CHUFF!! チャフで行こうよ。

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マン島からの道 その5 日本の匂い

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前回ナタリーの身を案じて自己犠牲に燃えた焚火の男

 

chuff.hatenablog.com

男はたったが、心は折れた。

さあ、再び金の唸る街ドバイに到着します。

行きで、光輝いたロレックスの壁時計は、

今度は何色に見えるのでしょう?

 

ではさっそく。

 

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CAさんに起こされ、オレは目を覚ました。 

オレはシートベルトを着用するよう促された。

 

マンチェスターを出てから、

二度の機内食の時以外、ずっと寝ていた。

行きの機内で全く寝付けなかったことが、

ウソのようである。

 

人間、本当に疲れている時は、

案外どんな環境でも眠れるものなのだ。

 

それでも目を覚ましてみると、

オレの席はやっぱり息苦しい。

まぁそれももう少しの辛抱だ。 

ドバイはもう目の前である。

 

機体は無事ドバイ空港に着陸した。

時刻は現地時間で深夜の0時だ。

飛行機を降りターミナルへと向かう。

 

空港内は深夜にもかかわらず、

多くの人で混雑していた。

人種は相変わらず様々だ。

 

乗り換えまでは1時間半ほどある。

それほどのんびりとはしていられない。

オレは早々にスモーキングラウンジへと向かった。

 

カネの唸るドバイでは、

スモーキングエリアなどと、セコイことは言わないのだ。

ドカッと、ラウンジなのだ。

 

機内で目覚めてから、

無性にタバコを吸いたかったのだ。

ラウンジ内へ入りタバコに火をつける。

 

大きく吸い込み、ゆっくりと煙を吐き出す。

 

ウマイ!

 

頭も体もかなりシャキッとしてきた。

すると横の方から

 

「すみません。火貸してもらえますか?」

 

と日本人女性に声をかけられた。

 

行きに寄った時のドバイでは、

オレ達以外で日本人は見かけなかった。

その先入観から油断していたため、

少し驚いてしまった。

 

話をしてみると、

観光でドバイに来てその帰りなのだという。

 

あぁ、そうか。

 

もうすぐ成田行きの便が出るのだ。

他に搭乗待ちする日本人がいても、

何ら不思議ではない。

 

ラウンジを出て搭乗ゲートの前に行くと、

今度は日本人オバちゃんのツアー集団に出くわした。

オバちゃん連中は両手いっぱいの土産物を手に、

あきれるほどのデカイ声で日本語全開だ。

 

なんか 

一番最初の時に感じた、

ドバイ空港の雰囲気と違う。

 

なんだろう、

日本が近づく安堵感とともに、

妙なムカつきがオレの中に湧き上がりつつあった。

 

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ああ、これね。。

あれなんなんでしょうね。

私は「税関ムカッ」と呼んでいます。

 

ある時間、そうですね一週間くらいでしょうか、

海外で過ごして日本に帰るとき、

言いようのない抑うつ感と焦燥感に襲われます。

一方で、帰国ハイテンションの方々もいらっしゃいます。

若い人やご婦人に多い気がします。

じゃあ、数年とか、数か月ならどうかというと、

焦燥感はないですけど、妙な抑うつ感は、やはりあります。

 

大声のオバちゃんたちですが、

彼女たちの旅の半分は、帰ってから始まるのです。

土産話をすることが目的と言ってもいいでしょう。

それへの、ほとばしる情熱が、

いつもよりさらに大声にさせていますね。

 

この「税関ムカッ」、

割と日本人では共感できる人も多いようですが、

日本人以外では、私は聞いたことありません。

私の知り合いの外国人たちは、

「ホッとするんじゃないの?」とかいいますね。

では、なんなんでしょう、あの感覚。

実はものすごく複雑な感覚なのかもしれません。

 

さて次回、さらっと終わる旅の話。

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(ついに、終わってくれるのか。長かったなあ。。ねぎらいでクリック!)

 

 

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