アーネスト・サトウを知ってるかい? その3 叩け!ならば開かれん!
どうしてもアーネストの写真集を欲しくて、
こともあろうに、俵屋旅館に突撃した前回。
今はそんなことしなくても、
普通に手に入るようになってます。
いい時代ですね。
- 作者: Y.アーネストサトウ,高階秀爾,Y.Ernest Satow
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/10
- メディア: 大型本
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このとき、すでにこれも売り切れていたんですね。
(今日気づいたんですが、アマゾンでも売り切れてますね)
ほんと、21世紀というのは、
流通の革命があったんだなあ、と実感します。
しかし、20世紀の私は、どうやったと思います?
前回、俵屋の女将、佐藤年さん宛に、
手紙をかけるところまで持ち込みました。
私が芸術新潮で初めてアーネストを知ったこと。
境遇に多少の似たところがあること、
入手を試みたけれども、全く駄目だったこと、
想いのたけを書き綴り、このような形は
無礼千万であることも承知の上での、
お願いであること、等々。
確か数枚にわたる手紙をお送りしました。
あとは、運を天に任すしかありません。
これ読んでいる方で、
同じことやっちゃダメですよ。
今から20年まえのことですし、
女将さんももう、かなりご高齢だと思います。
私は、たまたま運が良かっただけですからね。
返事を待つこと数日。
「私、俵屋旅館の番頭でございますが」と電話。
ヨシッ!
シカトはされなかった!
「手前どもの女将からのご返事を申し上げます」
ドキドキ!
いかような返事でも、仕方ないこと。
「8マン様のご要望を、すべて叶えるようにとのことでございます」
頭の中でこれが鳴り響きましたね。
その頃、絶版になっていた作品集が、
女将の手で再版されたものが数冊あり、
それを二部。
オリジナルもなんとか入手できませんか?
とお願いしました。
すると、女将は手を尽くしてくださり、
貴重なオリジナルもお譲り頂けました。
なんという厚かましさでしょう。
今でも顔が赤くなります。
そのオリジナルが、トップ画というわけです。
多分今でも、再販された写真集は、
京都のギャラリー「遊形」では購入できると思います。
ではそろそろ、彼の講義に入りますが、
アーネスト個人の肖像をご紹介しておきましょう。
1962年の写真と思われます。
見事な、トレンチの着こなしです。
彼は、日本人の父と、
キリスト教宣教師として
来日していたアメリカ人女性の間に生まれます。
1927年生まれですから、
戦争中は、大変だったようです。
美術史や音楽史を修めたようです。
いろいろあって、カメラを独学で習得します。
国連で、当時のソヴィエト共産党書記長、
フルシチョフの撮影で、世に出ます。
これはナショナルジオグラフィックに掲載され、
彼のカメラマンとしてのキャリアは、華やかにスタートします。
そして、雑誌「ライフ」のカメラマンとして、
日本に「来日」したわけです。
凱旋と言うか。
そして、翌年。
俵屋旅館の11代目当主である、佐藤年さんと結婚。
こちらが、その時の写真。
ご先祖へのお墓参りと結婚の報告です。
かなり粋な人です。
その後、京都市立芸術大学で、教鞭をとり、
その弟子が、森村泰昌となるのです。
1978年ころのアーネスト。
俵屋旅館に住んでいたころの、書斎にて。
そしてこの本での
アーネストに扮し、
アーネストの講義を再現する、森村氏。
なんというか。。
よくやりますよねえ。。
まだ、写真の講義には入れませんよねえ。。
まあ、こういうバックグランドそのものが、
物事の理解に役立つんだと思いますよ。
さて、次回!
ついに写真理論へ!
(って、毎回いってんじゃん。まあ、そうねくどいわよね。そこでクリック!)
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