な作風とか、

個性を出してるとか、

ちゃんちゃらおかしいです。

 

物事には、学ばねば分からない基礎があります。

これは青山先生も仰られてることです。

chuff.hatenablog.com

 

確かに、偶然いい写真が取れる場合もあります。

しかし、それはただの偶然です。

 

次回、写真の理論にさらに深く入っていきます。

 

chuff.hatenablog.com

(そのうち、どっかから怒られそうな気もしてきたけど、まあいいんじゃなかなでクリック!)