CHUFF!! チャフで行こうよ。

もう、何でもありです。ヒマつぶしにどうぞ。少しもの知りになれるかもです。

CHUFF!!ってのは、「おっ、なんかいいよね!」って意味です。チャフっていきましょうよ!

マン島での道 その44 Beautiful!

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ついに LOVELY と呼ばれてしまった焚き火の男。

 

chuff.hatenablog.com

世界で最も危険なレースが始まります。

一周60キロの公道を、6周。

平均時速210km/hで走るクラスです。

 

道幅は基本二車線の、荒れた路面。

もちろん、クネクネから、最高速のストレート直線もあり。

 

もう一度書いておきますけど、

これくらいの距離ですよ。

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これを下道で二時間弱です!

 

うおおおお!!!

 

ではさっそく。

 

 

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昼食を食べ終え一服していると、

ラジオの音声が急に慌ただしくなった。

 

シニアクラスが始まったのだ。

マン島TT最後のレース。

改造無制限のリッターバイクに乗った、

ブチキレライダー本気の暴走劇の始まりだ。

 

スタートから10分もしないうちに、

ヘリの音とともに最初のマシンが見えてきた。

 

その姿は、凄まじい排気音と共に、

見る見るうちに迫ってくる。

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速さは先のゼロクラスやサイドカーに比べ、

あきらかに別次元のものだ。

 

耳をつんざくような音と、

今までで一番大きい衝撃波を残して、

レーサーは目の前を、一瞬で走り去っていく。

 

次から次へと、命知らずが突っ込んでくる。

コーナー手前ギリギリまでブレーキをかけない。

 

ブレーキは一瞬。

タイヤから白煙が上る。

インからアウトまで、

フルラインを使って、コーナーを抜けてゆく。

コースアウトまで、掛け値なしで数センチしかない。

見ていて息が詰まりそうになる。

まるで日本刀の、真剣同士の立ち合いのようだ。

www.youtube.com

シニアの決勝はコースを6周。

つまり彼らは2時間近く、

あんなヒリついた感じで走り続けるって事だ。

もはやオレには理解不能な領域である。

 

レースは2周目に突入した。

目の前を10台ほどが通り過ぎた時、

レッドフラッグが振られた。

 

この旗が振られたと、レースは中断される。

どこかで誰かが、大事故を起こしたという意味だ。

 

少しして優勝候補のイアン・ハッチンソン選手が、

マウンテンコースでクラッシュしたという情報が入ってきた。 

安否のほどはわからない。

 

ハッチンソン選手は、

マン島TTでトップクラスのライダーだ。

初日のスーパーバイククラスで優勝している。

そんな熟練のライダーであっても、

こういう事は起きる。

 

トップクラスゆえ、

クラッシュした時のダメージは大きい。

最もスピードを出せるレーサーの事故なのだから。 

マン島TTの映画のエンディングを思い出す。

 

 

主役クラスのライダーは、皆最後は病院にいた。

ICUから出てきて軽口を叩いているが、

実際は重傷だ。

みな、身体をボロボロにしていた。 

そんな状態で、ほんの少しの反省と、

次回の抱負と野望を語る、懲りないやつら。

無傷のまま、マン島で栄光を手に入れるのは、

不可能なのだ!

 

レースは30分ほど中断されていた。 

その後、周回を4周(つまりあと2周)に短縮され再開された。

 こういう事態で、レーサーが考えることは、

一般人の想像の外にある。

今回のアクシデントに臆しているわけがない。

それどころか優勝候補の脱落で、

勝てるチャンスが膨れ上がったのだ。

その興奮と期待に、皆色めきだっている。

 

これがレーサーなのだ。

ババを誰かが引くとしても、

それは決して自分ではない、と信じ込んでいる奴らだ。

 

観客の盛り上がりも最高潮に達していた。

再びマシンがやって来て、

目の前を次々に走り過ぎていく。

 

その走りは、さっきまでと変わらない。

いや、激しさがアップしている。

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二周で終わるということは、

ガソリンやタイヤのことを考えなくてもいい。

なのでペース配分などという、

お上品なものはない。

全員むき出しの本能で、

本気の全開だ!

 

オレは、美しいと思った。

ここに来る前に、8マンはオレに、

「とにかくBeautiful と言えばいいんだ」と言った。

景色も、女性も、食べ物も、全部 Beautiful 。

その時のオレは、話半分で聞いていたのだが、

まさしくそうなのだ!

 

この時間、この空気、レーサー、観客、

そしてこの島。

 

全てが Beautiful だ!

 

 

レースは本命のマイケル・ダンロップ選手の優勝で幕を閉じた。

これで、すべてのレースが終わったのだ。

オレのマン島の旅も、終わりに近い。

メイン会場の様子が、ラジオの歓声から伝わってくる。

祝祭としての、熱狂が渦巻いている。

祭りは終わろうとしているのだ。

 

これからメイン会場へ行き、

それに加わる人たちも多いのだろう。

 

オレ達の意見も二つに分かれていた。

このあとダグラスのメイン会場へ行くか、

 それともレーサーが走った直後の、

栄光と歴史のマウンテンコースを走るか。

 

うまい具合に人数的に半々に割れた。

オレは迷うことなくマウンテンコースだ。 

全コースの中で、もっともコーナーが多く、

テクニカルなこの区間をぜひ見ておきたい。

 

スタッフは先にダグラス組をメイン会場へ送り、

その後、オレと残りのメンバーは、

車に乗り込みマウンテンコースへ向かった。

 

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いい!

実にいい!

 

いやあ、素晴らしいですね。

こういうのは、実際に行かないと経験できませんね。

タイヤの焦げる匂い、大音量の排気音、

ガソリンの燃える匂いと、死の予感。

 

勝者はそれを、気軽に扱うわけです。

なんとも美しい。

 

危ないだとか、安全だとか、

好きだとか、嫌いだとか、

小さなことですよ。

 

美しいものの前では、チンケなもんです! 

 

スバルが四輪でタイムアタックしている動画を発見しました。

ご参考までに。

www.youtube.com

 

2分辺りまでアップして、そこから全開ですね。

こちらのサイトで拝見しました。

carislife.hatenablog.com

(伝わってきますね!ヒリヒリした人生もいいんじゃないかな!そこでクリック!)