CHUFF!! チャフで行こうよ。

もう、何でもありです。ヒマつぶしにどうぞ。

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ロバート・メイプルソープ 写真を芸術にした男 その4

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生命と引き換えに写真という芸術を確立した男。

富と名声におぼれながら、時代を作った男。

その4回目です。

 

その1 その2 その3 できればシリーズで。

 

今回も参考文献はこれです。

 

メイプルソープ

メイプルソープ

 

 

前回は、パティ・スミスとの出会いと別れでした。

chuff.hatenablog.com

 

では、その後の彼の動きを追っていきましょう。

 

1975年ころ、ロバートは成功へのコネを掴み始めます。

1人は前回も登場した、サム・ワグスタッフ。

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このかっちょいいオッサンです。

有り余る資産と審美眼で、ロバートを牽引します。

もちろん、セックスパートナーでもあります。

 

そしてもう一人が、メトロポリタン美術館のキュレーター、

ジョン・マッケンドリーです。ネットに写真がないので、手持ちのを。

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彼が死ぬ数日前に、ロバートが撮影したもの。

死因は、まあ既におわかりでしょうが、エイズです。

当時は免疫低下の奇病と思われたようですが、後に判明しています。

 

キュレーターというのは、馴染みない言葉だと思います。

日本的に言うと「学芸員」となりますが、日本の場合は「査定」をしません。

それに比べてキュレーターは、彼ら自身が相場師でもあるような仕事をします。

ロバートは、彼とも性関係にあったようですね。

 

 

この二人との関係をベースに、彼は美術界への足がかりを掴みます。

ロバートも画家として成功をしたかったけれど、そこで弾かれた人だったのです。

それゆえ、「写真家」という肩書をとても嫌います。

カメラマン、もしくは写真家、という呼び方は、美術界ではタイムキーパーレベルのものです。

 

「器用なんだね」で終わられる肩書です。

彼は父親

「僕はアーティストとして認められたいんだ。写真家じゃないよ」

といいます。

現に彼は、カメラのことを生涯ほとんど知りませんでした。

被写界深度とか、絞りとか、現像とか、全く無関心でした。

 

それらは所詮「職人」にさせればいいこと、と考えていたようです。

 

これは、当時あまり珍しいことではありません。

有名なところでは、アンリ・カルティエブレッソンも現像のできない人です。

この映画の中で、気に入ったプリントだけサインするシーンがあります。

 

 日本の言葉に「職業に貴賎なし」という屁理屈がありますが、

アレを作ったのは実は明治政府と言われてるんですが。。

まあ、それはいいでしょう。

でも世界中で、職業に貴賎はあるという前提で、

社会が成り立っていることは知っておかれたほうがいいですね。

今でもアメリカでは

「そんなことじゃ、ずっとマクドナルドでしか働けないわよ!」

と、学校の先生が言います。これは差別に当たらないわけです。

なぜならば、その表現が「不当」ではない、ということなんですね。

 

同じように、アーティストと写真家の間には、明確な差があるのです。

ギャラで言うと、桁が3つくらいは変わる世界です。

 

そこで、アーティストへの切符をつかむために、

彼は次々と性関係を結び、ゲイの世界にのめり込んでいきます。

そして、それを発表し続けます。

 

ついに1977年、高名な画商でコレクターのホリー・ソロモンのギャラリーで、

有名な個展を開きます。

お金持ち用と、サブカル用とを、使い分けた個展です。

もちろん、サブカル個展は、ハードゲイの世界です。

これがその、宣伝用のカードです。

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そこで成功した彼は、よりハードコアを求めてゆきます。

彼の場合は、それは黒人ゲイとのセックスだったようです。

もちろん、ドラッグ付きのキメセクです。

 

「一度黒人にはまると、もう引き返せない」

 

と公言するようになり、交際関係が広がっていきます。

当時、エイズはまだ未知の病気として、確認はされていませんでした。

 

しかし、パンデミックは実際には起きていたのです

ロバートも、もちろんその渦中にいたのです。

 

(なんか、マズイ展開かも知れない予感。。オレの好印象が。。ええい!そこでファックでクリックだ!)

 

その5に続きます。

 

 

 

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