真夏の深夜、静かなバトル
街中に住んでいると、
夏の夜に窓なんか開けてらんない。
湿気と熱風で殺されちゃうからさ。
室外機の発する熱だけでも、
凄いことになるしね。
案外、みんな真冬並に締め切ってる。
その日はたまたま、
なぜだか窓を開けていたんだよ。
音楽を静かな、静かなボリュームでかけてたんだ。
エルヴィスのラブ・ミー・テンダーだったんだけど。
終わった頃に、どこか窓の外から
「もう一回聞きたいな」っておじさんの声で聞こえたので、
なんか、面白くって、もう一回かけたのね。
「ありがとう!こっちのも聞いてよ!」
って言うから、
「どうぞ!」って言ったら、
これが流れてきた。
「おお、渋いね!」と言ったら
「次はそっちでお願い!」
と言われたので。
これをかけたのね。
「おお!にくい選曲!じゃあこっちはこれで!」
その夜は、それで終わったんだけど。
それ以来、そんな事は起きてないんだ。
今から思い返しても、いいチョイスだったな。
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